現在肺腺がん治療中の愛犬・ヴィオレの最近の様子を書いていきます。
しばらくブログから遠ざかり、ここに書くのはずいぶん久しぶりです。ヴィオレのことをどこまで書いてあるのかさえ思い出せないので、過去記事をチェックしてみました。一回目の抗がん剤をスタートしたのは、2019年7月末です。
2019年7月末から2020年2月23日現在までのことをご説明します。
副作用との闘い
2019年7月末から始めた抗がん剤で使ったのは、強い副作用のあるカルボプラチンです。
副作用は投与後二日目くらいから始まる食欲不振(場合によっては下痢する犬もいるらしいのですが、幸いそれはありませんでした)が数日続き、それを乗り越えると次は白血球の中にある好中球が下がり、免疫力が低下します。このときに怖いのは感染症。なのでこの期間は、不衛生な場所へのお出かけは厳禁です。それが落ちついてくると好中球の数値が回復します。次の抗がん剤はその頃に実施です。
スケジュール的には抗がん剤は3週間に一度。その間毎週のように血液検査を重ねます。途中に何度か副作用で入院が必要な状態にもなりましたが、大事には至らず。自宅で元気に過ごせるようになり、状態はずっと安定してました。
これら一連のペースに慣れるまでは不安だらけでドキドキの毎日でした。でもそういった特徴を把握すれば、「完治しないまでも、もしかしたら癌と共存できるのでは?」という淡い希望を抱けるほど状態は落ちつき、淡い期待を寄せたくらいです。難しい病気ではあるけれど、絶望しかない状態ではなく、かすかな希望を常に持ち続けていました。それが私たちのエネルギーの源だったのです。
この写真は今朝撮ったものです。人間の場合抗がん剤の副作用といえば脱毛をイメージするかと思います。でも犬にはそれがないので、外見からは肺がんの治療中だとは想像できないと思います。実際、とても元気で、食事もモリモリよく食べてます。
でも確実に病気は進行しているのです。こんなふうに二匹で仲良く散歩できる時間は、今後少しずつ減っていくのかもしれません。
肺の中に怪しい影
これまでに抗がん剤の投与を11回続けてきました。担当医師が言うには、10回以上もできた犬はいないそうです。その前にダメになってるケースがほとんどだからでしょう。専門の病院でさえ前例がないそうです。ヴィオレの場合、がんの症状が出る前の、リンパや他臓器への転移もない状態のうちに手術できたことが幸いしたのです。
でも抗がん剤を何度も繰り返していくと、体への負担も増していくし、点滴するにも針が刺せる場所がなくなります。この先どうしようかという話になった頃、レントゲン検査で怪しい影が見つかりました。それが今年1月のことです。
まだ腫瘍にはなっていない、ほんの数ミリの怪しい影がいくつかありました。十中八九、それは肺内転移だと告げられました。同時に、胸水も増加してました。そこで今後の治療方針を変えることにしました。
覚悟はしていたものの、正直、落胆しました。「これだけやっているのに」と。「なんでこの子が?」と。
パラディア投与開始
当初の予定は
1.副作用の強い抗がん剤(がん細胞に対する積極的な治療)
2.副作用の低い抗がん剤(進行を抑える程度の効果)
3.緩和ケア(胸水を抜く、痛みを取る、呼吸を楽にする処置など)
となっており、これまでは1の「がん細胞に対する積極的な治療」をしてきました。
しかしそれを続けていてもこのように悪化するのであれば、毒にもなりうる強い薬(抗がん剤)を使うのはもうやめて、今後は副作用がマイルドな、2の「進行を抑える治療」に切り替えていこうと提案されました。
具体的には「パラディア」という飲むタイプの抗がん剤・分子標的療法薬です。今までのように何時間もかけて点滴をしなくていいし、正常な細胞まで破壊するような強い副作用もないそうです。当然その分効き目も薄いかもしれません。でも残された時間の質を高めるためには、もうこれ以上の負担を強いたくないというのが本音です。
この薬を先週から始めました。2日に1錠のペースで飲ませていますが、今までのような副作用はなく、とても元気に過ごしています。
効き目についてはまだよくわかりません。うまく合えばいいというかすかな期待しか持てないけれど、終わりが近づいているのなら、いや、近づいているからこそ残された貴重な時間を今まで以上に濃密なものにしたいのです。そしてできるだけ穏やかに残りの時間を過ごさせたいというのが飼い主としての本音です。
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