Violet@Tokyo

【愛犬の肺がん闘病記】入院時の記録

約7分



定期的に行っている健康診断の結果、初期の肺がんが見つかった我が愛犬。腫瘍の発見から日本小動物医療センターでの精密検査の様子は、以下の記事に書いたとおりです。

予定通り3月10日に入院。3月11日の今日、手術を行います。

麻酔をかけたらこちらに連絡が入ることになっています。午前11時現在、まだ病院から連絡が来ないので、今のうちに昨日の入院時の様子を書いておきます。ザワザワと落ち着かない自分の気持ちを紛らわすために。

3月10日、入院時にしたこと

前回検査に来た時とは違い、病院内は驚くほど静か。受付を済ませ、待合室で待機。

愛犬は、これから自分の身に何が起こるかなど知るよしもなく、お父さんの膝の上でずっとおとなしくしてました。

数日前、入院・手術に備えてクリンクリンに短くカットしてきました。まるで男の子。かつてしつけ本のモデルを努め、「美少女」の名を欲しいままにして近所のオス犬どもをザックザックと滅多斬りしてきた面影なし。

数分後、診察室に呼ばれました。まず現在の体調についての質問から。

特に変わりはなく、普段どおり元気に過ごしている旨を伝え、いよいよ本題です。

手術の説明

入院時に行うことは
1.手術内容の説明を受け
2.同意書へのサイン及び内金の支払い等を含む事務的なもの。

説明されたのは手術内容だけでなく、手術のリスクや術後に気をつけることなどを実に詳しく、それはそれは詳しく、詳しすぎて聞いてるこちらが怖くなって「もうやめて!」っていうくらいのレベルでした。

ちなみにどんな手術をするかと言うと…。肺にできた腫瘍の切除はもちろん、片方の肺1/3近くを切除。同時に肺の近くにあるリンパ節も切るそうです。

それらをするために体に大きくメスを入れて肋骨をガバッと開くため、術後の痛みは相当キツイものになる…といった説明。

この時点でもう、頭がクラクラ。実際に手術をしたことがある私には、だいたいのことが想像つきます。

私も、手術前には「痛くないようにお願いします」と、何度も何度も何度も何度も言いました。口さえ開けば「お願い、痛いのはイヤ」と、繰り返してました。

それに対し、「わかりました。痛み止めや局所麻酔をフルに使って痛みを軽くする処置をします」と言ってたはずだけど、嘘ばっかり。もう、半端なく痛かったです。

「そんなしんどい思いを3キロもない、こんな小さな子に体験させるのか」と考えただけで胸がギュッと締め付けられる。しかもその理由が犬はわからないというのが切なすぎます。

術後について

そんな感傷にふけっている間に説明はどんどん進みます。

肺の一部を切除するということは、肺の機能が今までより低下するということ。

日常生活を送るくらいなら困らない程度だけど、水をがぶ飲みしたりすると誤嚥性肺炎を起こす可能性もあるらしいです。

退院後の日常生活についてはまた追って詳しい説明があると思うので、これ以上のことは割愛します。

あとはこちらの質問コーナー。手術をするまでは「肺がんの疑い」ということで、正式な診断は病理検査の結果が出てからになります。

これも自分の体験とかぶるので「術中迅速診断ではないのですか?」と質問したところ、それはせず、病理検査の結果が後日に出るそうです。──それまでが落ち着かない感じ。

それらひと通りの説明を聞いて、自分が想像していた以上に難しい病気にかかってしまったことを、今さらながら実感しました。

でも、助けたい。この命を守りたい。

感傷

説明が終盤にさしかかった頃、担当医が愛犬を見てこう言いました。

「ずっとお母さんばかり見てますね」

アイコンタクトが習慣になっているのは、小さな頃からあちこちの訓練競技会に出していたから。10年ほど前に一度だけ、この所沢にも訓練競技会で来たことがあります。

なのに10年後の今日は、同じ所沢でも病院に来ていて、しかもそれは二次診療を必要とするような重い病気で。まさかこんな形で再びここに来るなるなんて…。

10年なんて長いようだけどあっという間。でも確実に時は流れているのだと感じます。いつまでも続くと思ってたこの幸せが、そう遠くない将来に終わりを告げるのだと予感したのもこの時でした。

わかってはいるけど、いかなることも、ずっと同じではいられないのです。

奇しくも今日は3月11日。東日本大震災が起きた日です。8年前のあの日のあの時間、東京でも大きく揺れました。その瞬間私は真っ先に愛犬を抱き上げたことを鮮明に覚えてます。まさか8年後のその時間に、あのとき抱き上げた愛犬が大手術を受けることになるなんて、まったく予想もしませんでした。

事務手続き

さてひと通りの説明が終わり、次は事務作業です。

手術の同意書に署名し、手術費用の約半分を支払います。手術代が約5〜60万(一週間の入院費含む)かかるので、入院時に約半分にあたる20万を入金します。アニコムからも10万が出るので、実質的には30万を支払った形となります。残りについては退院までに精算します。

この病院はAirペイを導入しているので、支払いに関してはとても便利だと感じました。各種クレジットカード、電子マネー、IDなどが使えます。

今回はLINEPayカードで支払いました。しばらく通うことになりそうなので、LINEPayカードのみならず、IDに設定したDカードプリペイドやKyashなどを、支払額に応じてそれぞれの上限額と照らし合わせながら使っていこうと思ってます。

しばしのお別れ

説明を含むそれらの作業にかかった時間は約1時間程度。いよいよお別れの時間です。

愛犬は「置いてっちゃうの?」みたいな、助けを求めるような顔をしてこちらを見ていて、なのに吠えることもせず、ただ心細げな表情を浮かべてました。

これがいかにも愛犬らしくていじらしい。自分がどんなに嫌でも我慢しちゃう。それがわかっているからこちらもいつもどおりに、なるべく目を合わさないようにして「少ししたら来るからね」と軽く声をかけ、病院を後にしました。

手術後から2日間は会えないので、(あくまでも状態次第ですが)次に会えるのは水曜日です。

ここまでが昨日の入院時の様子です。次項は今日の手術についての記述です。

3月11日、手術開始の連絡が入る

2019年3月11日午後1時20分。ここまで書いていたらたった今、病院から電話が入りました。麻酔の導入が始まったそうです。いよいよです。

私たちが行ったところで何もすることはないし、愛犬にも会えません。でも家にいても落ち着かないので、やはり所沢に向かうことにしました。ブログ執筆はここで一時中断。

手術、無事に終了

午後6時。今自宅に戻りました。記事の続きを書きます。

病院に到着して数分後の3時10分頃に、手術が無事終了しました。

最初に報告してくれたのは、自分の仕事を休んでまで愛犬の手術に付き添ってくれたかかりつけの先生。

満面の笑顔を浮かべて「ヴィオレちゃん、とても順調でしたよ」と、本当にほっとしたという表情をしてました。

多くを語らなくても長年の付き合いで、いかに順調だったのかがわかります。手術着姿だったところを見ると、手術に立ち会ってくれたのでしょう。

それから数分後、執刀医からも順調だった旨の報告を受けました。前日に説明された内容すべての処置が予定通りに終わり、これ以降、腫瘍と取り除いたリンパ節を病理検査に出して、悪性度やリンパ節への転移がないかを調べるそうです。その結果次第でこれからの治療方針が決まります。

終わったばかりなのでこれ以上の詳しい説明はありませんでしたが、「ひと山は超えた」とのこと。でもまだ予断は許さないので、24時間体制で、つきっきりで看病に当たるそうです。

その後の様子も含め、続報が入ってきたら後日お伝えします。

 

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はじめまして。このブログを執筆しているViolet(ヴィオレ)です。
このブログは私が日々感じたこと、考えたことに独自の視点を交えて書き留めている忘備録です。読者の方に少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
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