Violet@Tokyo

闘病中、涙するほどうれしかった励ましの言葉

約5分



前のエントリーでは、闘病中に私がかけられて嫌だった言葉をご紹介しました。

今回はそれとは逆に、心にじんわりと染み入るような、病気をしてても心が強くなれるような、涙するほど嬉しく感じた、病気の人にかける励ましの言葉をご紹介します。

もしあなたが病気の人に励ましのメッセージを考えているなら、ぜひ参考になさってください。

「一陽来復を願う」と書かれたメールに友の思いを感じた

闘病中、涙するほどうれしかった励ましの言葉

「一陽来復」と書かれたメールが届いたのは2月上旬、節分の頃でした。まだ全ての検査が終わってない段階でしたが、検査が進むにつれ「これはちょっとタダゴトではないぞ」と、不安がMaxになってた頃です。

「一陽来復」とはgoo辞書によれば「冬が終わり春が来ること。新年が来ること。また、悪いことが続いた後で幸運に向かうこと」という意味です。

「凶事の後には必ず吉事が回ってくる」という意味にひっかけて、友人は「冬眠すれば必ず春が来ます」と、文面を結んでいました。

病気以外のことを想像させてくれた


2月といえばまだ寒さは厳しく、植物の多くは霜にやられて枯れ果てています。けれど、いくら地上でみすぼらしい姿になっていても、地中では来たるべき春に備えて根の奥深くにたっぷりと栄養を蓄え、じっと春の訪れを待っています。

私はそのメールを読んで、春に力強く蘇る植物たちの姿を思い浮かべていました。植物だけでなく、春になって活動を始める生き物たちの姿もイメージしました。

「私も地球上の生き物である以上、季節の廻りの中で生きている!」

そう思うと、良いことばかりが続かないように、悪いことだっていつまでも続かないと思いました。

たった4文字に込められた友人の思いが、とてもありがたくてうれしくて……

同時に、病気のことには一言も触れないあたりに心憎いセンスを感じました。

「相手を思う気持ちがあれば、むしろ余計な言葉はいらない。たった4文字でも思いは伝えられる!」

こんな風に人を励ますことができる人になりたいなぁ。

「そうかぁ……」言葉はいらない!聞き役に徹してくれた友人の気持ちがうれしかった

闘病中、涙するほどうれしかった励ましの言葉

何も言わずにただ黙って私の話を聞いた後で、たった一言「そうかぁ、そうだよね」と言ってくれた友人の言葉がとてもうれしかったです。その友人は数年前に乳がんを患い(一度転移があったものの)、現在は完全に克服して社会復帰を果たした人です。自分が大病を経験した過去があるから「共感し、相手に寄り添うことの大切さ」を誰よりもわかっているのでしょう。

入院患者の心を弱くする一因は孤独です。

「健康ならあたりまえにできてたことが、病気をしたために今はできない」

頭ではよくわかっているけど、心は違います。自分だけが世界から一人、ポツンと取り残されたような、孤独な気持に襲われます。特に入院中は退屈だから、なおさら孤独感を抱きます。

その孤独を和らげてくれるのは、誰かに話を聞いてもらうこと。──つまり共感。

嘘偽りのない、寄り添う気持ちだけで十分です。ただ「わかる、そうだよね」と言ってもらうだけで「ああ、私は一人じゃない」と実感します。

それはもしかしたら、励ましたいとやっきになって100の言葉をかけるより、黙って話を聞いてくれることの方が数倍有効かもしれません。病人は、”まやかし”には特に敏感ですから。

どんなに心配でも命令してはダメ

「早く元通りの元気な姿になって」
「ムリをしちゃダメ、あれをしてはダメ、これもダメ、そんなことをしたら体に障る」

形式ばった「善意の押し売り」にはうんざりでした。ああしろこうしろ、○○すべきと、心配が高じて命令もしくは否定ばかりする人に辟易していたからこそ、黙って寄り添ってくれる人がとてもありがたく感じました。

“早く良くなれ”と焦らすのではなく、”ゆっくり静養して”と言うものじゃない?

何度こう思ったか知れません。

一言付け加えるなら、病人だって医者が認める範囲でなら、体調が良い時には食べたいものを食べ、やりたいことをする自由はあるはずです。どんな環境にあっても、仮にそれが病人であっても楽しみを見いだす権利は誰にでもあります。またそうしていかなければ、心まで病んでしまいます。闘病生活は、楽しみは限られているのですから。

本当に心配しているなら、命令して思い通りにしようとするより、つかず離れず黙って見守ればそれでじゅうぶんです。望まない助言は、本人にとってはいらぬお節介でしかありません。

思いがあればシンプルな言葉でもちゃんと伝わる

言葉は伝わってこそ価値があります。その価値を認めるのは発する側ではなく、受け取り手です。同じ言葉でも状況やタイミング次第でOKか、NGかに別れます。

それがいちばん難しいところですが、もしあなたの大切な人がピンチに陥ったとき、なんとかして励ましたいと思った時、その思いを相手のハートまでしっかり届けてあげられたら、こんなステキなことはありませんよね。

気の利いたことなんて言わなくていいです。形式ばった名言も優等生的なきれいごともいりません。病人が本当に欲しいのは、偽りも計算もない、心からの率直な言葉です。

それを踏まえて、どうか相手の心にそっと寄り添うような、優しくて温かい言葉を見つけてください。思いさえあれば、多くを語らずともきっと相手に伝わるはずです。

 

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このブログは私が日々感じたこと、考えたことに独自の視点を交えて書き留めている忘備録です。読者の方に少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
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