糸井重里さんの愛犬・ブイヨンが亡くなってから5ヶ月が経過した昨日、うれしいニュースが入ってきました。ブイヨンが亡くなったことを書いた以下の記事に、昨日から急激にアクセスが集中して気づきました。
「犬がいなくて自由になった…その自由は、もういいです」とのことで、ブイヨンの妹分・ブイコちゃんが糸井家の家族になりました。ちょろっと写真を見たけど笑顔のステキな美少女で、世の男どもをブイブイ言わせそうな予感満載。どんなレディーに成長するのでしょうね。新たなアイドルの登場で、この先が楽しみです。
【ブイヨンの「月命日」の今日という日に、ぜひ、お伝えしておきたかったのです。昨日の夕方、年の離れた妹分がうちに来たのです。名前はブイヨン(Bouillon)のブイを受け継いで、「ブイコ(Bouico)」といいます。】糸井重里・今日のダーリン8月21日 https://t.co/ZyqPfIc4UV
— ほぼ日刊イトイ新聞 (@1101complus) August 21, 2018
糸井さんの、ブイヨン・月命日の報告
「今日のダーリン」は過去ログが残らないので、以下に全文を転載します。やはりシニア世代ならではの、いろんな葛藤があったみたいですね。
ひと月ほど前から、たくさん話し合ったり考えたりして、真剣に準備してきたことがありました。
真剣にとかいっても仕事のことではないですし、わざわざ言うのも大げさに思われるかもしれませんが、ブイヨンのことで、たくさんの人たちに、たくさんの「こころ」をいただいたので、ブイヨンの「月命日」の今日という日に、ぜひ、お伝えしておきたかったのです。ブイヨンは、3月21日に空へ旅立っているのですが、昨日の夕方、年の離れた妹分がうちに来たのです。
名前はブイヨン(Bouillon)のブイを受け継いで、「ブイコ(Bouico)」といいます。
5月7日の生まれだそうですから、今日で106日目かな。
ブイヨンがうちに来たのと、ほとんど同じくらいです。
ニコちゃん時代のブイヨンに、ほんとによく似ています。じぶんの年齢から考えて、ブイヨンが最後の犬だと本気で思っていました。犬の世話をするにしても、漠然と考えていたのは、いつか保護犬の預りさんをする程度のことでした。
このちびちゃんを、幸せな家族にするためには、ぼくらの生き方考え方の大きな再構築が必要でした。
検討と相談とを、真剣に繰り返しました。
出発点は、いちばんたくさん面倒をみる家人が、ブイヨンみたいな仔犬を探し出してくれたことでした。
ぼくが反対なら諦めると、わりとさらっと言うのですが、ぼくだってねぇ、問題がないのならば犬と過ごす気は満々なわけです、さみしかったし。
もっとも大事なぼく自身の年齢の問題については、よくよく考えたら家人が10歳も年下だということと、さらにその後ろ盾として、どうぶつ好きの娘の夫婦がこころよく引き受けてくれたことで解決しました。
協力している愛護団体には、保護犬を預かるというより、いままでと同じような援護をしていこうということで、お空のブイヨンも含めた相談がまとまったのでした。
で、経験豊かなブリーダーさんのところで、姉妹たちと100日も遊んでから、うちにやってきた、と。
また、20年近く、うちにブイちゃんのいる暮らしです。
犬がいなくて自由になった…その自由は、もういいです。今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
いろいろ省略しましたが、夫婦というのはわるくないです。
引用元 : ほぼ日刊糸井新聞/今日のダーリン8月21日
いや、本当によかった。糸井さんが最近少し元気がなかったように感じてたので、うれしいです。ブイコちゃんが光となって、糸井家を明るく照らしてくれるでしょう。
それをいちばん喜ぶのは、天国にいるブイヨンちゃんです。犬は飼い主さんの笑顔が大好きですからね。
犬のいる暑っ苦しい不自由は、毎日笑いが絶えなくて幸せに満ち溢れて、もう最高ですよ。お漏らししたって楽しい、とんでもないことをやりだすけど、やっぱり楽しい。今しかない子犬の時期、どうかたいせつになさってくださいませ。
ブイコがさっき小さい声でスンスンいってたので、ちょっとケージから出してやったら、カーペットでおしっこしてしまった。掃除してたらはしゃぎはじめて、いままででいちばん元気よく走り回った。ちょっと戦いごっこをしてやった。よろこんでいた。なんてたのしいんだ。
— 糸井 重里 (@itoi_shigesato) August 21, 2018
老犬を看取った後の子育ては格別
冒頭にご紹介した、ブイヨンのことを書いた記事の中で私はこう書きました。
かつてあたりまえにできたてたことが、日々少しずつできなくなっていく切なさ、もどかしさ。特にものが食べられなくなってしまうと、ほんのひとくちでも食べてくれることが、こんなにもうれしいことで、こんなにも素晴らしいことなのかと思い知らされます。
「水を飲んでくれた!」「今日は食べてくれた!」「歩いてくれた!」
そんな、元気だったらなんでもない、ひとつひとつに感謝、感謝。
老犬との暮らしは、必死に生きようとする姿に愛しさと感謝の思いを積み重ねる毎日です。その感謝を知っている人が次に子犬を迎えると、新しい命のエネルギーはこんなにもすばらしいものかと、やっぱり感謝しかないんですね。
「歯が生えた!」「離乳食が終わった!」「散らかさないで上手にご飯を食べた!」「上手にお散歩ができた!」「夜泣きしないで静かに寝てくれた!」
こんなひとつひとつの些細なことが、大きな喜びになるのです。
ブイコちゃん、今日はうまく歩けなかったみたいです。
今しがた、ブイコちゃんが人間のお父さんお母さんとTOBICHIに始めて遊びに来てくれましたー!!!ほわーーー!!ちっちゃい!!つやつや!!かわいいーーー!!!
お客さまと一緒に大興奮!今日はまだ怖くて歩かないそうです、それもまたかわいい!
また元気に遊びにきてねー!(レイ) pic.twitter.com/L9NAdJIrwG— TOBICHI (@tobichi_1101) August 21, 2018
でも、次があるのが子犬。ブイコちゃん、次はがんばれ!
老犬は感謝を、そして子犬は喜びを教えてくれる
老犬との暮らしは、できなくなっていくことが増えていく中、「限られたできること」に感謝する日々。
それを知ってるからこそ、子犬を迎える準備の段階から、もうワクワク。そしていざ迎えてみると、老犬との静かな暮らしとは一変、子犬との暮らしは慌ただしくて片時も目が離せない毎日です。けれどできることが日々どんどん増えていく喜びを、格別なものとして感じられるのです。
姉妹たちと100日遊んだ子
今日のダーリンの中で糸井さんはさらっと書いてらっしゃるけど、「ブリーダーさんのところで姉妹たちと100日も遊んでからうちにやってきた」というのは、以下の記事にも書いたように、とてもだいじなこと。これから犬を飼いたいという方は、ブリーダー選びの基準のひとつにしてくださいね。
本物のブリーダーなら、生後3ヶ月以上は、母犬から子犬を離しません。母乳が離れても兄弟犬同士で遊ばせて、犬同士の触れ合いを通じて犬の流儀を学ばせます。
ところが小さければ売れる、いつまでも手元に置いておくと費用がかさむなどの理由から、生後2ヶ月にも満たない子犬が市場に出回る日本のペット業界、ここにも深刻な問題があります。
ブイヨンが「ほぼ日手帳2019」の表紙になった
そんなペット業界の問題にも積極的に取り組んでこられた糸井さんですが、上記のエッセイの中で「保護犬を預かるというより、いままでと同じような援護」を、今後も続けるそうです。11月1日発売のほぼ日手帳「ブイヨン/クローバーの海」の売上の一部は、一般社団法人ランコントレ・ミグノンに寄付され、 動物保護活動に使われるとのこと。
【ほぼ日2019年1月始まり】ほぼ日手帳オリジナル ブイヨン クローバーの海 5,300円 |
それにしてもこのカバーに使われたブイヨンの顔、本当にかわいい。いい写真です。これは2006年当時のブイヨン。表側はダイスキなボールをくわえながらクローバー畑を元気に走り回るブイヨン。楽しくてしかたがないブイヨンの笑顔と躍動感が伝わってきます。
…ということで、来年の手帳はこれに決める。だって幸せなニュースは人を温かい心にしてくれる。手帳を買うことで幸せな犬が増えるならと思えば、ほんの微々たる貢献しかできなくても喜んで買いますよ、ブイヨンの手帳を。
なお、それ以外のほぼ日手帳2019に関しては以下の記事にまとめてあります。
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