twitterで、糸井重里さんの愛犬・ブイヨンが亡くなったことを知りました。亡くなったのは3月21日。咲始めた桜の花にうっすらと雪が積もった春分の日です。
桜と雪…。樋口さん(桜)の腕に抱かれて旅立ったブイヨン(雪)を象徴するかのよう。
これ以降、ブイヨンに対する思いを書いていきます。
雪と桜の日に
今日のダーリンにはこんなことが書かれています。
ブイヨンがあっちの世界に旅立ったことは、とてもさみしいのですが、できるだけ悲しみ過ぎないようにしようと思います。
先日も「過ぎるのはいけない」と書いたばかりですしね。
あの雪と桜の夜には、小さなお通夜をしました。
ぼくと家人と、娘夫婦とで、あれこれ思い出を語り、かわるがわるに、笑ったり泣いたりしました。
どの話にも流れているテーマは、「ブイちゃんは、いいこだった」ということでした。
いいこって、どういうことなんだかよくわかりません。
でも、すっごくいいこだったということについては、お通夜のメンバーみんなが認めていました。
こころ残りなんてありません。とはいうものの、老犬になってからの食べものは、もっと好きなものを食べさせてやりたかったかな‥‥。
制限ばかりしていて、どれほど寿命が伸びるのか。
すっかりものが食べられなくなってからの一時帰宅で、カステラに似たおかしをあげたら、生命力のかぎりを尽くしてわしゃわしゃ食べたのです。
あんな野生的な姿を、もっと見たかったなぁ。
3月23日 : 「今日のダーリン」より引用
犬はずっと「いいこ」のまま
これ、すごくよくわかる。
かつてあたりまえにできたてたことが、日々少しずつできなくなっていく切なさ、もどかしさ。特にものが食べられなくなってしまうと、ほんのひとくちでも食べてくれることが、こんなにもうれしいことで、こんなにも素晴らしいことなのかと思い知らされます。
「水を飲んでくれた!」「今日は食べてくれた!」「歩いてくれた!」
そんな、元気だったらなんでもないひとつひとつに感謝、感謝。
飼っていればいつか必ず別れる時は来るけれど、そのいつかができるだけ遠くであって欲しいと、飼い主はみな願うこと。
いざそれが現実のものとなったとき、「精一杯介護をした。できることは全てやったから悔いはない」と思っても、あとから考えると「あれをしてあげればよかった。これもしたかった」と、いろんな思いが頭をよぎります。
その時々で、できる限り精一杯のことをしてたとしても、やはりどこかで悔いは残るのです。
それと、「ブイちゃんは、いいこだった」というご家族の記憶。
前に飼っていた犬が亡くなったときに、私も全く同じことを考えましたもの。
うろ覚えだけど、ガンジーはこんなことを言ってたような。
「犬は生まれてから死にゆくまで、何一つ悪さをしない。ただひとつの罪があるとしたら、それは、短命であること」
犬は生きている間はもちろん、死んでからもずっと「いいこ」のまま。愛し、愛されるためだけに生まれてきた「愛をまとった天使」と、私は勝手に命名しております。
会ったことはないけどずっと前から知ってる子
会ったことも見たこともない一著名人の愛犬がこれほど身近に感じるのは、「SAY HELLO」を、当時ネットでずっと見ていたから。このサイトはすごいです。どの写真を見ても、ルーシーパパこと、イワサキユキオさんの揺るぎない強い愛情を感じます。ご覧になってない方はぜひご覧ください。私の中ではブイヨンではなく、いまだにルーシーが産んだニコちゃんのまま。
そのルーシーも昨年16歳9ヶ月で亡くなりました。今頃ブイヨンは再会を喜び、ママのおっぱいを独り占めしているのかな、なんて、勝手に想像してしまいます。以下はルーシーパパからの手紙です。あのときのニコちゃんことブイヨンが亡くなったことを知り、「SAY HELLO」を久しぶりに開いてみました。当時このサイトで日に日に成長していく仔犬たちの姿と、お母さんとして成長していくルーシーの姿を見るのが何よりも楽しみでした。暖かくてかわいくて切なくて楽しくて、見終わった時はいつも涙が出てたのを思い出します。
涙は、心が温かくなったときにも流れるのですね。
糸井重里さんもその一人。このサイトを見て、どうしてもこの子たちに会いたいとルーシーパパに連絡を取り、ニコちゃんは糸井家のブイヨンになったのです。
それにしても糸井さん、引っ越ししてまでブイちゃんを飼いたいって、すごくないですか?
その経緯は以下をお読みください。家探しがうまくいかず、ニコちゃんを飼うのを諦めなければならないとなったとき、あの糸井重里さんはポロポロ涙を流して泣いたそうですよ。数々の紆余曲折を経てニコちゃんは糸井家のブイヨンに。それ以降、ほぼ日刊イトイ新聞で必ずチェックするのはブイヨンのこと。
ああ幸せに暮らしてるな。ブイヨンも周りの人に幸せを与えている、多くの人に愛されていると、まるで親戚のおばちゃんになった気分で見てました。だから今、すごくさびしいです。
画像の力の凄さ
私の中でブイヨンの死は、ひとつの時代の終わり。ひとつのストーリーの終わり。
このサイトを見ていた2004年頃はブログも流行りだしてたけど、まだHPの方が主流だった、いわば過渡期の時代です。そんな中、「SAY HELLO」はブログではなくHPだからこそ、味わい深いサイトだったと思うのです。
ずっと続くものはブログでもいいけど、完結するひとつのストーリーならHPもアリかなとか、画像の力の凄さとか、そんなことも同時に感じてました。
ブイヨンは天国に行ってしまったけど、ほぼ日やSay Helloがあるかぎり、ブイヨンはファンの心の中で永遠に生き続けます。
最後になりましたが、ブイちゃんのご冥福をお祈りいたします。
追記 : ブイちゃん第二章が始まった
5ヶ月経った8月21日、ブイヨンはお姉さんになりました。詳しくは以下の記事をどうぞ!
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