Violet@Tokyo

ブログとの付き合い方を教えてくれる「10億アクセスの彼方へ」

約 6 分

「ママブロガー界の炎上職人」こと辻希美さんが、また炎上しているとか。

ブログが炎上して、書いた本人が叩かれるのはしかたがない。でもそのとばっちりがお子さんに向かってしまうのは、他人事ながら心が痛みます。

辻さんに限ったことではないのですが、このような炎上案件に触れるたび、いつも頭をよぎるのは、「10億アクセスの彼方に」という物語。まだ読んでない方、特に子育て世代のブロガーさんは、ぜひ読んでほしいと思う物語です。

同時にこれは、家庭を持ちながらブログを続けている私が意識している物語でもあります。

「10億アクセスの彼方に」の内容をざっくりと

2004.11.25の「Dad’s blog」「Mam’s Blog」から順番に読み進めていけば、家族の歴史がわかりますが、ざっくりご紹介していきます。
ストーリー
それぞれにブログを持つカップルの入籍からスタート。夫婦は「お互いのブログを見ない・トラックバックをしない」というルールを定め、その後もそれぞれのブログを続けます。

やがて夫婦に待望の娘・みずきが誕生。それ以来、顔写真・実名入りで父親・母親それぞれが娘の成長をブログに綴り続けます。

みずきも11才に成長。友達の影響でブログを始めます。といっても最初は親の監視つき。親は定期的に娘のブログをチェックしていましたが、「もう大丈夫」と判断。家族のルールに則り、以後娘のブログチェックを止めてしまいます。
「いじめられっ子ブログ」スタート
親のチェックがなくなり、やっと本音が綴れるようになったみずきは、ブログのデザインをおどろおどろしく一新。みずきはこれまで味わった苦しみを全て綴ります。

幼稚園から始まったイジメ。小学校でも壮絶なイジメはずっと続き、誰も知らない遠くの中学に行きたいと考えるようになります。

しかし何も知らない両親は、中学受験に向けて勉強に励む娘を単純に喜び、その様子もブログに綴ります。ブロク上ではどこまでも「幸せ家族」そのもの。

努力の甲斐あって無事合格。しかしイジメは一向になくなりません。「ブログに原因がある」と考え、家族の禁を破り、今まで一度も目にしたことがない両親のブログを初めて読み、愕然とし、絶望します。

以下はみずきのブログ「いじめられっ子ブログ」2019年4月5日からの引用。

自分のプライバシーは全世界にただ漏れ。
アクセス数ほしさにこれまでの性体験をどんどん書きつづったりしていて、なんだか、両親への尊敬の思いがいっぺんに消えてしまった気がした。わたしが産まれた後も、浮気や離婚の危機を事細かに書いたりしている。これが同級生の親のブログだったら、わたしだってその子をからかいたくなるだろう。毎日、数万数十万という人々が、わたしたちの生活をのぞき見しているのだ。まるで、コンビニに立ち寄り雑誌を立ち読みするかのように、父親の過去の不倫を、母親の若い頃の性生活を、わたしの初恋の相手のことを、見ているのだ。
〜中略〜
もう、どこへも逃げられない。
たとえ、この世の外に逃げたところで、わたしの両親は、それすらもブログの材料にしてしまうだろう。そして、世界中に散在するわたしたちのブログを知る人たちが、悲しみのコメントやトラックバックを寄せるのだろう。もう、どこへも逃げられない。

しかしその頃、父親は「お陰様で十億アクセスを達成しました。これもひとえに皆様のおかげです。これからもよろしくお願いします」と更新。母親は母親で「みずき。あなたの存在がわたしとわたしの主人のすべて」と、良き親としてのポーズを保ちながらブログを更新します。

全世界がみずきの絶望を知っているというのに、一番近くにいる親だけが知らない。承認欲求に駆られた醜い姿を全世界に晒している自覚がないどころか、何の罪もない我が子が犠牲になってしまう、この恐ろしい物語。

古い話で恐縮ですが、これって「積木くずし」(というより「積木くずし」でブレイクした後の不幸)に似ているって思いませんか?

ブログの依存症になると正常な判断ができなくなるというけど、まさにそれを感じます。

「10億アクセスの彼方に」は今を予言していた

初めて「10億アクセスの彼方に」を読んだのは、2005年頃。当時私は他の場所でブログをやっていました。ブログといっても日記代わりのまったりとしたもので、他愛もないことをツラツラと書いてました。

周りの人たちも全くガツガツしてなくて、「毒にも薬にもならない」と言ってしまえばそれまでですが、ごくあたりまえの常識とバランス感覚は持ち合わせていて、「ブレることのない生活を送りながら、その傍らにブログがある」というスタンスを保っている人ばかり。

間違っても「ブログが人生の全て」という盲目的な人たちではありませんでした。

私の周りがたまたまそうだったから、最初に読んだ時は「かなり誇張しているな」という印象を受けたものです。

でもそれ以降、「自称・プロブロガー」、「インフルエンサー」、「顔出し・実名ブロガー」などの登場により、ブログ界隈も大きく変化。架空の物語だったはずの「10億アクセスの彼方に」を地でいくような人たちを目の当たりにすると、いつも思うのです。「あれは架空ではなく、今を予言するものだった」と。

まぁここまで極端ではないにしろ、少し前に話題になった「友達がブログが理由で離婚しそう」みたいなブロガーさんは、わりと多いのではないでしょうか。

取り返しのつかない失敗は絶対にある

それでも、無駄にポジティブな彼らは、口を揃えてよくこう言います。「失敗を恐れるな。人生に失敗はつきものだ。失敗したら、何度でもやり直せばいい」と。

でも違います。やり直しのきく失敗と、取り返しのつかない失敗が世の中にはあるのです。

彼らは「ブログで人生が変わる」とも言います。

でも正しくは「悪く変わる可能性」もブログにはあるのです。そのあたりをよーく理解しておかないと、ブログによって人生を棒にふることにもなるのです。

以上、これはブログを書いている自戒も込めてのエントリーです。今後も引き続き「ガラス張りの中にいる自分」を忘れず、それでも自分らしい文章を書き続けていきたいと思っています。

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(最終更新:2017/10/04)

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