Violet@Tokyo

「元教師」というだけで偉そう、性格悪いと煙たがられる理由

約8分



「あの人、元教師だから偉そうね」
こんな陰口を何度となく耳にしました。

身内や友人に現役教師がいて、その人たちを見る限り「そんなことはない。偉そうと思われるならその人自身の性格の問題で、人による」としか言えないのですが、一般的な世間の印象はそうではないようです。

なぜ元教師は偉そう、性格が悪いと煙たがられるのでしょうか。ネットの書き込みをいくつか拾ってみました。

「元教師は性格悪い・偉そう・世間知らず」など、さんざんな言われよう

子供たちに先生先生と尊敬?されながら長年生きてきたのです、外の世界を知らず、世間の辛さも知りません、人としてはむしろ欠陥と言われても仕方がない方が多いようです。

自治会で知り合いになった教師の方が言っていた事です。
普通のサラリーマン社会ではやっていけない、狭い社会でしか生きていけないのが教師だそうです。

その通りです。教員は世間知らずです。一般の公務員であれば世間と関わる機会もありますが、教員が関わるのは基本的には同じ教師・生徒(児童)・その保護者だけ。学校の中では教師が一番偉いから、一般の人と付き合う時もその癖が抜けないのでしょう。しかし自分の感覚が世間とずれていることに気づかない教員も多いです。

小学校の教員です。確かにご指摘のように、ベテランの先生方はそういう傾向にあります。教員は自分に自信を持っていないと務まりません。自信を持たずに教壇に上がると、子供が不安がります。偉そうな態度をとるくらいのひとが、ある意味では教員に向いていると思います。もちろん、偉そうな態度をとる人でも、日々の反省は怠っていないと思います。わたしは、現場では若いので、腰が低くて、逆に偉そうな態度をとる様なベテランの先生方が、うらやましいくらいです。

外の世界を知らず、多くの生徒を支配することができる身分なために自分が一国の主みたいな勘違いをしているからでしょう。
生徒にナメられたら負けなので、とにかく威厳だけは保っています。
少数派 ですが、こういう酷いのに取り憑かれると最悪、人生をネジ曲げられます。閉鎖された社会に生きる人間の集まりなので、専門分野の知識を取り上げれば普通のサラリーマンより世間知らずな場合が往々にしてあります。

現場で教員を13年やっている者です。こうした質問を見つけると、正直に言って「またか」と思います。確かに現場に立っていると同僚の立場から見ても、ウンザリする場面には多く遭遇します。
学校の教員が狭い世界観であるのは、教員以外の出会い(接点)が少ないからで、これは教員に限らず、どの職種でも自分の職種以外の人間と接点が少ない人は偉そうにしています。井の中の蛙…なんですね。私の場合…皮肉なモノで、教員の友人より他業種の友人の方が圧倒的に多いのでそう思うのかも知れません。
でも1つだけ言っておきたいのは、そうではない教員も数多くいるという事実を知って欲しいと言うことです。そうでなければ、限られた世界の中で見たモノを事実として公言している…ご質問の先生となんにも変わらないのですから。それに…ここでよく教員誹謗を繰り返す方がいますが、現場の教員からすれば「その方法でこの現場が収まるならやってみて欲しい」と思う理想論が多いのです。教育現場も日々変わってます。そのことを知って欲しいと思います。ま…偉そうに見せている教員ほど世間の狭いモノはありませんが。先生って言っても、所詮は世の中の職業の1つでしかない訳ですし、世の中に不要な仕事は何1つないという基本的なことを知っていれば、少しは考えが変わると思うのですが。

ごく一部の先生ではありますが、「こんな人に育てられて子どもたちがかわいそう」と思ったことはあります。
また、専門知識ですが、小学校教師は「何でも屋」なので、案外、専門知識がありません。私は国文の出身ですが、教員養成大学国語科出身の方の専門知識のレベルの低さに、目が点になったことも…。
また、「子ども相手に難しいことを言っても分からないから、言わないでおく」傾向があります。子どもだっていつかは大人になるのだから、今は分からない難しいことでも、分かりやすく教えて、どんどんおぼえてもらう必要があると思うのですが…。
「偉そうに」見える理由ですが、そう見える人は、もしかしたら、小学生と日々接しているので、精神年齢がヒトケタになってしまったのかもしれませんね…。

あくまでも人による

まず結論から。私個人の考えは、冒頭にも書いたとおり、その人の性格・人格の問題、人によりけりです。問題を引き起こす人はほんの一握りで、熱心に取り組む立派な先生の方が圧倒的に多いはず。

教師に対する思い込み

教師とて人間ですから、中には問題を起こしてしまう人もいます。そのたびに「教師だから」という理由で大きくクローズアップされ、「教師のくせにけしからん」と叩かれます。

ただそんなとき、忘れてならないのは自身の勝手な思い込み。発する側も受け取る側も、無意識のうちに教師という職業に対する個々の勝手な思い込みが根底にあるはずです。

だからこそ一般人が偉そうに振る舞ったり性格が悪かったりした場合には、「ただの嫌なヤツ」で終わるのに、コト教師となると「ああ、やっぱりね」とそこで妙に納得してしまう、その正体が「教師は偉そう」という自身の思い込みというわけです。

何かを見聞きするごとに「思い込み」というフィルターを排除した上で物事を判断すれば、また違った景色が展開するのですが、固定観念はなかなか変えられないようです。

資質・性格の問題

ただ実際に、偉くもないのに偉そうな人はいます。ここで「元教師」としているのは、冒頭の「あの人、元教師だから偉そうね」に関連してのこと。ちょっと実例をご紹介します。

元教師というくらいですから、現在は無職。小学校教師を務めた後に定年退職し、それ以降はスポーツ競技をしたいということで、クラブチームに入部してきました。

最初のうちこそ新米らしく低姿勢でいましたが、日を追うごとにどんどん態度は大きくなり、周囲も「アレ?アレ?」と戸惑う始末。

現役教師時代に日々接するのは年端もいかない子どもたちとその保護者。力の差は圧倒的だし、保護者だってある程度の年数を重ねれば自分よりも下になる。やがて「ベテラン教師」という立場を手に入れればペコペコされるのがあたり前という思考になる。ちょっと睨みをきかせれば何でも思い通りになってたあの頃。

でも今は違う。自分がペコペコしなければならない立場。そんなのが長続きするはずはありません。最初の頃はただのよそゆき顔だとわかりました。

ただ評価されたい気持ちが異常に強いのか、「重要人物に媚びる」というポイントだけはしっかり押さえているので、コミュニティから排斥されることはありません。自分を支援してくれる人が多くなれば、大きな声が出せるようになります。少しずつ本来の顔を表してきました。

やがてある部員に対し、いじめをするようになりました。その手口は小学生並みの幼稚さと、大人の狡猾さが入り混じった胸糞悪さ。けっきょくいじめにあった部員の方が辞めていきました。

短期間でこれほどまでに豹変したのは、「元教師だから」ではなく、なんといっても本来の攻撃的な性格によるところが大きいはず。

仮に前職が影響してるとしたら、いじめの手口を小学生から学んだことと、校長に媚びたり保護者にいい顔をするように、自分が悪者になりたくないために他の部員に対して体裁を保つことを怠らなかったことでしょうか。

それでも時間の経過とともにメッキはどんどん剥がれていき、古参の部員たちからもそろそろ煙たがられ、それが冒頭の言葉「あの人、元教師だから偉そうね」に繋がるわけです。

煙たがられる理由

彼女ひとりだけを見て「元教師は」と主語を大きくするのはいささか乱暴ですが、元教師だった彼女が煙たがられる理由をまとめます。

煙たがられる理由
  • 本人の資質
  • 「教師」という職業に対する周囲の思い込み
  • 長年染み付いた前職の影響が抜けきれない
  • 環境の変化に順応しきれない

繰り返しますが、これは教師全体のことでなく、あくまでも私の身近であったできごとです。例に挙げた人物でいえば、教師以外の職に就いたとしても何かしらの被害を周囲に及ぼしていたものと想像がつきます。

でも周囲はそう判断しません。「やっぱりね、だから偉そうなんだ」と勝手に判断し、勝手に納得して終わり。職業云々ではなく人格的な部分に目を向けなければ、根本的な解決には至らないでしょう。

真実はとてもシンプルなのに、思い込みが事態を複雑にしているいい例です。以外とこういうことは多いのではないでしょうか。そんなことがないように、できるだけよけいなフィルターを排除して、的確な判断ができるになりたいですね。

 

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