叔母が亡くなって2年が経過しました。この間、相続の話は全く進まず、宙に浮いたままとなっています。対立するいとこ達との溝は大きくなるばかり。
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いとこ達は「どうせ調停なんてできないだろう」とタカをくくっている反面、「もし本当に裁判所から呼び出し状が来たらどうしよう」という不安が多少なりともあるはずです。
どうしても納得できないのは、後見人という立場を利用して叔母の遺産を我が物のように扱っていた人物です。自分のお金でもないのに勝手に人に貸したり、掃除代と称して(本当に掃除をしたかどうかもわからないのに)月に3万ものお金を別のいとこに渡し続けたことなど、数え上げればキリがありません。
調停を決意した理由
不動産の売却で利益を得ようとしているフシが見られること
10月あたりだったか、姉が知り合いの不動産業者に叔母の所有する不動産の査定を依頼しました。 するとその金額は、いとこ達が2年前に提示してものと大きな違いがありました。すなおに考えれば高く売れるところで売りたいはずです。その方がみんなの利益になるのですから。
ところがいとこ達はそれを無視しました。それどころか、「そんなに高く売れるはずがない」の一点張り。まだ売りにも出してないというのに。
直感的にここにも何かの裏があると思いました。いとこの一人が叔母のマンションを欲しがっているという話は叔父の49日法要の席で聞いていましたが、叔母のマンションに住むということは、現在住んでいる自宅を売らなければなりません。その資金を元に叔母のマンションを購入するので、叔母のマンションの査定価格が高いと困るわけです。
とはいえ、それはあくまでもこちら側の疑惑であってそれを裏付けるためのデータはありません。それでいくつかの不動産業者に見積もりを依頼しました。
見積もりの差から見えたこと
いとこがこちらに渡した査定価格によれば、なぜか売る前から割引金額が記載されていました。私たちはここに着目しました。
例えば近隣の相場で判断し、「Aというエリアでこの物件なら3000万で取引きされている」という事例であれば、その金額がその物件の相場の価格であると判断します。それならまずは3000万で売りに出すはずです。でもどうしてもその金額で売れなければ、そこで初めて割引きを考えます。 なのに売りに出す前からなぜかそこには数百万もの割引き額が記載されていました。
最初は不動産業者の手数料(3%+6万)かと考えましたが、それとは別に値引き額が記載されているのです。
そのため自分で依頼した不動産業者に尋ねたところ、「最初から値引きなんて、こんなことはありえない」とバッサリ。 つまりいとこ達は、こちらに名義預金を隠していたことを見抜かれたから、今度は不動産でごまかそうと画策したのでは?という疑惑がここで浮上してきたのです。
そしてもう一つ、これには裏があります。叔母のマンションを欲しがっていたいとこはリフォームをしてそこに住むことを考えています。私たちに提示した査定価格は、現在そのいとこが住んでいる住居のリフォームを過去に担当した業者が出したものです。と考えると、裏取り引きの疑惑が濃厚です。だから「不動産だけは自分たちでやりたい」と、今年に入ってから急にゴネ出したのだと思います。
けれど肝心の書類一式は相手が全て握っています。手元にあるのは裁判所で取り寄せた後見記録だけです。ある程度はわかっても、後見記録だけで全てが判明しません。それに不動産売買の画策だって、現時点ではこちらの憶測の域でしかありません。それなら話し合いの場を裁判所に移し、公平な第三者の立ち会いの元に進めた方が良いと判断しました。
調停の準備開始!
不動産の売却に必要な書類を集める
以上の理由から役所に出向いて、最新の固定資産評価証明書の取り寄せや、法務局に出向いて全部事項証明書の取り寄せを開始しました。これはさほど大変ではなく、身分を証明するもの(免許書など)と、叔母との関係がわかる戸籍謄本を持参すれば、書類は集められます。
無料調停相談会にも足を運ぶ
これが調停に持ち込もうとした一番の理由です。ある日姉から電話があり、調停委員による無料の相談会があるから行かない?」と誘われました。それまでは「調停なんて…」という二の足を踏む自分がいました。 できれば調停になど持ち込まず、話し合いでケリをつけたいと望んでいました。けれど、結果的には行って良かったと思いました。
調停委員には冷静に、包み隠さず伝えるのがベスト
こちらは今までの経緯を包み隠さず伝えました。遺産隠しの件、実印を偽造しようとした経緯など、調停委員はこちらの話をじっと聞いた後で「このままではいつまで経っても解決などしない。調停をしろ」と言ってくれました。 「いとこ達は『調停なんて金も時間もかかる』と言ってましたよ」と言うと、「不正を働く人間や、よけいに取ろうとして調停に持ち込まれて困るような人間はみんなそう言います」とニッコリ。
こうも言われました。「今後の手続きでも、実際に調停に入ってからも、『この相談会で調停を強く勧められた』という旨を必ず添えるように」と。
第三者とはいえ調停委員だって人間ですから、ずる賢い人間に対してはいい感情を抱かないと。また、こちらがまっとうな言い分をしているかどうかの判断も瞬時にするということを、この時のやり取りで感じました。
これにより、今まで勇気が持てずに調停をためらっていた私たちが本気で戦おうと思うようになったのです。
まずは専門家に相談を!
この無料調停相談会、姉は何かの新聞チラシで見かけて申し込んだと言ってましたが、1時間5000円も払って弁護士に相談するよりはるかに得るものは大きいと思います。ふつうに生活していれば、調停などとは無縁ですし、仮に調停に持ち込まなければならない事例に遭遇しても、何の知識もなければ躊躇すると思います。
けれど実際に裁判所で調停委員をしている人は、様々なトラブルを見てきています。当事者だけで解決できることと、できないことの違いを話の内容から直感的に嗅ぎ分けるのだと思います。相談に行って、力強い味方を得たような、そんな晴れ晴れとした気分で相談会を後にしました。
まとめ
以上の理由から私たち姉妹は調停を決意し、現在も粛々と準備を進めています。書類を揃えるのはほんとうに大変ですが、嘘や不正は必ずバレますし、この手の場合では欲をかいた方が負けると信じ、もうひと踏ん張りします。
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