現在11才の愛犬ヴィオレ。小型犬の11才は人間なら60才くらいに相当します。
今日は年に一度受けている歯のケアのために、病院に連れて行きました。
犬の場合、歯のケアは全身麻酔をして処置をするため、事前に細かく検査をします。
血液検査やレントゲンでは全く異常はなく、年齢の割に健康状態は良好とのこと。
初期の僧帽弁閉鎖不全症と診断された
しかし高齢ゆえ、念のために超音波検査もしてもらいました。
すると左心房に血液の逆流が認められました。ごく初期の僧帽弁閉鎖不全症です。
「ふだん咳きこんだりしてませんか?」と質問されましたが、それもありません。心臓も肥大しておらず、聴診器で聞いても雑音がない状態です。
いつまでも元気で長生きしてほしいのは飼い主として当然の願い。実際に医師から話を元に、今後飼い主として気をつけること・すべきことを以下にまとめていきます。
僧帽弁閉鎖不全症とは?
左心室と左心房を仕切る弁のことを僧帽弁(そうぼうべん)と言います。この僧帽弁が閉じなくなることで、血液の逆流が起こります。
これを先生は水道のゴムパッキンに例え「ずっと使い続けるとだんだん劣化してしっかり閉まらなくなり、少しずつ水が漏れてしまうような感じ」といった説明をしてしました。
症状が進むと?
残念ながらこの病気は治すことはできず、少しずつ進行して以下のような症状がみられるようになります。
特徴
- 今後症状が進むと心不全の症状が表れる
- 興奮したときに(舌が紫色になる)チアノーゼが認められたりもする
- 体重が減ってくる
- 元気がなくなり寝ている時間が増える
- 肺水腫から呼吸困難の発作を起こす
「今はまだ薬を使う状態ではないので、定期的な検査を欠かさず、同時進行で歯周病のケアもしていきましょう」というのが当面の方針です。しかし麻酔を使う歯周病ケアはもう無理でしょう。
10才過ぎたら検査は必須
僧帽弁閉鎖不全症は高齢の小型犬に多い病気。以前飼っていたポメラニアンもこの病気になり、症状が進行して心不全になり、最後は多臓器不全で亡くなりました。
その経験があるので説明された内容・症状の進行の仕方は全て理解できたし、犬がどうやって年老いていくのかも手に取るようにわかりました。
今回、最初にやった通常の検診で「どこにも異常はない。優秀だ」と言われたにも関わらず、オプションで超音波検査を追加したのは気になる症状があったからではありません。「年齢的にそろそろ」という過去の学びからです。
超音波検査は心臓疾患のみならず、レントゲンでは発見できないような箇所(沈黙の臓器と言われる肝臓など見つけにくい箇所)の腫瘍を見つけることも可能です。
しかし多くの飼い主さんは年に一度の狂犬病予防接種で病院に連れてくる程度。その時に心臓の雑音が聞こえたからより詳しい検査を薦めても、「ふだん元気にしているから…」と断る人が多いそうです。
すると翌年は見る影もなく、相当悪くなって来るケースがほとんどだとか。
飼い主自身が苦しむことになる
それによってつらい思いをするのは、犬だけではありません。飼い主さん自身もまた深い後悔の念に苛まれます。
愛犬がグッタリして初めて「ああそういえばあの時…」と、心の中でその都度打ち消してきた、過去の気になる症状の積み重ねを思い出しては自分を責める…。そんな日々がずっと続きます。
初期症状を見逃すな!
以前飼っていたポメラニアンも痰を吐き出すような咳をすることがよくありました。でもそれはずっとでなく、その後はすぐにケロッとして、いつもと同様元気にしているから「まぁいいかな」の繰り返し。
寝ている時間が増えたのも「年だからしかたない」程度。食欲があって喜んでお散歩に行きさえすればそれで元気だと、自分に都合よく解釈して重大な箇所には目をそむけていたのです。そのくらい当時は無知な飼い主でした。
「後悔先に立たず」とはこのこと
しかしその間も確実に病状は進みます。ある日突然大きな発作を起こして、医者から詳しく説明を受けて「なんであのときすぐに病院に連れて行かなかったのだろう」と、自分を激しく責めました。
でも時は遅し。一秒だって時間を過去に巻き戻すことはできません。
何がつらいって、目の前で呼吸困難でのたうち回って苦しむ愛犬に、なにひとつしてあげられない自分のもどかしさ。それは筆舌に尽くしがたいものがあります。謝っても謝りきれないやり場のない気持ち。そして深い自己嫌悪。
日々の管理がたいせつ
「もう二度とあんな思いはしたくない!!」
そう思って今の愛犬たちを迎えた私は、食事の管理と歯のケアを徹底しました。
健康管理のためには厳しい飼い主でちょうどいい
「おやつのジャーキーなんて与えずフードのみ。しかも計量した分だけ」なんて言うとよく、「お母さんは厳しいね〜。犬は食べるしか楽しみがないのに、かわいそう〜」なんて言われましたが、そんなの無視。雑魚はほっとけ。
ブクブク太らせた犬が最後はどうなるか。内蔵だけでなくあちこちの関節もダメになり、まともに歩けなくなります。その方がはるかにかわいそうだということは、以前の経験で私が誰よりもいちばんよく知ってます。
太らせてダイエットさせるくらいなら、最初から太らせなければいい。おやつの習慣が当たり前で食べ放題だったものを、今日からあげないという方が、犬にはつらい。
だから止める必要が生じそうなものは、最初からその習慣をつけないほうがずっといい。
これは禁煙するくらいなら禁煙する必要がない状態・最初からタバコを吸う習慣をつけないのがいいのと同じ理屈です。
飼い主が心がけること
僧帽弁閉鎖不全症と診断されたとき、日々の生活で飼い主が心がけることを以下にまとめます。
定期検診は欠かさない
人間がある程度の年齢を超えたら毎年健康診断をするのは当たり前ですが、これは犬も同じこと。「早期発見・早期治療」がいちばんです。
犬の1年は人間の4年分に相当します。10才過ぎのワンちゃんは年に一度ではなく、もっとマメに健康診断を受けるようにしてください。
我が家の場合、現段階ではごく初期なので、次の大がかりな検診は半年後と言われました。でも今後の状態によっては3ヶ月ペースに切り替えていくつもりでいます。
状態を正しく知る。これが飼い主にはとてもたいせつなことです。
医師からの質問にはなんでも答えられる飼い主になる
日々の状態はもちろん動きが活発かどうか、変わった様子はないか、舌の色や便の状態、食欲や水を飲む量など、病院で聞かれることは山のようにあります。それらにきちんと正確に答えられるよう、日々細かくチェックをしてください。
逆に飼い主から医師に対しても、少しでも疑問があればどんどん質問してください。
食事
我が家の場合、食事の管理は今のままでOKとのことです。でもそうでない場合は、心臓に負担がかかる塩分を控えるようにします。これも人間と同じです。
状態によっては医者から療養食を薦められることもあるかと思います。一般のフードより割高に感じるかもしれませんが、飼い主の責任として、そのくらいは捻出してください。
温度管理
心臓の病気と温度の関係と言えば真冬の寒さが大敵と思いがちですが、冬だけではありません。気温・湿度がうなぎのぼりになる夏も要注意です。エアコンを適切に使って快適な温度・湿度を保つよう心がけます。
興奮させない・ストレスを与えない
心のケアがもしかしたらいちばん難しいかもしれませんね。基本はおとなしい性格ですが、神経質なところがある我が愛犬も、スイッチが入るとすぐに興奮します。
それでも飼い主なら、興奮しやすいシーンはどんな時かも知っているはず。それを極力避ける配慮と、ストレスなく日々穏やかに暮らせる環境を工夫するしかありません。
また過度な運動や長時間のお散歩も控えましょうね。
最後に
この病気を告げられたとき、正直、「いよいよ来るものが来た」という感じでした。
いずれは命が尽きる日が来るでしょう。私は今、”そのとき”を恐れています。不安は尽きません。
それでも最後の最後の瞬間まで、できる限りのことをしてあげたい。悔いだけは絶対に残したくない。”そのとき”が来るのを少しでも遅らせたい。
だから少しでも病状の進行を遅らせて、一秒でも長生きできるよう、今後は担当医の指示を守って生活していきます。
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