6月4日が虫歯予防デーであることから、6月は歯の健康月間と言われています。我が家もそれに当てはめて、愛犬2匹の歯のケアを毎年6月に行っています。
小型犬は歯周病になりやすい!
小型犬は特に歯周病が多く、3歳以上で80%、5歳以上になれば90%のわんこが歯周病に侵されています。
改良により体は小さくなっても、歯だけはスタンダードの大きさのまま。それによって歯を支える骨とのバランスが悪くなったというのがその理由です。それに加え犬は人間に比べて、歯垢が歯石に変わるスピードがとても早いのです。
歯周病は年齢には関係ない
我が家は2匹のトイプードルを飼っていますが、特に歯が悪いのは上の写真の白い子(6歳)です。
この子はスマッシュ犬舎から来たショー用の子ですが、下の写真の子(9歳)とは明らかに顔の輪郭が違います。ショーという観点でのみ判断するならプードル本来の美しさはマズルがすっと細くなっている上の白い子が良いとされています。
でも最近は、テディベアカットの流行により、下のレッドの子のような、マズルの短いペットタイプのトイプードルがもてはやされています。
どちらが歯が丈夫かと言えば、我が家の場合は下のレッドの子です。顎の大きさが違うため、白い子に比べて骨の量が多いからです。その分歯を支える歯槽骨が白い子に比べて多いのです。あと半年で10歳になりますが、今のところ汚れはあるものの、歯はしっかりしています。
それに対して白い子は、3歳くらいから歯周病と診断され、6歳の今は、残っている歯の方が少ないくらいです。
自宅でのケアは難しい…だけど自宅でのケアがいちばん
それまでは定期的に自宅で歯磨きをしていましたが、人間がそうであるように、どうしても磨き残しができてしまいます。
それが歯周病の原因になるのは犬も人間も同じこと。まして歯肉に炎症があれば、口を触られるのを極端に嫌がります。
そのためか、子犬の頃より今の方が歯磨きを嫌がり、きれいに磨けません。そうなると歯周病の進行も早くなります。
それで仕方なく、定期的に病院に通って、プラーク除去やブラッシングを繰り返してきました。こうなってみるとつくづく、プラークをためないように毎日自宅でケアをするのがいちばんだと痛感します。難しいですけどね。
全身麻酔のリスクを確認すること
犬がプラーク除去をする場合、全身麻酔になります。事前に血液検査とレントゲンで健康状態をチエックし、異常がなければそのまま施術という流れです。
歯のケアだけでなく、これをすることで健康状診断も同時に把握できるので、年に一度くらいはやってあげることをお勧めします。
ただし、犬種や年齢・体調によっては麻酔そのものにリスクが生じますから、全ての犬にこれが当てはまるわけではありません。あくまでも担当獣医師とよくご相談の上で、ということです。年齢的にはそろそろリミットだと考えているので、今後は違うケアの仕方を考えていくつもりです。
デンタルボーンやヒヅメの危険性
最近は歯の健康に良いとされるフードや、歯垢がたまりにくくなるという歯磨きガム、歯磨き効果があるとされるおもちゃをよく目にします。私も試しましたが、正直、あまり意味はありませんでした。
特にデンタルボーンやヒヅメは、犬の歯を破損します。そうなると近所の動物病院では対処できず、専門医に診てもらう必要があります。
我が家も数年前にこれを経験しました。レッドの子の歯の健康診断をした時のこと。犬歯が欠けて神経が飛び出ていることがわかりました。それを治すには、歯に被せ物をしなくてはならなりません。
抜くだけならかかりつけの病院でもできますが、まだ歯の根っこはしっかりしているし年も若かったので、残す方向での治療を希望しました。
それで紹介状を書いてもらい、日本でほんの数軒しかないという、歯の治療を専門としている動物病院に足を運びました。結局たった数百円のデンタルボーンのために、20万くらいの出費になりました。
このような事例は調べてみるととても多く、その病院でもデンタルボーンに対する注意書きが受け付けに大きく貼られていました。
犬は固いものを噛ませるとストレスの解消になる、それによって歯磨き効果も期待できるなど、販売戦略としての謳い文句がいくつも並べられています。でも犬の歯は、実は人間の歯よりもろいのです。
それに噛むのに使う歯は、犬の場合はごく一部の歯です。歯の先端で噛みますから歯周ポケットに対するケアには全くなりません。
しかもある程度噛み砕けば、犬の場合、あとは丸呑みです。丸呑みすることにより消化器官にも負担を与えるのです。以上の理由から、それ以来デンタルボーンの類は与えていません。
また歯がなくなりました
おかげでレッドの子は今でも歯は丈夫ですが、問題は白い子です。今回もまた数本抜き、上の歯はほとんど残っていません。歯肉を縫い合わせているため、現在はエリザベスカラーを着用しています。
上の犬歯と鼻腔がつながっているため、歯茎の出血があるうちはくしゃみをすると鼻から血が出ます。それで一泊の入院となりました。
犬の歯周病は進行すると、このようにおおごとになります。けれど放置すれば、心臓を含め全身の健康に悪影響を与えます。以上の理由から、かわいそうだけど今回は抜くことを選択しました。
こんな経験をすると、多くの飼い主さんに声を大にして申し上げたくなります。 本当に月並みですが、日々がんばって、愛犬の歯のケアに努めて欲しいということです。犬は歯がなくても生きていけると言いますが、やはり長生きのわんこは歯も丈夫な子が多いように思います。
それに犬の数少ない楽しみのひとつはなんと言っても食べることですからね。今はフードをお湯でふやかして与えていますが、この先、今までのフードを食べられるかどうかが目下の心配です。
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