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【ショック!!】なぜ温厚なゴールデンレトリバーが赤ちゃんに噛みついたのか?

約 9 分
【ショック!!】なぜ温厚なゴールデンレトリバーが赤ちゃんに噛みついたのか?

愛犬家にとって、とてもショックで悲しいニュースが流れてきましたね。東京都八王子市北野台で生後10ヶ月の赤ちゃんが、母親の実家で飼育されているゴールデンレトリバー(4才オス・体重37キロ)に頭を噛まれ、約2時間後に死亡した痛ましいニュース。

「温和な性格で知られるゴールデンレトリバーがいったいなぜ?」

温和だけでなく、ゴールデンレトリバーは警察犬や盲導犬としても活躍していることから従順で賢いイメージもあります。

一報を聞いたとき、自分の耳を疑いました。犬友たちも一様にショックを受けていました。特に過去、ゴールデンレトリバーを飼っていた友人は「信じられない」と呆然としていました。

なぜこのような悲しい事故が起きたのかについて言及します。ただし、現在悲しみにくれている関係者の方々を弾圧する内容ではありません。安全圏に身を置いて、好き勝手なことを言うのは容易いです。そんなのは誰でもできます。

しかしそれではいつまでたっても犬の噛みつき事故は後をたちません。このような悲劇を二度と繰り返さないために、犬と人が幸せに暮らしていくために、今後全ての飼い主はこの事故を他人事で片付けるのではなく、教訓にしていこうという内容が今回のエントリーです。

赤ちゃんのハイハイが引き金?

ニュースによれば「ふだんは臆病でおとなしく、吠えたり噛んだりしない」とのこと。特別凶暴というわけではありません。どこにでもいる、ふつうの家庭犬です。しかし不運にも、何かのスイッチが入ってしまったのです。

事故当時、リビングで赤ちゃんは犬の近くでハイハイをしていたとか。それを見て突然犬が赤ちゃんの頭に噛みついたとなれば、やはりハイハイが引き金でしょう。

下の画像で考えられるのは3つ。

何が原因?

  1. 赤ちゃんのハイハイが臆病な犬にとって脅威だった
  2. 遊びの誘いに見えた
  3. 動くものに対して猟犬の本能が刺激された

本当のところはどうなのか、それは犬に聞いてみなければわかりませんが、私はこのあたりだろうと思っています。以下で詳しくその理由をご説明します。

1.臆病な犬に真正面から目を合わせて近づくのはタブー

この項ではハイハイがなぜ、臆病な犬にとって脅威なのかを説明します。

人間にとっては可愛い赤ちゃん。ハイハイしている姿は微笑ましくて、見ているだけでもほっこりします。しかしそれが犬にとっても同じとは限りません。むしろ犬には恐怖だったと思われるのが以下の画像。

飼い主さんは臆病な性格だと調べに対して答えていました。臆病な犬への接し方の基本はただ一つ。とにかく怖がらせないこと。

しかし再現CG画像では真正面から目を合わせて低い姿勢で近づいています。しかも赤ちゃんの顔の高さは、犬の急所ともいえる心臓の位置とほぼ同じ。これを見た瞬間、「まずいな」と思いました。

犬は本来平和主義

犬は言葉を持ちませんが、自分の気持ちを伝える手段を持ち合わせています。カーミングシグナルというボディランゲージがそれに当たります。現在27種類が発表されていますが、その中の一つにこんなのがあります。

犬同士が近づく時、ゆっくり、そして時には立ち止まりならがら相手を刺激しないように近づきます。それにはちゃんと意味があって「私はあなたに敵意がありません。戦う気はないですよ」というサインです。

逆に至近距離で、頭を下げた状態のまま直線的にガッと近づくと、一触即発。互いにガウガウ始まります。

おとなしくても防御となれば話は別

ただしこのゴールデンはおとなしい犬なので、戦闘態勢というよりむしろ「それ以上、こっちに来ないで!」というストレスが高じて思わずガブッとなったのかもしれません。画像では後ろが壁なので、逃げようがなくて反射的にそうしたのかもしれません。

ふつうはいきなり噛むことはしません。不要な争いを避けるために、噛む前に威嚇して「こっちに来るな」というサインを送るものです。

しかしそれをしなかったということは、それだけ追いつめられて切羽詰まった状態だったと考えられます。やるかやられるか。まさに「窮鼠猫を噛む」の心境です。

噛みつき犬の原因は、かつては権勢症候群で片付けられていましたが、最近の研究では臆病ゆえの防御という説に変わっています。

仮に本気噛みでなくても、相手が生後10ヶ月の赤ちゃんの場合、場所が悪ければ十分致命傷になり得ます。

以上の理由から、ご自宅にハイハイするくらいの赤ちゃんがいて、かつ犬を飼っている環境の方は細心の注意が必要です。

人間の捉え方と犬の捉え方は違う

今回の事故の最大の誤算は「犬と赤ちゃんが何度も会っているから大丈夫」だと、人間側が勝手に判断したことにあります。

けれど違います。何度会っていても、犬は見慣れない動きに反応することが多々あります。人間にとって何でもない動きでも、犬の捉え方は違うということを頭に入れておきましょう。

犬に絶対は絶対にない

私は犬の散歩中、子供には特に注意をします。

「キャー、可愛い!!」と言って走り寄ってくるだけならまだしも、うちの犬の顔を見ようとして真っ正面から目を合わせてくるので「ジロジロ見られると恥ずかしいって言ってるよ」と、適当な理由をつけて子供の動きを制止するようにしています。

なにかあってからでは遅いですからね。

もちろん理屈のわかる年頃の子にはきちんと説明します。子供は「へぇ~そうなの?」と、目をキラキラさせながらこちらの説明をちゃんと聞いてくれますが、困るのがわかったつもりの飼い主さん。

「うちのコ(犬)は絶対人を噛まないの」と、やたら自信満々。そういうのに限って犬のカーミングシグナルさえ知らないわけですが、ふだんどんなにおとなしくてフレンドリーな犬でも、犬に絶対は絶対にないということだけは頭に入れておくべきです。

犬を飼うのは幸せになるため

「犬を飼うなら犬のことをしっかり学べ。話はそれからだ」

そうすれば飼いたい犬と飼える犬は違うこともわかってくるし、「犬が好きだから、欲しいからだけで飼ってはいけない。犬と幸せに暮らしたいから飼うんだ」という意識に変わるはず。少なくとも犬は、飼い主さんを不幸にしようと思ってその家に来るわけではないのですよ。

2.遊びのポーズだと勘違いした?

この項では2番目の可能性である「遊びの誘い」について説明します。

カーミングシグナルには遊びの誘いもあります。犬が前足を出し、頭を低くしてお尻をつき上げるお辞儀のようなポーズがそれです。赤ちゃんのハイハイとよく似ています。

我が家では小型犬同士なのでじゃれ合い程度ですが、大型犬同士の場合は取っ組み合いのバトルになります。

ぱっと見、「喧嘩でもしてるの?」と思いきや、心配ご無用。これは「飛びかかってきてもOKだよ」というサインなので、犬同士は無邪気に遊んでいるだけ。プロレスごっこのようなものです。

4才のオスとなれば元気な盛りだし、ゴールデンは陽気で遊び好きの子が多いから、この可能性も考えられます。しかしこれを37キロの大型犬が生後10ヶ月の赤ちゃんに対してとなれば、ひとたまりもありません。今回の悲劇がそれを物語っています。

個体差があるなら安全第一を考える

このような環境のご家庭はどうしたらいいでしょう。無邪気な遊びの誘いであれ、恐怖からくる防御であれ、犬と赤ちゃんの組み合わせとなれば何があるかわかりません。個体差を第一に考え、安全な距離の確保に努めるしかないのです。

それにはフェンスの1枚もあれば十分用が足りますので、そのくらいは最低でも用意してあげてください。

犬がヤキモチを焼くのでは?と心配する方もいますが、それはそれ。愛情と安全は別個に考えるべきです。犬と過ごす時間をしっかり作って安心を与えれば、それですむ話。「安全を確保するのは最大の愛情」と、情に流されることなくシビアな目を持ちましょう。

ヤキモチ説に関して

また赤ちゃんに対するヤキモチ説もありますが、それもどうかなって感じ。擬人化して考えればそういった発想になるかもしれません。

多頭飼いをしている我が家の場合、飼い主の関心や愛情を自分だけに集めたいという動機から犬同士で張り合うことはよくあります。

でもそれを人に向けることはありません。「違う生き物」程度の認識はあるのではないのかと、犬は犬なりに理解しているのではないのかと、うちの犬たちを見ているとそんな風によく感じます。

3.動くものに反応する犬の本能を忘れるな

この項では3つ目の可能性である「動くものに対する本能」についてご説明します。

ゴールデンレトリバーの名前の由来は「レトリーブ(咥えて持ち帰る)」です。現在その多くは家庭犬として飼われていますが、元々は猟犬です。だから特別な訓練をしなくても、咥えるのは得意中の得意。自分の散歩袋を咥えて意気揚々と歩く姿を目にした方も多いのではないですか?

ああいうのを見ると、いくら人間社会で、一般家庭で大切に飼育されてきたとしても、動物が生まれ持った本能はあるものだと驚かされます。

うちの3キロにも満たないトイプードルですらボールを見ると口元をワナワナさせて体を震わせています。実はこれもカーミングシグナルの一つですが、動くものを見て興奮した証拠。

そのくらい犬は、動くものに反応します。これは理屈抜きの本能だと思ってください。お人形のような犬だって、犬の本能はキッチリ持ち合わせています。なにかの拍子にそれがポーンと出るのです。

それに加え、赤ちゃんのハイハイという見慣れない動きを見たことが引き金となり、持ち運ぶ役割りを担ったご先祖様の血が騒げば?

最後に

今回の事故もそういった条件が不幸な形で重なったのでしょう。関係者の心情を察すると心が痛むばかりです。

一部の心無いマスコミもそうですが、ネット上でもしつけについてあれこれ言う人がいるので一応書いておきます。

このご家庭の場合、祖母が「ダメ」と言ったらすぐにおとなしくなったということは、しつけはきちんとできていたと思われます。信頼関係も問題はないでしょう。そうでなければ制止なんてできませんし、4年間も室内では飼えなかったでしょう。

だからこそ、この犬はどうなっちゃうんだろうと、そんな心配も頭をよぎるのです。犬は悪くない。亡くなられた赤ちゃんも悪くない。祖父母だってお母さんだって、それまではごく普通に、赤ちゃんの成長を願いながら幸せに暮らしていたに違いありません。

今はただ、犬が原因となるこのような悲しい事故が二度と起きないことを願うばかりです。

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(最終更新:2017/08/20)