10月30日に投稿された「貧乏人はぺットを飼うな」という獣医師のツイートが炎上しています。
以前、ツイッターで「動物を飼うにあたっては十分な経済力が必要。獣医師に連れて行ったり、ワクチン打つ余裕もないのに飼うんじゃない」と言ったら、「貧乏人は動物を飼うなと言うんですか?」と怒られましたが、私は「そうです。お金がなければ動物は飼ってはいけません」と答えます。
— Ootori Raku (@ootoriraku) 2016年10月30日
長年犬を飼い続け、現在も2頭のトイ・プードルと暮らしている私にとって、この獣医師の発言は、獣医師だからこそ言える至極真っ当な意見だと思います。炎上する理由がわかりません。
動物を飼い続けるためにはお金がかかります。自分が生きるのに精一杯という状態では飼うべきではありません。命を預かるのですから。
けれど必要なのはお金だけではありません。
これから紹介する5つの条件を全て満たしている人しか飼ってはいけないと私は考えます。
経済力
私の場合は犬なので、これ以降犬を例にして話を進めていきます。
我が家で2頭の犬を飼うために、毎月必要な金額がどれくらいかかるのかをざっくりご紹介します。
フード代
カナガンドッグフードを定期購入しています。
2kg入りで4,730円。2頭いるので20日足らずでなくなります。ざっくり計算すると、ひと月6,000円くらいでしょうか。でも定期的にフードを変えていて、場合によっては10,000円を超える月もあります。
トリミング代
ひと月半に一度のペースで通っています。2頭で約2万円ほど。
サプリメント代
アロペシアXと診断され、その対策のためにメラトニンというサプリメントを与えています。
予防薬・混合ワクチンなど
狂犬病と9種混合ワクチンが年に一度。
夏場はフィラリアとフロントラインを約半年ほど投与しています。
アニコム保険料
2頭の年間保険料は103,070円。これは今年払った金額です。
犬の年齢が高くなれば金額もアップしていきます。
健康診断及び定期的なケア
フィラリア予防薬を貰う時には別途血液検査が必要です。それが約5,000円くらい。
その他に我が家では年に一度くらいのペースで歯石取りを行っています。
全身麻酔になるので、2頭で約6万ほど。これはアニコムを使用した価格なので保険に入ってなければこの倍はかかります。
今のところは特に大きな病気をしていませんが、犬の年齢が高くなればなるほど医療費はもっとかさむでしょう。
雑費
毎日使うトイレシーツやお手入れに欠かせないグッズなどもバカになりません。
子犬の頃にかかる費用
子犬の頃はしつけのためにパピー教室にも通っていたので、そのための費用もかかりました。
また子犬のうちだからこそ、健康には特に気を使いました。
メスなので将来的な婦人科系の病気予防を兼ねて、避妊手術も1才前に済ませたし、歯の抜け替わりがスムーズではなかったので、この頃はちょこちょこ医者にかかっていたように記憶しています。
このように犬を終生飼い続けるためには高級車が買えるくらいの、バカにならないほどの金額がかかります。
健康
言わずもがな。飼い主が健康でなければ毎日の散歩はもちろん、犬の世話どころではないはずです。
飼っている途中で病気になったのならともかく、最初から病気を抱えていて、人の手を借りなければ生活できないという状態であれば、犬を飼う前に、まずはご自身の健康を取り戻すことを考えた方が賢明です。
若さ
最近は人間同様、犬も長生きをします。いくら人間が長生きするようになったとはいえ、犬を飼う時には自分の年齢を一番に考えなければ。寿命ではありません。バリバリと活動できる健康寿命を指します。
私はなんの不安も躊躇もなく、安心して子犬を迎えられるのは、夫婦だけの世帯であれば40代までだと考えてます。
老後、自分たちが年金生活になって今の収入が確保できない事態になった時、どうやって飼育費を捻出するのでしょう。
その頃になれば犬も年老いて医療費がかさむようになります。自分の医療費だって発生するかもしれません。犬の介護どころか、自分が介護の対象になるかもしれません。
「今なら飼えるから飼う」ではなく、今のブラス10年後、15年後の自分の状態を想像する、シュミレーションしてみるなど、長期的な視点で考えていきたいものです。
だって人間なら想像くらいできるでしょ?
こんな人がいました。犬が高齢になって病気がちになった時に医療費が払えないという理由で、病院に連れて行けなかった飼い主が「眼の前で苦しむ姿を見るのが辛いから、早く死んで欲しい」と言ってました。
もう、開いた口が塞がりませんでしたよ。
金銭的なことだけではありません。こんな人もいました。
ご主人に先立たれた高齢の方が、その寂しさを紛らわすために子犬を飼い始めたのですが、それからしばらくして、その人は心臓発作を起こして突然この世を去りました。何日かして見つかった時、犬は衰弱しきった状態だったそうな。
こんな悲劇を生まないためには、今のことだけではなく、先の先まで熟慮して、それでも飼えるかどうかを冷静に判断できる心と頭が必要です。
学ぶ姿勢
昔ながらの飼い主ほど「私はずっと飼ってきたから犬のことはなんでも知っている」とばかり、わかった気になって今どきのマナーには無関心です。
しかも、学ぼうともしないから今どきのマナーがどうなっているのかもわからない。わかろうともしない。
例えばトイレの件。昔は自宅で排泄しないことを「きれい好きで賢い」などと自慢している飼い主がゴロッゴロいました。
だから散歩の目的は排泄のため。犬は外でチャーチャーおしっこするのが当たり前くらいの感覚です。
私から言わせれば、「トイレのしつけも満足にできてない犬は、外に出すな」と言いたいです。
その時代ごとに常識は刻々と変化していきます。
しかしそこには目も向けず、昔ながらのやり方に固執して新しい学びを得ようとしない人は、ただのはた迷惑な飼い主になり下がるだけ。するとその人に飼われた犬だって、自動的に「はた迷惑な犬」の称号が授与されます。
知らないことは罪ではありません。でも知ろうとしないことは怠慢です。愛すればこそ犬のことをもっと知りたい、学びたい、学ぶことを厭わないと思う人だけが犬を飼うべきではないでしょうか。
覚悟
飼うからには終生飼育する覚悟が必要。それは「なにがあってもあなたを守る」という、ものすごく強い思いが必要です。
逆に年齢的なこと、経済的なことを考えて「どうしても自分には無理」と判断したなら飼わない覚悟も必要です。
いちばん良くないのは不安要素が多々あるのに、「飼いたい」という一時的な感情に溺れ、「なんとかなるだろう」で見切り発車をして犬を衝動買い。案の定飼いきれなくなって無責任に手放すいうとケースです。
最後に
以上が私が考える犬の飼い主に必要な5つのことです。
余談ですが、今日11月23日は、わが愛犬の11回目の誕生日。写真は生後6ヶ月当時のもの。
そして来月にはもう一匹の方が9才になります。本当に早いです。
ムクムクの天使たちと暮らすこの幸せが、少しでも長く続いてくれることが、今の最大の願いです。
そのためには先に挙げた5つのことを、今一度肝に命じ、犬に恥じないような飼い主を目指していきたいです。
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