前回に引き続き、今日もバドミントンネタです。
バドミントン・日本ランキングサーキット最終日。桃田賢斗選手が優勝しました。対戦相手はユニシスの上田拓馬選手。
ワタクシ事ですが、私の線審デビューが上田拓馬君の試合だったので、個人的には上田拓馬選手を応援したい。
でもどん底から這い上がろうとしている桃田賢斗選手に、今回はどうしても勝ってほしい。失敗した人にでも、やり直しのチャンスはあることを彼が証明してほしい…。
そんなジレンマと戦いながら、この試合の行方を祈るような気持ちで観戦しました。
いい試合でした。両者に心から拍手を送りたいです。お疲れ様でした。
そして優勝おめでとう。それから地元香川の皆さん、桃田くんのご家族も、さぞ喜んでいることでしょう。
勝利直後泣き崩れた桃田賢斗
試合の様子はこちらの動画をご覧ください。
ニュースをチックすると…?
実はこのエントリーで本当に書きたかったのはこれです。各マスコミが何を書くかということ。あちこちのニュースをチェックしました。
ほぼ好意的な記事が並んでいました。しかしながら予想していたとはいえ、全てがそうではありません。
露骨な悪意とまではいかないけど、無意識の悪意を感じた記事もありました。その中でも特に気になったのはこんな文章です。
試合前後には観客席に向かって深々と頭を下げるなど、かつては自由奔放な言動が目立った元王者が別人のような振る舞いである。謙虚な姿勢はプレーにも表れている。
以前なら当たり前だった相手を挑発するかのような派手なジャンピングスマッシュ、大げさなガッツポーズは封印。大胆不敵でトリッキーなプレーが持ち味だったが、今では「本当に1点が欲しい場面では自分の感情を押し殺してでも確実に取りに行く」(桃田)と安定した試合運びを重視しているという。
もっとも、日本代表に復帰して再び世界を相手にすることになるであろう桃田にとって、慎重すぎるプレーは逆にリスクになりかねない。バドミントン関係者によれば、海外のライバルたちは、何をしてくるか予想がつかない桃田の大胆さを警戒していた。
確実性だけを追求すれば、プレーの幅は狭まり、分析は容易になり、相手に読まれやすくなるわけだ。
プレーまでお行儀よくなる必要はないのだが……。
ダメ出しするなら改善案も書いてくれ
なに、これ。この記事を書いた人はバドミントンをやったことがあるのでしょうか?
仮にもしお行儀が良くなければ、「反省の色なし」と、やはり叩くでしょうねぇ。
「自由奔放な言動が目立った」というのはあの騒動だけのイメージで言い切っているのでしょうか?
だったら、それ以前の桃田くんのことを知ってるんですか?
そして「聞いた話によれば」という聞きかじりと、何の検証もない自身の勝手な想像で作られた記事。こういうのをを”コタツ記事”と言うのでしょう。
とりあえず気になった部分を太字にしてみました。
ジャンピングスマッシュは挑発ではない
ジャンビングスマッシュは挑発するためではありません。高さをつけてスマッシュにより鋭い角度をつけるためのものです。
大胆不敵でトリッキーなプレーは、以前も今も相変わらずですよ?
ロブに見せかけてヘアピン。ストレートに見せかけて直前で面を変えてクロス。しかもスマッシュ、カット、クリアーのフォームは全て同じだから、何を打つかが相手には直前まで全くわからない。しかも打点のタイミングを微妙にずらしている。
私にはこのあたりはさすがだと、精度がはるかに増したと感じました。
確実なプレーこそ基本
それから1点をたいせつにして確実なプレーを心がけるのは、試合では基本中の基本。
凡ミスの失点は本当にもったいないですからね。
そんな中でもチャンスとなれば大胆に攻撃しに行ってましたよ。しかもそれは相手のミスを誘う球を積極的に作って、計算した上での攻撃でした。
「なんであそこでフォアに上げる?」という場面がいくつもありましたが、あれはわざと打たせて、相手のミスを誘ってのことです。これを大胆と言わずしてなんと言う?
マスコミは書きっぱなしではいけない
しかしこの記事を書いた方から見て、「分析は容易になり、相手に読まれやすくなって世界に通用しない」と言うなら書きっぱなしではなく、分析されないためにはどこをどうしたらいいのか、どんな練習をしたらいいのかを、書いた者の責任として具体的にきちんと書いて欲しかったです。
たいせつなのはダメ出しをしたその先にあるのですから。それがマスコミの責任ではないでしょうか。
最後に
桃田選手に対し、かつてリー・チョンウェイはこう語っていました。
「彼はまだ若い選手で若い青年である。人は100%正しいことをしているわけではない。彼が間違ったことをしたのであれば、その間違いに気づいて自分を変えて、変化して、強い人になって帰ってきてほしい」
彼は本当にそうなって帰ってきてくれました。私は今、本当にこれを喜んでいます。
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