叔母の遺産分割調停の準備は少しずつ進んでいます。戸籍謄本はおおかた揃いましたし、昨年暮れからは残高証明の取り寄せを開始しています。
今週に入り、銀行からの連絡により新たな動きがありました。 こちらは当初、残高証明だけを要求しました。それはすぐに届きましたが、それから数日後、こちらが要求してもいない移動明細書が追加で送られてきました。
これは後見人の不正の証拠になりえるのか?
それによると後見人を務めていた従兄弟は、昨年7月に、叔母の口座にまとまった額を入金。その日のうちにそれを出金という、実に不可解な行動をしていることが判明しました。
しかもその金額は、叔母の死後、こちらに報告してきた財産目録には載せてないものです。
これが意味するものはどういうことでしょう?
そしてもう一つ、要求してない移動明細書を、なぜ慌てて銀行が送ってきたのでしょう?
実はその証明を出させるだけで、銀行とすったもんだがありました。まずそれをご説明します。
急に態度を翻した銀行
年末に、姉は残高証明を取り寄せるために、戸籍謄本を用意して叔母の取引銀行に向かいました。最初は戸籍を確認してすんなり用意してくれるものと思ってました。
少なくとも昨年まではそれでOKとのことでしたが、今年に入って「相続人全員の戸籍を出せ」とかなり強い口調で言ってきたそうです。全員の戸籍はすでに裁判所に提出済み。今からまた新たに全員の戸籍を取り寄せるなんて、時間もお金もかかります。
姉は「相続人の私が要求している以上、私と叔母との関係が証明ができればそれでいいはず。そのための戸籍謄本は用意した。それなのになぜ全員の戸籍が必要なのか?」と詰め寄りました。さらには「今まで他の銀行からはそんなことを言われなかった」と言えば、「銀行によって違います」と言われる。
自分の分だけは銀行用にコピーを取っていて、それでいいと言われたから提出したところ、昨年まではOKを出していながら、突然「それでは証明書を出せない」と言い出すこの豹変ぶり。
ああ、そうですか、三○信託銀行はそのような取り決めがあるんですか。
あくまでも憶測ですが、後見人をやっていた従弟が横やりを入れたのでは?と思っています。
銀行は保身に走ることを学習した→実はこれがキモ
いくら言ってもラチがあかないので、姉はご主人に交渉してもらいました。そのご主人とは元刑事。刑事・民事の違いはあっても、法的な知識はあります。
金融庁のある決まり事を持ち出し、軽ーく「そんな態度でいいのか」という苦言と助言(断じて脅しではない)を言いつつ、穏やかーに「あなたの名前は?」と、○井信託銀行の担当者の名前を聞き出そうとしたら、今までの強気な態度はどこへやら。
最後には泣きそうな声で「い、今すぐ用意します」だって。爆笑。
もうやれやれですよ。最初から素直に従えばいいのに。
それにしても銀行は、(もちろん全てとは言いませんが)相手が女性なら強気に出る。ところが法的な知識があり、強気に突っこんでくる相手を前にすると、保身に走って態度を翻すものだと、この出来事で嫌というほど思い知りました。
それでもなんとかその銀行の残高証明を取り寄せる段階までこぎつけ、昨日それが届きました。
移動明細を送ってきた理由とは?
実はこれも銀行側の保身ではないかと推測しています。叔母が亡くなったのは2013年12月。本来ならその時点で銀行に連絡を入れて口座を凍結すべきです。
ところが口座はいまだ凍結されていないことがわかり、こちらが金融機関に連絡を入れて全ての口座を凍結しました。それをしたのが昨年の暮れですから今はもう出し入れはできません。
でも昨年7月の時点では、後見人をしていた従弟は自由に出し入れができました。それまで彼がずっと預かっていましたから。
本来なら後見人の任務は叔母の死亡時で終わっているはずなので、まとまった金額を出し入れする権利はないはずです。
従弟はすでに後見人ではなく、私たちと同じ相続人の立場です。であるなら出し入れに関して、自分の勝手な判断でするのではなく、相続人全員の同意を得るべきです。
百歩譲って何かの支払いがあるから、という理由も当てはまりません。第一時間が経ちすぎています。叔母の入院費は2013年12月、死亡した直後に全て清算済みで他に借り入れ金はありません。葬儀費用も全て支払い済みです。
銀行側は死亡してからかなりの時間が経過した昨年7月に、そのような動きがあったことを不自然に感じ、調停に持ち込むというこちらの事情を考慮して、姉に移動明細を送ってきたのではないのかと思っています。つまりこれも一種の保身。そう考えるとしっくりきます。
死後の預金の出し入れは不法行為になる
法律上、被後見人の死亡は後見の絶対的終了事由だから、どう転んだって死亡後に預金引き出しを行うことはできません。 死亡の事実を銀行が知らないうちに元後見人が引き出してしまえば、事実上は可能でしょうが、それはやはり法律的には違法と言わざるを得ません。
情報源: 成年被後見人死亡後の後見人による預金引き出しの可否 | 東京都文京区の弁護士活動報告ー法律相談は壱岐坂下法律事務所
本来口座が凍結されるべきものを銀行が口座名義人の死亡を知らないからといって口座凍結前に引き出してしまっても大丈夫なのか?という問題があります。 問題が有るか無いかで言えば有るという結論になります。 本来は口座のお金を引き出せるのは口座名義人だけですので、それをたとえ親族だからと言って勝手に引き出す行為は詐欺や窃盗の罪に問われる可能性が無いとは言えません。
情報源: 口座凍結前の引き出しの注意点 | 愛知/名古屋|遺品整理・特殊清掃専門の第八行政書士事務所
もちろんこれらは調停が開始されたら議題にするつもりです。どんどんボロが出て、逃げ場を失いつつある従弟がどう弁明するのか、興味深いところです。どちらにせよ、あまりに悪質で目に余るため、今後の対応次第では刑事事件として訴えを起こすつもりでいます。
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