Violet@Tokyo

そのしつけ方では待てができる犬にはならない~我慢ができる犬に育てる基本

約 1 分

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子犬を迎えると、多くの飼い主さんはふせやおすわりを教え始めます。もちろんそれは人間社会で暮らす上で必要なことですから、当然やる価値はあります。我が家でも、愛犬たちには家に来た翌日からそれらの「形」を教え始めました。

でもそれは単なる形。「ひと目でわかる!図解 赤ちゃん犬のしつけと育て方」の著者である杉浦基之氏(杉浦愛犬・警察犬訓練所所長)はかつて私にこう言いました。

「形(ふせやおすわり)なんてかんたんだ。おやつの一つも使えばすぐに教えられる。でももっとたいせつなことは、犬に我慢を教えることだ」と。ついでに彼の父親である杉浦基彰大所長は「おすわりやふせなんて、あたりまえの礼儀みたいなものだからね」と。

つまりプロの訓練士である彼らは、「訓練所は学校だから、最低限の礼儀は家庭で教えておくべきだ」と言いたかったのでしょう。子どもで言うなら小学校に通う前にあいさつができるとか、着替えができる程度にしつけておくのは親として当然の義務という意味です。

待て=お預けではない

この言葉の意味は深いですよ。多くの飼い主さんは、犬のしつけと言えば食事の時間にフードを目の前にして「待て」をさせています。そのまま食べずにいれば「ずいぶん長く待てができるようになった」と自己満足げにホクホクします。

でもこれは単なるお預けであって待てではありません。待ての本当の意味は、「『よし』と言われるまで動かないでじっとしていなさいよ」あるいは「おとなしくしていなさいよ」、「直前のコマンドを、解除されるまで維持しなさいよ」です。しかも、どこでもどんな状況にあっても、です。

最初は家の中でおやつやフードを使うのも良いでしょう。でもそれをずっとやっていれば、「お預け=待て」だと犬が学習します。しかも外では全く使い物になりません。

「じっとしていること・直前のコマンドを維持すること・おとなしくしていること=待て」が本当に必要なのは、家よりも外です。 例えば動物病院や交通量の激しい場所での信号待ちなど、よその人や犬に迷惑をかけないために、犬を危険から守るために、待てを教えるべきです。

待てを犬に理解させる基本とは?

私が愛犬たちに待てを教えた方法をご紹介します。毎日の散歩で少しずつ教えていきました。立って待つ「立止」、伏せて待つ「伏臥」、お座りをしたまま待つ「停座」、これら3つを交互に繰り返す反復練習を繰り返しました。しかも同じ場所ではなく、あらゆる場所で…。

ついでにこれにプラスすること、「脚側行進(紐つき・紐なし)」「停座及び招呼」の5科目を教えれば、こんな風に訓練競技会に出せますよ。(訓練犬・ヴィオレ参照)

そしてこの競技会こそが犬に我慢することを教える絶好の場所だと今でも確信しています。もちろん全ての飼い主さんが訓練競技会というわけにもいかないでしょう。それなら最低でも、毎日の散歩を利用して、時間帯や場所を変えて上記3つの形での待てをランダムに教えてあげるといいです。

※ちなみに我が家の愛犬が子犬の頃に実践した方法は「子犬にお座りを教えましょう」に詳しくまとめてありますので、そちらも併せてどうぞ。

ハウストレーニングができてない犬に遭遇

昨日、動物病院に行きました。愛犬のデンタルケアのためです。朝預けて夕方お迎えという予定で、「無事に処置が終わりました」と病院から電話がありました。

お迎えに行くと、待合室には子ども連れのご家族がいました。その方たちの飼い犬はイタリアン・グレイハウンドで、診察が終わり、これから車で自宅に帰るところでした。安全のためか、クレートに入る必要があったみたいです。病院が用意したクレートに、数人がかりでその犬を必死に入れようとしていました。

やっとの思いで入ったら、今度はクレート内で大暴れ。どうやらクレートトレーニングが全くできてない様子で、ずっと吠え続けていました。

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クレートトレーニングはこんなふうに子犬の頃からやっておく必要があります。写真は生後2ヶ月の我が家の愛犬です。自宅にいる時はさほど必要がないかもしれませんが、災害時やトリミングなど、クレートに入る状況はいくらでもあります。

車に乗せる時だって、車内でフリーにさせるよりクレートに入っていた方が安全です。クレートでおとなしくしていられれば、公共の乗り物にだって堂々と乗せられます。

ハウストレーニングの方法

教え方はいたってかんたんで、クレートの中に好きなもの(ボールやトリーツ)を入れて「ハウス」と言うだけです。入ろうとする瞬間に「そうだよ、上手だ」と励ますように言葉をかけて、体が全て入ったらよく褒める、ただこれだけです。

そして、この段階ではまだ扉はすぐに閉めないことがポイントです。扉を閉めるのは自分から自由に出入りをして、安心して遊びだすようになってからです。 でもこれで終わりではありません。この時はまだ「くぐって中に入ること=ハウス」だと思っていますから、次は本来の目的である「ハウス+待て」の意味を教えていきます。

それもかんたんで、ハウスに入った状態のままおとなしくしていたら良く褒める、これだけです。それをことあるごとに繰り返します。 また飼い主さんは、コマンドに従った時だけでなく、犬が自主的に好ましい行動をしているときは常に「いい子だね」と褒めるよう心がけてあげます。

すると犬はこのように学習します。「この中(ハウス)でじっとしていれば、お母さんが私を褒めてくれる。だから待ては楽しいことなんだ」と。それによりクレートやハウスがダイスキになります。これは子犬のうちから一貫しましょう。

しつけの本来の目的とは?

おかげで昨日、帰り際に病院のスタッフからこう言われました。「ヴィオレちゃん、すごくいい子でした」と。家ではおてんばで暴れん坊だけど、外ではきちんとしていられる子になったみたいです。でも犬のしつけは本来そのためにあるものです。

家ではいい子だけど、外で人に迷惑かけまくりでは意味がありません。状況に応じて我慢ができる犬に育てるのがしつけの本当の目的です。毎日の散歩を利用して、根気よく、楽しくトレーニングを続けてみてください。

以下にご紹介する「トイ・プードル はじめての飼い方・しつけ方―写真とイラストでわかる愛犬と楽しく暮らすヒント」は、我が家の愛犬がモデルを努めたものですが、この本の中のハウストレーニングのコーナーはヴィオレが担当しました。その時の撮影の様子はこちらにアップしています。

 

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(最終更新:2017/08/19)
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