私の夫は車の運転には自信を持っています。
車好きを自称し、過去には整備士として国内随一の自動車メーカーに勤務した経験があるので、口こそ出しませんが、運転技術にはかなりの自信を持っているようです。
けれど過去には何度か交通事故を起こしています。
一方私は縦列駐車が苦手、狭い場所での車庫入れなんてダイキライという腕前です。
けれど免許取得から35年以上経過した現在まで無事故です。ペーパードライバーではありません。平日は毎日乗り回しています。
それに対し夫が運転するのは休日だけです。
つまり比率としては、技術が劣る私の方が事故率が少ないのです。その理由はなんだろうと考えてみました。
自分の運転技術に自信があるから慢心する
運転歴が長いから、過去には車のプロだったからということで、夫は自分の運転が上手だと思っています。
それが悪い意味で運転に表れています。頻繁に車線変更をしたり、狭い裏道や抜け道ばかり走りたがります。
一方私は、狭い道はできるだけ避けるようにしています。小回りのきく車ではないため、狭い道で対向車とすれ違うのが嫌だからです。
もしそのような状況になった時には自分が道を譲るようにしています。
狭い裏道は、信号がない分だけスイスイ走れるかもしれませんが、すれ違う度にヒヤヒヤするのが嫌なのです。
なのでできるだけ道幅が広い幹線道路を使うようにしています。
滅多なことでは車線変更もしません。多少の渋滞や、度重なる信号待で少しくらい余分に時間がかかっても、その分早く出ればすむことです。
でも夫は違います。信号待や渋滞が嫌いだから、やたら抜け道を走りたがります。
それはそれでいいのですが、問題は自分の運転技術を過信していることです。
狭い住宅街の道路であってもけっこうなスピードを出します。住宅街の狭い道路なんて、何が飛び出してくるかわかりません。
案の定、今回だって暴走自転車がぶつかってきました。
夫は自分が被害者だくらいに思っているみたいですが、私はあえてこう言いました。「あなたは今まで“だろう運転”をしていた。このような道路こそ“かもしれない運転”をすべきだ」と。私のこの言葉に、今はかなり落ち込んでいるみたいです。
でもこれは我が家だけのことではなく、広く一般にも当てはまるのではないでしょうか。
ベテランドライバーだからこそオレ様運転が定着している
大昔、教習所に行っていた時のこと。卒業を控えていた時に教官が私にこう言いました。「今が一番マナーが良い状態だ」と。
ふつうなら新米ドライバーなんて、運転が下手というイメージがあります。
その言葉の意味を、最近つくづく共感します。
運転の上手い下手は技術だけの問題ではなく、マナーの問題も大きいと思います。それに長年の経験は、時としてマイナスに働く場合があります。
人は自分を甘やかすことがダイスキです。慣れは慢心を引き起こします。若葉マークの初心者のうちは自分の技術に自信がないから無茶なことはしません。でも慣れてくると「少しくらい大丈夫だろう」の積み重ねができてオレ様運転になります。
つまり「経験があるから」の本体は、「少しくらい大丈夫だろう」の積み重ねでしかないのです。 たまたま今まで運良く「大丈夫だった」だけのことであることがわからなくなるから怖いのです。
年齢や性別なんて関係ない!要は危機意識があるかどうかの問題!
よく高齢者に事故が多いと言われています。高齢者の場合は、身体的な能力の衰えと判断能力の低下が事故の原因とされています。でも一番の原因は、それを自覚してないことです。
これと同様、女性の運転は怖いとか、女性は交通事故を起こしやすいとも言われています。体力的にも男性より劣るため、運動能力ではハンデがあります。
けれど交通事故に関して言えば、年齢や性別だけの問題ではありません。女性だって運転が上手い人もいるし、若い男性だって、運転が下手なくせに下手であることを自覚せず、上手いつもりでいる感違いドライバーはたくさんいます。
いやむしろ、上手い下手よりも、どれだけ危機意識があるかどうかの問題ではないでしょうか。危機意識を持てば「かもしれない運転」をするし、集中力も持続します。
よく婚活の現場では、アドバイザーは、「1日ドライブデートをしてみなさい」と提案するそうです。車の運転にはその人となりが表れるからです。
威圧的な運転をする人、乱暴な運転をする人はDVの傾向があるし、危機意識のない運転をする人は脳天気で何も考えない傾向があります。我が家の場合は後者だな…。
それでも「怖い怖い、車怖い。最悪のドライバーが多い民族トップ10」を見れば、日本人なんてかわいいものですね。
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