Violet@Tokyo

アルコール依存症と買い物依存症の義兄!その原因は何?

約8分



「はぁ…」

いきなり大きなため息から始まる今回のエントリー。内容はタイトルの通りです。

先日末期の肝硬変で入院した義兄の続報ですが、精神状態はもうかなり深刻。

アルコール依存症だけでなく、買い物依存症であることも確定。しかも退職金をほぼ使い果たして経済的にも行き詰まっているようで、支払いが滞りだしています。

にも関わらず本人は、「まだ金があるから大丈夫」と、かなり能天気なことをほざいている。「一般病棟はイヤだ。個室にしてくれ」だと。

これをため息つかずにいられる人がいたらぜひ一度、顔を拝みたいものだ。そして私に爪の垢でも与えておくれ。私は今、何があっても動揺しない強靭な鉄の心が欲しい!!

今回は順風満帆な人生を歩んでいたエリートが、なぜ依存症に陥るのか、その背景と原因を探っていきます。

買い物依存症の気配は数年前から

まずは背景から。義兄がうつ病で早期退職したのは今から9年前。

独身とはいえそこそこエリートだったから、手にした退職金もその年にしてはかなり恵まれた方だったと思います。年金を得るまでは貯金を切り崩して生活していた模様。その頃はまだ、地道な生活ぶりでした。

悪い予感は当たるものだ

アルコール依存症.買い物依存症.原因

買い物依存が始まったのは年金受給開始から間もなく。それまで我慢していた自制心が緩んだのでしょう。

それ以降「ダイソンの掃除機いるか?」「パソコン買い替えたから古いのをあげる」「新しい車を買ったから見せてあげる」など、ことあるごとに連絡が来るので私は怖くなって夫に言いました。

「お義兄さん、あんなお金の使い方して大丈夫なの?」

仕事をしていた頃なら本人の収入をどう使おうと、それはその人の自由。でも年金生活になったのに、しかも独身だというのに、買ったけど気に入らないから要らないだなんて…。

挙句、他人にポンポン配る神経が、私にはどうしても理解できませんでした。お金を何だと思っているんだろう?

しかしいくら兄弟とはいえ、お金の話題となれば踏み込めない部分がありますが、さすがにそんな悠長なことを言ってはいられなくなり、夫は義兄に「そんなに買い物して大丈夫?」と問い正しました。

返ってきた答えは「大丈夫」の一点張り。こう言われてしまえばそれ以上のことは言えません。でも最初に感じた違和感て、後に現実のものになるんですよね。それが直感的であればあるほど悪い予感は当たるものです。

依存症になった原因

アルコールにしても買い物にしても、依存症に陥る原因は、ストレスや寂しさからだとされています。

でも義兄を見ている限り、それだけではないように思うのです。本人の資質が大きなウェイトを占めています。

義兄は生真面目すぎるくらい生真面目。弱音なんて吐いたことがありません。努力家で責任感は人一倍強いのですが、体裁にこだわりすぎるからか、人付き合いは超苦手。周囲からは「いい人」で通っていたようですが、人といるより一人で行動するのが気楽というタイプ。

元気な頃は、休みの日はたいてい一人で気ままに旅行や買い物に出歩いてました。それが唯一の楽しみであり、ストレスの発散法だったのでしょう。

うつ病によって人生の歯車が狂いだした

ところがうつ病になって思うように外出ができなくなり、楽しみだった旅行にも買い物にも行けなくなりました。

でも今は、パソコンを開けば家にいても買い物はかんたんにできる時代。やがてパソコンだけが唯一の社会との接点になるのは言うまでもなく、しかも時間だけは有り余るほどある。ネットショッピングの虜になるのに、そう時間はかからなかったはず。

依存症は買い物の目的からして違う

義兄が自分の人生で一番輝いていたのは、自由にお金が使えて自由に出歩けた元気な頃。きっとそれが忘れられないのでしょう。アルコールに逃げるのも、ネットショッピングにはまるのも、おそらく「満たされない今」からの現実逃避かと。

だって本当に欲しくて買ったのなら、届いた品物が箱に入ったままというのはありえません。何かの穴埋めに買い物をしているにすぎないのです。

こうなると理性云々の話ではありません。”依存症”というのは自分の意思とは関係なく、コントロール不能になった状態を指します。いわばブレーキがぶっ壊れた車みたいなもの。

それにより、時間とお金を浪費するだけの、人生の消化試合が幕を開けたのです。

破産寸前だと気づいたのは昨年

昨年も自宅で倒れて救急搬送されました。

病状以上に「これはふつうではない」と思ったのは、自宅の惨状を目の当たりにしてから。自宅はまさにゴミ屋敷状態でした。

ネットショッピングで健康食品を定期購入していたようですが、積み上げられたダンボール箱は封も切られずに届いたままの状態。細かく見てみると、その中には高価なカメラや時計、家電製品など、通常一つあれば用が足りるものがいくつもありました。

その時はとりあえず、分かる範囲で定期購買になっているものをいくつかストップしましたが、その程度では焼け石に水。それまでに購入したものは全てリボ払いになっているため、支払いは今後も続きます。

今さらこんなことを言っても遅いかもしれませんが、「お金は人生をつなぐもの」という意識(危機感)がほんの少しでもあれば、こんなことにはならなかったはず。散財する人はみなこの意識が欠けているように感じます。

余談ですがリボ払いって恐ろしいですね。内訳を見ると半分近くは利息なので元本はほどんど減りません。これではいくら払っても永遠に終わりません。皆さん、カードは賢く使いましょうね。

昨年義兄から絶縁を言い渡されたので、この数ヶ月接点はありませんでしたが、恐れていた事態がとうとうやってきました。

昨年11月あたりから貯金も底をつき、支払いが滞りだしたようです。そのため今は、カードの利用が制限されています。カード会社に問い合わせましたが、当然ながら本人でないと教えてくれません。

本人は危機感まるでなし

先週入院先に行きました。入院当初より少し安定してきて、看護師さんに付き添ってもらってトイレにも自分で行けるようになったとか。それはいいとして…。

大きな支払いが迫っているので本人とも会話したのですが、自分ではすでに払ったと思い込んでいる様子。でも実際にはまだ未納です。脳の萎縮が進み、正常な判断能力が失われているのでしょう。これには頭を抱えました。命が尽きるのが先か、破産するのが先か…?

病院から保証人の署名を求められましたが、さすがにそれはできないと、断りました。

不安な心理状態を暗示するひと言

会うなり義兄はこう言いました。

「後ろに崖があってその真下に大きな穴が開いている家がある。今後はそこに引っ込もうと思う」

義兄の家は駅近・町のど真ん中。ビルはあっても崖も大きな穴もなく、そもそもそんな別宅はない。妄想であることは言うまでもありません。

しかし私にはそれが、「自分はもう崖っぷちに立たされている。このままだと奈落の底に落ちる」という今の不安な精神状態そのものだと感じました。

問題は、”今後はそこに引っ込もうと思う”という、自分からそこに行こうとしている決意の表れとも取れる最後の言葉。

精神医学のことは全く知識がない私ですが、脳が萎縮しているから明確な判断能力はないけれど、全体の大きなシルエットは曇ったフィルター越しに漠然と見えている状態かもしれない。どちらにせよ、とてつもなく深い闇を抱えた精神状態にあるのではないかと、そんな風に感じたのです。

この話を後日、ソーシャルワーカーに話したところ、「アルコールが切れたことによる禁断症状ではないか?」と指摘されました。禁断症状がどういう形で出るかは全くわからない私です。しかし「意識の底にないことは妄想しないのでは?」と、私はそう考えています。

生活の立て直しは至難の技

こんな調子ですから、もし病状が落ち着いて今の病院を出るとなったらどうしようというのが目下の課題。義兄はとにかく人の介入を嫌うタイプで、仮にそれが実の弟であっても、いや弟だからこそ兄としてのプライドが先に立ち、「オレのすることに口出しをするな」となったのでしょう。だから昨年離縁状を書かされたわけです。

では公共のサービスを使えばいいだろうとなりますが、昨年私たちはその手続きもしました。でもとうとう一度も利用しなかった模様。後見人制度の利用なども視野に入れてますが、きっとそんな状態になるくらいなら”今後はそこに引っ込もうと思う”という決意を伝えたかったのかも。

逃げ方は大事!

以上の文章から深刻な依存症に陥るタイプが見えてきたのではないですか?

何も特別な人がこうなるわけではないことだけはおわかりいただけましたか?

やはり人には適度ないい加減さがほどほどに必要。つまりは逃げ方。

義兄は逃げ方がとにかく下手。うつ病になったのだって、いくら責任感が強いからと、キャパを超えた仕事からはサッサと逃げなきゃ。いくら兄貴として、男としてのプライドがあるからって、こちらや周囲の手助けには素直に応じなきゃ。

…と、それができなかったからこうなっちゃったわけで、逃げなければならない場面で逃げず、逃げてはいけない場面で逃げるから行き場がなくなり、自分の殻に閉じこもるしかなくなっているのです。つくづく、「逃げるが勝ち」という言葉の意味と重みを痛感します。

最後に

そんな状況なのでこちらもまだ何をどうしたらいいのか皆目見当がつきません。

でもせめて、残された人生を人間らしく過ごしてほしいというのが今の願いなので、売れるものは売って、できるだけお金に変えようと思っています。と同時に、以下のケースもあるくらいだから、共倒れにならないようにすることも、こちらはこちらで考えなければ。

 

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