https://youtu.be/8UAlD8SI-6U
ロック史上に燦然と輝く金字塔を打ち立てた名曲・Hotei California 。12弦ギターのイントロ部分が始まるや否や、ぐいぐいと引き込まれる名曲です。
音楽と記憶というのはとても親密な関係があるように思います。イントロが流れるだけで当時の出来事が断片的に瞼に浮かび、サビの部分を聞いただけで懐かしい人の顔がよぎります。私にとってこの曲は、まさに思い出の一曲であり、洋楽の素晴らしさを教えてくれた曲でもあります。
その頃友人が「この曲の詩って、なんだか不気味なんだよ」と言ってましたが、私はメロディーの美しさだけで詩の意味など全く知ろうともせずに聞いていました。
当時は「泣く子も黙るイーグルス」と言われたものですが、暫くして解散・・。それは1980年のことです。ショックでした。
再結成
時は流れ、94年に再結成。翌95年の日本公演の感動は、今も鮮明に覚えています。
二部構成のステージ。 一曲目からHotel California で始まるHELL FREEZES OVERを、東京ドームで涙を流して聞いていました。色んな思いが頭をかすめて、感無量。
私自身も、80年から95年にかけての15年間はとても貴重なものでした。人としても、女性としても、大きく生き方が変化しました。
でもこの曲の素晴らしさだけはどんな時でも変わりません。名曲というのは、時が経っても色あせないからこそ名曲なのです。
今、また再びこの曲を生で聞くことができてよかったと、この空気を肌で感じることができて幸せと、同じ空間にいることができて幸せと、そんな風に思ったことを覚えています。
歌詞について
詩の意味を考えるようになったのは、実はこの頃です。イーグルスの特集を組んだ、あるテレビ番組がきったけです。
その時の内容は、ホテルカリフォルニアの謎めいた詩についての内容が主で、69年のウッドストックやジャケットの意味などを説いていました。
あくまでもそれは番組側の想像の域でしかなく、単なる一つの説として唱えているだけでしたが、そのときは「ああ、なるほどな」と思って見ていました。
“本当のところは作った本人にしか、その真意はわからない”
そんな思いが根底にあったのは事実です。
それにしても歌詞の意味については、ネットで検索をかけると膨大な数がヒットするのには驚きます。英語圏で暮らすアメリカ人ですら「あれは精神病院が舞台だ」とか「いや、あれは刑務所だ」と、様々な憶測をするということは、本当のところは彼らにもわかってないということ。
なのにまるでその場にいてリアルタイムで見ていたかのように日本人が詳しく書いてることには、ある意味感心します。
つい先日、こんなインタビュー記事を目にしました。
インタビュー記事全容はこちら
さて『ホテル・カリフォルニア』に出てくる有名な歌詞「そのスピリットは1969年からおいていません」という歌詞を人々はいろんな風に解釈していますが、69年にあって76年に失われていたものとは何ですか?
グレン・フライ: 「ドンがその歌詞を書いたんだ。 でも僕らも意味は知っているよ。 当時何が起こったかと言えば、誰もがあの時代理想を信じ平和を望んだ。 そんな希望に満ちた時代は60年代と伴に幕を下ろした。 68年ロバート・ケネディが次期大統領になると聞いたときの希望、また彼が暗殺された時の落胆。 続くマーチン・ルーサー・キングの暗殺と、理想は破れ、純粋無垢な理想を失ったというのかな。 76年に僕らは厳しい現実を知り、60年代にあった純粋無垢な理想を失った。 ドンはそういう風に感じてあの歌詞を書いたんだと思うよ。
「僕らも意味は知っているよ」の意味
その時代を共に生きてきて、その場に共にいた者でなければそのときの空気を肌で感じることはできません。だからメンバーたちは意味を知っています。同じ場にいてその思いを共有できたからわかるのです。
でも日本で暮らす私にとって、ケネディ暗殺もベトナム戦争も対岸の火事でしかなく、単なる歴史上の出来事でしかありません。
まして日本は「戦争をしない」「銃を持たない」という世界一美しい憲法を持っています。その憲法に守られているからこそ彼らの思いがリアルに伝わってこない部分があります。
だから詩に込めた思いを「こうなんだよ」という説明を受けて、その時は頭でわかったつもりでも、心で感じることはできないと思いました。
まとめ
音楽というのは、頭で考えるものではなく、心で感じるものではないのかと私は思っています。心で感じるからこそ、言語や国境の壁を超えて良い物は良い、と感じるのです。
ホテルカリフォルニアの歌詞については様々な説がありますが、私は単純に音を楽しむで良いと思っています。だって音楽なんだから。小難しいウンチクがなくても、素晴らしい音楽であることには違いないんだから。
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