Violet@Tokyo

余命一年

約4分



昨日の続きです。昨日、看護師をしている友人から詳しい話を聞きました。

時間を戻せたらと、このときほど強く思ったことはありません。

昨年(2012年)1月、この時すでに腫瘍があることがわかっていたそうです。

人間ドックで肝臓に3.5センチほどの腫瘍が発見されていましたが、医師からは良性と言われ、経過観察をしましょう、とのことです。

この時のことは私も覚えています。

確か新年会の時、彼女の口から良性の腫瘍だと聞かされていましたから。「良性でよかったね」なんて言った覚えがあります。

それから一年後の今年(2013年)の1月。

再び人間ドックでその後の経過を調べたところ、1年前には3.5センチだった腫瘍が、なんと7.5センチにもなっていました。

わずか1年で倍以上に大きくなるのはどう考えてもおかしな話だと、看護師の友人は今になってそう言います。

しかし医療の知識のないMちゃんは、医師が良性と言う以上、それを信じるしかないわけです。

なんの症状も出てないし、仕事が忙しいことに加え、プライベートでも母親が骨折して入院したなどの不幸な偶然が重なりました。

別の病院で詳しく調べたのはそれから半年近く後のことです。

責任感が強く、自分のことより、家族や仕事を優先したあたり、彼女らしいと言えばそれまでですが、そのときくらいは我を通して欲しかったです。

そして調べたデータを看護師の友人に見てもらったのは、8月のビアガーデンの時

あまりに肝臓の数値が悪いので、専門の病院で看てもらった方が良いと助言し、8月の末に精密検査を受けました。

今から思えばたくさんの時間を無駄にしてしまったのです。

精密検査でも、最初の時点ですぐに転移性の癌が肺や肝臓から出ましたが、原発の癌がどこなのかが分からず、正確な診断名が出たのが今週火曜日。

精密検査だけで実に3週間もの時間を費やしました。数々の不幸な偶然が重なったのです。

それが悔しくてなりません。せめてその分の時間だけでも元に戻せたらと思います。

良性と言われても、別の病院で詳しく診るとか、1年も置かずに半年後くらいにもう一度診るとか、7.5センチになっていたという時点で、すぐに精密検査に切り替えるとか…。

いつくかの選択ポイントはあったのに。

「早期発見、早期治療」とはいえ、医師でもなかなか発見できなかった場合、我々素人はどうしたら良い?

信じるよね。だって相手はプロだと思うから…。

先生と名のつく人から”良性”と言われれば、”慌てることはないかな”って、フツー思うよね…。

それが悔しいのです。 だけどその間にもがん細胞は彼女の体を蝕み、現在は(4段階で言うなら)ステージⅢ。

治すための治療ではなく、進行を遅らせるための治療になってしまったそうです。

今や手術も放射線も意味がなく、抗がん剤で進行を食い止めるしか手はないのです。

余命1年。それが彼女に残された時間です。

残された時間を、いかに彼女らしく濃密な時間にできるか?私にできるのは、そのお手伝いをすることです。

楽しい時間をたくさん作って、楽しい思い出をたくさん作って、彼女の家族とずっと変わりなく付き合っていくこと。

家も近所だから彼女の妹とは付き合っていくつもり。

同じ1年でも、死んだように生きてるだけの1年と、内容が凝縮した1年とでは全く内容が違います。

彼女には癌と戦う意欲があります。その上で自分の余命を自分で聞いたそうです。

「癌には負けない、絶対に治す」と言って民間療法も取り入れるつもりでいます。

そんな彼女の友達として、私は何ができるのかを常に考えていきたいです。

 

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このブログは私が日々感じたこと、考えたことに独自の視点を交えて書き留めている忘備録です。読者の方に少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
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