少し前に新卒2年目で公務員を辞めた人が炎上していましたが、鎮火したかと思いきや、まだ多方面でディスられています。
私は彼の文面を読んだとき、「大学中退して起業します」と宣言し、いつの間にか消えた石田君を思い出しました。自分でもその理由はよくわからないけど、なんとなく石田君と同じニオイがしたのです。
最近は「好きなことを仕事に」と、夢を追いかける若者が増えているようで、あちこちで「会社辞めました」という武勇伝を見聞きします。
もちろん「好き」は大事。夢を追いかけるのが悪いとは言いません。このまま続けていれば命を落とす可能性があるほどのブラック企業であれば、今すぐに辞めた方がいいと思うし、うつ病になるくらいイヤな仕事を無理に続けろというのではありません。
それでも私は、好きだけで仕事を選んではいけないと思っている派です。この記事ではその理由をお伝えしていきます。
好きだけを追求するなら趣味にしたほうがいい
「好きなことを仕事に。自由に生きる」と言い出したのは、一部のブログ界隈で名の知れた人たちだと思います。でも彼らを見ていると、「果たして今でも本当に好きなのか?本当に自由なのか?」と疑いたくなります。
確かに最初のうちこそ息巻いて楽しそうに記事を書いていたようですが、どんどんお金の亡者となって、ピークが過ぎ去った仮想通貨の話しかしなくなった人あり。PV欲しさに私生活を切り売りしすぎて炎上した人あり。離婚して親権取られた人あり。過激な発言を繰り返す人あり。一部の信者に囲まれてちやほやされたいだけの人あり…。
その後を見ていると、ロクなもんじゃないですよね。なんだかなーと思います。
それがこの人たちの言う、「好きなことで生きていく自由な生き方」なのかと、かねてより疑問を感じてました。
しかしこれがきちんとした収入源を確保し、私生活を充実させることに意識を向け、健全な承認欲求が満たされ、その合間に趣味としてやっていたなら、そこまでエスカレートすることはなかったと思うのです。「好き」というのは余裕の部分ですからね。
しかもその「好き」という気持ちが、ずっと変わりなく続く保証はありません。「嫌いになったらどうする?」と考えれば、「好き」だけを基準に考えるよりも、趣味に留めたほうがはるかに賢いです。
実際、私の知り合いもプロブロガーを目指したけど、しばらくしたら食えなくなってコンビニで働いていたという事実もあります。
好きが続く保証はない
一方仕事となれば、最初は好きでもいずれは好きだけではやっていけない部分が出てきます。
それはお金を貰う以上、どうしても避けられないことです。「好きだけで食っていけるほど世の中甘くない」と、冷水をぶっかけるつもりはないけど、それも含めての仕事なのです。
嫌なことから逃げるための自由はありえない
でも「好きなことを仕事に」という意識だけに囚われると、少しでもイヤなことがあれば「こんなはずじゃなかった」となり、先のビジョンも見いだせないまま、逃げるための理由づけとして、聞こえの良い「好きなことを仕事に」を、何かのスローガンのように連呼するようになります。
少しカンの良い人なら、そうやって自分や世間を納得させるためだけだとわかるのですが、オツムの足りない素直な人は、それを鵜呑みにして感化されるのです。
ただ問題は、そこにブログだけで生きていく適正が自分にあるかどうかに目を向けてないこと。目が向けられないということは、それだけ余裕がないということです。余裕がない状態での自由は皆無です。
嫌なことでも誠実に向き合えるかどうかがだいじ
私は「仕事が好きか?」と問われれば、できればしたくないし、遊んで楽に暮らしたいし、ハッキリ言って好きではありません。でも仕事だから、好きではないけど誠実に向き合あおうという意識だけはあります。私の場合は好きかどうかは二の次で、これなら誠実に向き合えるかどうかが仕事選びの基準でした。
ただその選択に良い悪いもなく、上も下もなく、あくまでも私はこうだったというだけのことですが、それでも今まで続けてこれたのは、好きでなくてもその時間内の楽しみ方を、自分なりに見つけられたからだと思います。どうせ一日のうちの、貴重な何時間かをそこで過ごすなら、そこから少しでも楽しみを見出そう、みたいな?
そんなマイナス思考から生まれたプラス思考があってもいいのです。マイナスとプラスで差し引きゼロですからね。そこから収入が発生すれば、結果的にはプラスになるのです。
その結果、今は好きも嫌いもなく、それが仕事である以上、朝起きて歯を磨くのと同じくらい自分の生活の一部という感じになってます。
最後に
好きだけを追求した結果、嫌になったら逃げればいいと考えるより、少しくらい嫌なことがあっても、とりあえず誠実に向き合った先に本当の自由や楽しみが見いだせるのです。
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