Violet@Tokyo

専門外の部活顧問に限界を感じた日

約6分



生徒の自主参加による部活。継続には顧問が必要です。全く知識のない教員が、名ばかりの顧問をさせられるのは今も昔も変わってません。

実際私も中学・高校とバドミントン部に所属しましたが、そのときの顧問についた教師も競技に関しては全くのド素人でした。それでも当時はまだ、教師は教師として一目置かれる存在だったので、露骨にバカにするなんてありえませんでした。

泳げない水泳部顧問、楽譜が読めない吹奏楽部顧問、受け身のできない柔道部顧問、字がヘタな書道部顧問、囲碁にしか興味がない将棋部顧問…。

でももう今は、そんなシステムはそろそろ限界ではないのかと、何らかの改革が必要だと感じたできごとをお話しします。

競技規則もマナーも知らない顧問

私は中学からバドミントンを始めて、今でも趣味として楽しんでいます。

先日親しい練習仲間・6人でチームを作り、試合をしてきました。

対戦相手は高校生や地元のママさんチーム、私たちのように地域に登録しているクラブの人など4つのチームと対戦。試合形式はリーグ戦です。

結果はチームとしては2位。私が出た試合は3戦1敗とまあまあでした。それはいいとして…。

注意するとふてくされる高校生

3戦目の対戦相手は私立高校のチーム。

試合中、相手選手のある動きが気になって、最初は我慢していましたが、1セット目が終わり、コートチェンジをするときに「レシーバーフォルトをきちんと取ってください」と主審に伝えました。

私がサーブを出す時、(威嚇するつもりかどうかは知らないど)その高校生はずっと動いていました。それはレシーバーフォルトです。サービスジャッジがつかない試合では、サーブ・レシーブは主審が見ます。相手チームが主審を担当したのですが、フォルトのとり方もわからなかったみたいです。

レシーバーの競技規定

競技規定として、第9条「サービス」の項目に以下の内容が書かれています。

競技規定

  • サーブの開始はレシーバーの体制が整わないうちに始めればレッドになる
  • サーブの開始から終了まで、レシーバーの足はその位置でコート面に接していなければならない

それを説明したところ、相手チームの高校生はそれ以降ふてくされてこちらに八つ当たり。シャトルをこちらに渡す際、ネットの下からゴミでもはくような渡し方をするようになりました。

基本的なマナー

4. シャトルを拾う;自分のコート内に落ちたシャトルを拾って、相手側コートに気持ちよく渡す。
5. 既に落ちた球を相手側に渡すとき、ネット下から態度悪く返してはいけない。

情報源: バドミントン Badminton|ビクタースポーツ VICTOR Sports

高校生といえど、公式戦に出てくる以上、まして大人の試合に出てくるならなおのこと、競技規則や基本のマナーくらい守ってほしいものだと思い、試合の後にシャトルの渡し方を説明しました。するとその高校生、大声を出して肩を震わせながらギャーギャー泣き始めるではないですか。

「うわっ、この子メンタルヤバっ!」

21点ゲームで5点も取れない一方的なワンサイドゲームでイライラしたのか、言われっぱなしでよほど悔しかったのかは知らんけど、こうなると勝ち負け以前の問題です。負けたことが悔しくて未熟な自分に対して泣くなら見込みがある。でもこの子はそうではなく、人としてダメ。

さらに私を驚かせたのは顧問教師のひと言。

「この子たちには、初めての試合なんです!」

ちゃんとしたことを教えられない顧問

「だからナニ?」と思ったのは言わずもがな。おバカな高校生はともかく、顧問までこんなことを言ってるようでは、ちゃんとした指導なんてできるわけがない。

「初めてだからこそ、最低でも競技規定や基本のマナーくらい教えてから出さないと、生徒だけでなく学校として恥をかくことになりますよ」と告げるとその教師、後はダンマリ。そそくさと試合会場を出て行きました。

専門知識はなくても教育者なら教育はできるはず

引率の顧問は、ひと目でド素人だとわかりました。

私はバドミントンを通じて下は幼稚園から上は70代まで、男女問わず様々な年代の方と交流を持ち、楽しく練習をしています。

早く始めることはいいけど技術先行になってはならない

最近の傾向として、親の影響で物心ついたときにはラケットを握っている子は数多く、そういう子はスタートが早い分だけ中学に入る頃にはかなり高度なテクニックを身につけています。ジュニアの試合で優勝総なめなんていう子は、たいていそんな子たちです。

本格的にやるなら中学の部活スタートでは遅いのです。

では早ければいいのかといえば、技術を身につけることだけを考えれば早い方がいい。物心ついた時からその世界にいて、大人と一緒に練習していたりすると、チヤホヤされて可愛がられるし、色んな人から細かいアドバイスを貰えるから、上達は確かに早いです。

けれど同年代の子たちより腕が抜きん出ている子ほど、同年代の子たちをバカにする傾向があるんですね。

そして大人に対しても、上手い人の言うことしか聞かない傾向にあります。人の価値を上手いか下手かで判断する生意気な子も少なくありません。これは現在スポ小の指導をしている友人から聞いた話です。(もちろんみんながそうとは言いませんが…)

コーチと教育は別だろ

だからなおのこと、専門外のド素人顧問の言うことなんて素直に聞くはずはありません。しかし技術の指導はできなくても、競技規則を教えたり、基本的なマナーを教えるくらいはできるはず。それはコーチではなく教育の分野ですから。

引率の教師に伝えたかったのはそこなんですが、考えてみると今はそれも難しい時代なのかもしれません。

親だって教師をバカにする時代。それでいて、なにかあれば責任だけは学校や教師という時代。委縮しても無理はなく、まして私立校なら生徒はお客様。

となれば「お客様は神様です」の精神がどこかにあって、その高校生のように注意されてふてくされる子がいたとしても、それを正すのではなく、かばうような態度しか取れなくても仕方がないのかもしれません。

今の時代、教師は聖職ではない

そう思うと、専門外の教師による部活顧問には限界があるのでは?と思うのです。バドミントンは怪我も多いハードなスポーツ。素人教師には限界があります。

一昔前なら教師は聖職なんて言われた職業ですが、今は先生とて人間。親や生徒からバカにされ、休日返上で専門外の試合に朝から付き合わされ、大泣きする生徒にうんざりというのが本音でしょう。

しつけは家庭で。勉学は教師が。そして一流選手を育成したいのなら、専門外の顧問をつけるのではなく、親がちゃんとお金を出して、競技実績のある一流コーチを雇い入れた方がずっと効率的。

技術だけでなく人間育成も同時にできるのは、親も子も一目置けるカリスマ性のある人でなければ難しいと、つくづく感じました。

 

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このブログは私が日々感じたこと、考えたことに独自の視点を交えて書き留めている忘備録です。読者の方に少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
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