ガールズちゃんねるに寄せられた「専業主婦の感覚が世間とずれるって本当ですか?」というスレッドが話題を集めています。
これを読んだ専業主婦はハンカチ噛み締めて「キッーーー」となったのではないですか?記事自体は「人によるとは思いますが」と予防線を張りながら、ただの煽り記事。「うちの母は」で終われば他愛ないボヤキですむのに、「専業主婦は」と主語を広げるからややこしくなっちゃう。
地球誕生の日から今日までの、世界中の専業主婦を一人残らず取材したならともかく、「感覚がずれている」とする専業主婦のモデル像は自分の母親だけ。
これを見る限り、視野の狭さは「友達も少なくネットも出来ないので情報源がテレビのみ」という投稿者の母親といい勝負。
「この親にしてこの子あり。血は争えないもんだ」という感想しかありません。
しかしこの投稿に限らず、近年日本全国で勃発する専業主婦叩き、ワーキングマザーVS専業主婦との終わりなき対立…。
こういった対立はなぜ起こるのでしょうか。その理由を考えてみます。
隣の芝生は青く見える
ちなみに私は専業も兼業も経験しています。
結婚を機にマイホームを購入。今の地に越してきた当時、周囲は専業主婦だらけ。
正直、彼女たちがすごく優雅に見えた時期もありました。
当時の私は毎朝慌ただしく仕事に出て、夜もどっぷり暗くなってから帰宅。ほっとする間もないまま慌ただしく家事をこなし、やれやれと思うのはほんのつかの間、あっという間にまた朝が来るの繰り返し。
そんな生活がずっと続くと、時間に余裕がある専業主婦はいいなと思いました。喉から手が出るほど羨ましいというわけじゃないけど「隣の芝生は青く見える」的な、ちょっといいなという程度。
生き方が違えば感覚のズレはしかたない
けれど休みの日に近所の主婦たちと会話すると、やはり噛み合わない。共通の話題もないし、そもそも互いの関心も違う。だから会話をしても楽しくない。
でも「専業主婦は○○」という偏見は持ちませんでした。そこまで暇じゃなかったし、他人に興味もなかったし、「環境が違えば関心が違うのはしかたがない」程度。
自分とは違う生き方をしている以上、感覚のズレはしかたがないのです。
自分とは違う個性を受け入れられない
でもそう思えない人がいました。仮にAさんとしておきましょう。
私は外に出てしまえば近所のことには無関心でいられます。ところが自宅で仕事をしているAさんはそうではありません。
金と時間を持て余して毎日のようにランチだ、買い物だのと優雅な生活をしている専業主婦たちの暮らしぶりを目にする機会が多いAさんは、やがて「私は毎日髪振り乱して忙しく生活しているというのに」という思いが高じて、彼女たちを目の敵にするようになりました。
「専業主婦なんて無職」から始まり、専業主婦叩きに使われる、ありとあらゆる罵詈雑言を繰り返してました。
Aさんの場合は元々の未熟な人格も然ることながら、以下の条件が揃ったのです。
- 「ちょっといいな」というないものねだり
- 対象が至近距離にあることで、目にする機会が多くある
- 表面でしか人を見てないのに「人は人」と思えない
- 少ないデーターのみで決めつけたがるが、分類方法はかなり雑
- 人を否定しなければ自分の生き方が肯定できない
近年横行している専業主婦叩きも、これとよく似ていると思うのです。
「今はみんなが働いている時代」という前提で決めつけるから、「違う生き方を許すまじ」となるわけで、これも一種の同調圧力みたいなもの。実は自分がいちばん専業主婦になりたかったのに、それができなかったから八つ当たりしているのです。
他人の生き方を否定する人は、現状不満足の証
専業だから・兼業だからではなく、Aさんのように偏見に満ちた物の見方をする人の方がはるかにズレているのは言うまでもありません。
ではこの手のタイプが仮に逆の立場(専業主婦)になったらどうなると思います?
そうなったらそうなったで、かつて自分が専業主婦叩きをしてたことなんてケロッと忘れて「子供を預けて働くなんて」などと兼業主婦叩きに転じるか、「金がない」と愚痴をこぼすかのどちらかでしょうね。
自分で何かを変えることができず、煽るかなじるしかできない気の毒な人なのです。
最後に
働きたい人は働き、家にいたい人はいればいい。「自分はこうしたい」と思ってその道を選んだなら、そして本当に満足しているなら、他人のことなんて関係ないはず。
ただそれだけのことなのに、いつからこんなにギスギスするようになったのでしょう。第3号保険と配偶者控除の問題点が取りざたされるようになってからヒートアップしてきたように感じます。
国が決めた制度なら国に直接文句を言えばいい。でもそれができないから、身近にいる専業主婦の悪口を言ってモヤモヤを発散させている。これは居酒屋で上司の愚痴をグダグダこぼして、憂さ晴らしをしているのといっしょです。
やがて年をとれば、今働いている人だってみな「無職」になるというのに。
本当にズレている人とは、いずれ自分が向かうおうとしている道の存在を忘れている人のことではないでしょうか。以上です。
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