知り合いから「失敗は何度でもやり直せるよね?信用を失っても、頑張れば回復できるよね?」という質問を受けました。
出た〜!前向きな言葉をズラズラと書き連ねた、自己啓発本によくある「失敗のない人生なんてつまらない。失敗はいくらでもやり直せる。人生に無駄はない」という常套句。
いるんだよなぁ、こういうおめでたい人。
私は、「失敗の内容による。確かに失敗してもやり直しできるものはあるけれど、たった一回の失敗でも、二度と信用の回復はできないものがある」と伝えました。
そんなことを真に受けて軽率な行動をせず、最初から信用を失うようなことをしないように心がけたほうがずっと賢いです。それが生きていくということです。
この記事ではやり直しができる失敗と、二度と信用の回復が望めない失敗の違いをご説明します。
「記録」勝負なら挽回できる。でも人々の「記憶」だけは消せない
「記録」で勝負するアスリートなら、その後の試合でいくらでも挽回できます。
でもイメージ勝負の人気商売の人(例えばベッキー、のりピーなど)は、イメージに傷がつけば元の立ち位置に戻るのはまず不可能です。
ギャップの大きさは致命的
彼女たちの場合、騒動になった出来事が、それまで売りにしてきたイメージ(清純派とか元気キャラ)とのギャップが大きすぎたこと、変な小細工をしたことが致命傷です。その小細工は「自分を守る」という明確な意思を持ってやったことだから、どんなに時間が経っても”やった事実”よりも”したたかさ”の部分だけが人々の「記憶」に永遠に残るのです。
たった一回の軽率な行為が、安易な判断ミスが、それまでの努力・実績を全て消し去ってしまう怖さ。それは100の事実を言っても、たった1つの嘘で「嘘つき」の烙印を押されるのと一緒です。
某人気グルーブの解散騒動も同じ。飛ぶ鳥を落とす勢いを誇っていたカリスマ的存在のアイドルだって、たった一夜で「裏切り者」の烙印を押されました。
某実力派・ハリウッドスターの不倫スキャンダル。それまで夫婦円満をアピールし、愛妻家の顔を世間に披露してただけに奥さんの病気闘病中というタイミングは、好感度を下げる大きな要因になりました。
こうなってしまうと、その後何をどう頑張っても手遅れです。一足飛びに問題を解決したいと願っても、こんなのは大した問題ではない、自分のせいではないと叫んでも、「イメージ」という実態がないものを売りにしている人ほど再起は難しいです。「記録」は自分次第でどうにでもなるけど、人々の「記憶」はそうはいきません。
自己啓発本は何も助けてくれない
自己啓発本に限らず、巷には前向きな言葉が溢れています。Twitterを見ていても、名言botが数秒ごとに流れてきます。意識高い系のプロブロガーがよく言ってるセリフですよね。
それだけ人は言葉に救いを求めているのです。でもその言葉は、いざという時に助けてはくれません。
その理由は、自分に都合のいい言葉だけをつなぎ合わせているからです。無理にでも自分を安心させてくれる言葉だけを探しているからです。
「失敗は何度でもやり直せるよね?信用を失ったとしても、頑張れば回復できるよね?」なんていうのはその典型。
一見ポジティブな発言に見えますが、実は真逆。自分が問題の本質に目を背けているだけです。
「失敗のない人生なんてつまらない」と、ガータなしのボーリングに例える人もいますが、人生はゲームではありません。仮にボーリングなら落ちたとしてもガーターまでですが、人生は落ちようと思えば奈落の底まで落ちる可能性があるのです。
信用は一瞬で消え失せます。一度失墜した信用を取り戻すには、相手がボケて記憶をなくすまで待たなくてはなりません。それが世の現実です。
「どこの誰が言ったのかもわからない、巷に出回っている無駄にポジティブな言葉を救いのネタにしている限り、未来永劫成長なし!」
上記の理由から私は、冒頭の知り合いに突き放し気味にこう伝えました。
損切りはだいじ
「頑張る」という言葉について、別の記事で私はこう書きました。
「頑張る」というのは賭場の言葉で、まわりに「もうやめろ」と言われても頑なに同じのに張り続けることで、けして良い言葉ではありません。
「もう無理」と思ったら、早めに切り上げることが損害を最小限に留める方法です。
情報源: 新興住宅地にありがちな新築ノイローゼの原因|近所に馴染めず引っ越しを考える人が増加中 | Violet@Tokyo
これつまり「損切り」のこと。それも勇気です。
場合によっては損切りを考えて、全く別のフィールドから出直した方がいい場合もあります。その方がはるかに無駄は少ないし、ずっと有意義です。
もし今、二度と取り返しのつかない失敗をしてしまった。信頼を失ったと落ち込んでいるなら、中途半端な損切り(それまでと同じ場所からではなく)、全く別の場所・誰も知る人がいない人間関係に身を置いての仕切り直しを視野に入れてみてください。それが一からやり直すということです。
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