卵巣がんの疑いがある前提で検査を重ねていますが、それ以外の外出は、寒い時期なので極力控えています。
でも今日は珍しくポカポカ陽気。たまにはチビたちの散歩でもしようかと近所をひと回りしました。
すると他人の行動をよーく見ている近所の暇な主婦がこう話しかけてきました。
「最近ずっと家にいるようだけど、どうかしたの?」
見ている人は見ている、それが近所
家にこもるようになって、まだたったの2週間しか経過してないというのに、なんとまぁ目ざといこと。特に親しくしているわけでもないのに。
でもこれがご近所の目。他人の行動をよく見ている人は見ているものです。そういう人ほど、他人のことをなんでも知っておきたいという気持ちが異常に強いみたいです。だってそれしか興味がないから。
咄嗟に適当にごまかした
このような状況になった時、ご近所に対してどう答えるべきかと迷う方は多いと思います。
もちろん相手は重い病気が隠されているとは知らず、あいさつ代わりに気楽に声をかけてきたのだと思います。
だとしても、私はご近所だからとバカ正直に本当のことを言う必要は全くないと判断し、「ちょっと右腕の筋を痛めて、今はスポーツができないの」と適当にごまかしました。
いくらごまかしても、抗がん剤の副作用が出れば風貌が変わるので、いずれはバレますけどね。
でもね。それが仮に一時しのぎであっても、今はまだ言いたくないんですよ。自分がまだその事実を100%受け入れてないから、というのもあるし、相手が「噂話命」というタイプだから意地でも言いたくないというのが正直なところです。
相手によっては適当にごまかした方がいい
もちろん正直に言うべき相手はいます。仕事の関係など、穴を開けることでどこかに迷惑がかかる場合は、そこに責任があるということですから、それはきちんと伝えるべきでしょう。
それ以外なら本当に心を許して付き合える、かけがえのない人たちだけで十分ですよ。
でも、ご近所ってどうなんでしょう?
相手は本当に心配しているのでしょうか?
そうではないと思います。少なくとも、本当に心配なら偶然会った時についでに質問するというようなスタンスは取りません。
まぁ井戸端会議のネタ欲しさがいいところでしょう。ネタを欲しがっている相手に、わざわざこちらからネタを提供する必要なんてありません。
それか、「あなたを心配している親切な私」を売り込みたいだけかもしれませんよ。自分のためだけにね。間違ってもあなたのためではありません。これを「親切の押し売り」と言います。ご近所ってそういうのが多いんですよ。
言うべき相手は自分で決めていいはず
言うべき相手と、間違っても本当のことを言ってはいけない相手の見抜き方は、相手がどれくらい自分を心配してくれているかにあります。どれだけ腹を割って話せるかというのも大事なポイントです。
理屈抜きの直観で判断した方が確かで、そのあたりは、日ごろの付き合いの中で見抜くしかありません。私はあまりご近所づきあいをしていないので、物理的に近いだけで、心理的には遠い存在と割り切っています。
中には「遠くの親戚より近くの他人」という言葉を信じる人もいますが、私に言わせれば、他人はどこまで行っても他人ですし、今の時代においては特に、そのことわざは過去の遺物だと思っています。
隠したことで、後から「水臭い」と言われることもあると思います。けれど隠された側が、隠した相手に「水臭い」言うのは筋違いです。
むしろ「隠された=その人にとって信頼に値しないのが自分である」と解釈すべきです。
言うか言わないかは人それぞれ
ふとこのような時、みんなはどうしているのかを調べてみました。本当に人それぞれですが、ご近所に対しては隠す人が多いみたいです。
理由は、お見舞いをもらっても、後でお返しが面倒とか、特に親しくしてないのにお見舞いに来られても逆に疲れるといった意見が圧倒的。
となれば、患者側が知らせてもいいと思える相手をリストアップしておけばいいだけの話で、それ以外の人にはバカ正直に答える必要など全くないということ。
それでもしつこく質問してきたら、「今は答えたくない」と、正直な気持ちを伝えればいいと、そんな開き直りの気持ちになりました。
だってご近所が病気を治す手助けをしてくれるわけではありませんからね。
だいいち一番大変なのは患者さんとそのご家族です。そのあたりをくみ取れない人には距離を置くのが正解です。
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