Violet@Tokyo

名もなき毒・心に蛇を持つ女「原田いずみ」は意外と身近に潜んでいる

約5分



TBSで放送されている、宮部みゆき原作の「名もなき毒」にはまっています。

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このドラマは2部構成。私は2部が開幕した6話から観始めました。

2部の内容は、連続無差別の毒殺事件とストーカー女・アルバイトの原田(げんだ)いずみという人がストーリーの軸です。私は毒殺事件より、江口のりこさんが演じる原田いずみに関心がいきました。

「心に蛇を持つ女」


ストーリーをかんたんに。主人公の杉村三郎という逆玉男が主人公です。

杉村は嫁の父親のグループ企業の広報誌編集部に勤務。その編集部にアルバイトで入ってきたのが原田いずみです。

原田いずみは「編集部にいた経験あり」というふれこみで入ってきたのに、全く仕事ができません。注意されれば被害者面。あげく逆ギレして大暴れをする超トラブルメーカーです。

編集部の社員の一人が原田いずみについてこう言います。「心に蛇を持つ女だ」と。

説明しようのない不快な疲れ

私は近所にそんな人がいるので、その言葉の意味がよくわかります。

その人は、一見すればごく普通の人。いや、普通以上かもしれません。華があって社交的で口達者。いつも自信に満ちていて、人付き合いにおいてはソツがありません。

経済的にも恵まれ、暮らしぶりもきちんとしています。「幸せを絵に描いたような人」というのが彼女に関する一般的な印象だと思います。

なのに彼女に関わると、なぜか不快な疲れを感じます。

今から思えば最初に出会ったときから不快な疲れを感じてたと記憶してます。ただその正体が何なのか、当時は全くわかりませんでした。

アンバランスな一面

やがて時間の経過により、彼女の別の一面に気づくようになりました。

知ったかぶりをする。すぐにわかる嘘を平気でつく。それを指摘すると逆ギレをする。人を利用するのが上手い。

他人のことはどんな些細なことでも知りたがるのに、自分のことに関しては徹底した秘密主義。例えば犬を飼っているのに「飼ってない」と言い張り、犬を全く外に出さない徹底ぶり。

また他人が注目されたり他人の評判が上がると、とたんに不機嫌になり、その相手を勝手にライバル視して闘争心をむき出しにします。相手が戦う気などさらさらなくてもです。同様に、自分がやらなかったことを他人がやると(それがどんなに些細なことでも)不機嫌になります。

どうやら自分が常に注目されてないと気がすまないようです。その分だけ、嫉妬深いのでしょう。

他人との関わりは、対等に尊重しあうというものでなく、上か下か、優位か不利か、利用できるかどうかしかないようです。

他人同士が仲良くするのも嫌みたいで、必ず間に割り込もうとします。そういうのを見ていると、大人と子供が同居したようなアンバランスな感じがあり、演技がかった態度が不自然極まりないのです。

世界中の人が鬱になっても、この人だけはそうならないと思わせるしぶとさがあるのに、物凄く小心者という一面もあります。どちらが本当のこの人なのか、未だによくわかりません。

でもその異常さは、原田いずみのように誰にでもわかる単純なものではなく、もっと巧妙です。

なぜなら彼女は、自分をよく見せることにかけてはなりふり構わず、どんな努力でも惜しまないからです。

逆ギレすると蛇の正体を表わす

それでいて信じられないことも平気でします。例えば庭植えの鉢花に飽きると外の公園に堂々と捨てたり、庭の置物なども同様に公園の植え込みの陰に捨てたり・・。

それをうっかり注意でもしようものなら狂気に満ちた凄い形相で「ほっときゃ自然にかえるわよ!」と、とんでもない屁理屈をつけて逆ギレします。

そういう時の顔や雰囲気は、普段の愛想の良い善良な奥さんではなく、ドロドロとした異様な感じです。言葉では上手く言い表せない、ヘンに狂った周波数を出しながら心に秘めた蛇の正体を表すのです。

幸い私は距離的に深く関わらくてすむエリアであり、外に出ていることも多いことから、ご近所づきあいは挨拶程度と割り切っています。

下手に関わると後が厄介との思いからそうしたわけですが、「心に蛇を持つ・・」という言葉ではっとしました。なぜだかわからない、あの不快な疲れの正体は「蛇」だったんだ・・。

物語の中の「原田いずみ」とは明らかに質が違うけど、彼女からも蛇のイメージを感じてたんだ・・。

やはり、距離を置いて正解でした。

わかりやすい「原田いずみ」の方がまだマシ

番組の感想に「原田いずみが怖い」という声が圧倒的に多かったけど、私はむしろこう考えます。

原田いずみのように、あそこまで大暴れして職場の誰もが口を揃えて「おかしい」と納得する方がまだましです。

身近に潜む「原田いずみ」タイプの人たちは、あそこまで露骨ではない分だけ厄介です。

どこにでもいるごく普通の主婦・善良な一般市民の顔をして、心の中では舌をチロチロ出しながら獲物を狙う。獲物を見つけたら、誰にもわからない方法でじわじわと相手を消耗させます。

その手口は、状況限定・相手限定だから、周囲にはわかりづらいのです。また自信に満ちた強気の言葉や強気な態度は、誰かに寄りかかりたくてしかたない人にはとても魅力的に映ります。

だから嫌う人もいるけれど、神のように崇拝する人もいます。”信者”を集めて取り巻きを作る才能は天才的です。一見人気者に見えるから、周囲にはわかりにくいのです。

強烈なハブのような毒を持つ番組上の原田いずみと、近所の隠れ蛇おばさん・・。

果たしてどちらが怖いんだろう・・。どちらにしても、関わらないのが得策です。

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