愛犬家のみなさまにとって、とてもショックな研究結果が以下の記事。
参照元: えっ本当!?8割の犬はハグが嫌い(研究結果) | ガジェット通信
犬は抱っこがイヤではなく、拘束されるのがイヤなだけ
うちの犬はスキンシップがダイスキです。
Stanly Coren博士が言うところの「なでたり、優しい言葉をかけたり、おやつをあげたりするだけ」では物足りないご様子で、夏の暑い時でもこちらが「来なくていいよ」と言っても、少しでも体が離れると、いつの間にか自分からくっついてきて、やがて満足げな顔をしてウトウトし始めます。
うちの犬に限らず、家庭で飼われるペットの多くはきっとこんな感じではないですか?
好きだからこそ体を密着させたいのは、人も犬も同じこと。
つまりは抱かれるのがイヤなのではなく、ギュッと拘束されるのがイヤなのです。
時代遅れの訓練法、それがマズルコントロールとホールドスティール
そこで思い出すのがマズルコントロールとホールドスティール。
人間側が愛情表現のつもりでハグしても、犬はそれを嫌いだというのなら、マズルコントロールやホールドスティールなんて、もっともっとイヤなんだろうなぁと感じます。
犬のしつけというと、「犬の服従本能を強化するためには必ずこの二つが必要だ」と力説する人がいますが、全くのナンセンスです。
いまだにこんな時代遅れな訓練法を推奨する訓練士がいるとしたら、自ら勉強不足を露呈しているようなもの。お金を払うだけ無駄です。
また飼い主側も、何の疑いも持たずにそれを実践するなんて、愚の骨頂もいいところ。
「犬を飼うなんて一万年早い!もっと勉強せぇ」
私は愛犬たちに対して、これら二つの行為を一度もやりませんでした。
なぜならこれらは犬の心に傷をつける行為だと思っているからです。
マズルコントロールに関しては以下に記述しています。
そこで今回は、ホールドスティールがなぜ必要ないのかを、犬に代わって代弁してみます。
ホールドスティールは犬にとっては不快でしかない
まず以下の動画をご覧ください。
冒頭のシーンからご褒美の使い方やコマンドのかけ方や褒め方などが適切ではないため、あまり犬のことを勉強されてない飼い主さんだとわかります。
この時の犬の表情にご注目。
首に両腕を置かれるのは犬にとって脅威で、“この不快な状況から逃れられない”という意味に捉えています
情報源: えっ本当!?8割の犬はハグが嫌い(研究結果) | ガジェット通信
・耳が下がっている
・半月状に白目が見えている
・目を閉じている
・目を合わさないよう頭を反対側に向ける
・くちびるをなめている
情報源: えっ本当!?8割の犬はハグが嫌い(研究結果) | ガジェット通信
かわいそうに…。
ホールドスティルをされている犬の表情には、上記5つのストレスサインが顕著に表れています。
だからこそ、「よし、OK」と解放された最後のシーンで、犬はブルッと体を震わせたのです。
他にも手を舐めようとする、前足を突っ張るといったシーンもありました。
これらはともに「大きなストレスを感じました」という犬のカーミングシグナルです。
それだけではなく、嫌なことをされても犬は精一杯我慢しているのに、ほんの少しでも動こうとすると、何度も「NO」と繰り返し叱っている。
これではきっと、何に対して叱られているのかさえ伝わってないでしょう。犬は「どうしたらいいの?」と混乱したに違いありません。
犬の世界にない人間の理屈を犬に押し付けても意味はない
人間流のマズルコントロールと犬流のマズルコントロールには大きな違いがあります。人間が行うのは犬を力づくで押さえつけるためのもので、人間が一方的に行っています。一方犬同士はどうかと言えば、とても平和的に行っていますし、一方通行ではなく、子犬の方から母犬に対して歯を当てています。少なくとも力を見せつけるための、上下関係を確認するような行為には見えません。
情報源: 犬のしつけのかんちがい~マズルコントロールで主従関係は作れない | Violet@Tokyo
前回、マズルコントロールの記事で、私はこのように書きました。
これはホールドスティールでも同じことが言えます。
犬社会ではどうかと言えば、無邪気にじゃれあって、母犬にゴローンとお腹を見せることはあっても、一方的に体を押さえつけ、「1、2、3」と数を数える儀式なんぞ存在しませんし、背後から抱きかかえるということもしません。
「犬はハグが嫌い」というのも、ハグは犬の世界には存在しない行為だからストレスになるのです。
犬に教えることはたった3つ「楽しさ・安心感・ワクワクする期待」だけでいい
犬と飼い主にいちばん必要なのは、力づくで上下関係を叩きこむことではなく、信頼関係を作ることです。
「この人と遊ぶと世界一楽しいことが待っている!」
「この人に褒められると世界一幸せ!」
「この人は何があっても自分を守ってくれる!」
マズルコントロールやホールドスティールなんてどうでもいいから、ふだんの生活の中でこの3つをしっかりと教えてあげるべきです。
具体的に言うなら、犬がどんなに疲れていても、ひとたび飼い主が遊びに誘えばよだれを垂らすくらい狂喜乱舞する。「おいで」と呼んだらわき目もふらず一目散に走り寄ってくるような関係が最高。
そうなれば、犬は間違いなくあなたを本物のリーダーだと認め、常に注目し続けるでしょう。
最新情報をお届けします
Twitter でvioletをフォローしよう!
Follow @violet2005