長男夫婦と同居することになった知り合いがリフォームを開始。
といっても長男がそれまで使っていた部屋の壁紙を変えたり、トイレや洗面所を新しくする程度の簡単なリフォームだそう。
「どうせリフォームするなら、玄関別、キッチンも風呂も完全分離型にすればいいのに…」と思ったわけですが、それは大きなお世話なのでグッと心に留め、笑顔で「それは楽しみですね」と、無難な回答をした私。
いくら長男と結婚したとはいえ、建坪30坪程度のさして広くもない家に、他人同士が同居する…。結論から言えば、同居がうまくいくかどうかは人によります。でもその人に限っては、前途多難だなと思いました。
安易な同居は不幸の始まり
私の周囲を見わたす限り、そのような住環境で「同居して本当によかった」と言っている人はほぼ皆無です。表面的にはうまくやっているように見えても、一歩踏み込んで本音を聞くと、互いに抱えるストレスは相当なもの。
そういった例を見るにつけ、他人同士が顔を突き合わせて暮らす難しさを感じるのです。
中には同居を解消するために持ち家を売却した人もいます。その結果、高齢の母親は現在6畳一間のアパートで一人暮らし。
「長男だから同居して親の面倒を見るのは当然。それが最大の親孝行で、ちゃんとそれをやってくれる息子は私の自慢の息子」という、そんな昔ながらの価値観に対して何の疑問も持たず、安易に同居に踏み切ってしまうと、このような最悪の事態にもなりかねません。
同居するなら双方にとって実りのあるものにしたいですよね。もし結婚相手が長男で、将来同居の可能性がある場合、どんなことに気をつけたら義理親との同居がうまくいくのでしょう。
結婚は独立した別世帯になるということ
長男(夫)にしてみれば、それまで住んでいた家だから自分の家。義理親だってそう。自分たちが建てた家だから自分の家。ひとつ屋根の下で家族として暮らす以上、親子関係もこれまでどおり。そこに”他人である嫁が来る”程度の意識でいると思うのです。
昔ながらの家制度の擦り込みですね。「あらゆる人智の中で結婚に関する知識が一番遅れている」なんて言葉もありますが、これではいつまで経っても妻はよそ者であり新参者。そして、これこそが全てのトラブルの原因です。
いくら同じ屋根の下に暮らしたとしても、結婚すれば独立した別世帯。結婚は親からの自立であり、子からの自立でもあるのです。その意識を双方が常に持っていないと、何らかの軋轢が生じます。
「家族だから当然」には要注意
別世帯である意識が欠如している人は、なんでもかんでも家族だから口出しするのは当然と思いこみ、古い時代の考えを平気で押し付けてきます。子供のしつけや夫婦のプライバシーに干渉してくるなんてまさにその典型例。
いくら家族であっても「当然」と思うモノサシは人それぞれという、そんな簡単なことにも気づいてない。
こういうタイプはたまに会う分にはいいかもしれません。でも同居などをきっかけに、物理的な距離が近くなると、持って生まれた本領をいかんなく発揮するので要注意です。
スープが冷めない距離でもこんな例があるくらいですから。
プライベート空間だけは確保すべし!
これがまだひとつ屋根の下ではなく、二つの屋根の下なら(同じ敷地内に別棟を建てるスタイル)にすれば、「違う世帯」という境界線を目に見える形で明確にできるのですが、それを実現するためにはそれなりの土地の広さが必要になります。
また冒頭に書いたような、玄関別・キッチン別という二世帯住宅のスタイルにしたって、それなりの広さは必要。都市部では難しいですよね。
そのため今回のような狭い家での同居に際しては、プライベートを確保するために、ちょっとした一工夫が必要になってきます。
どんなに小さくてもいいからリビングとしてくつろげるスペースの確保は必須です。具体的に言えば、飲み物が入る程度の小さな冷蔵庫やテレビくらいは最低でも部屋に用意しておきましょう。
一人の人間としての時間を作る
○○さんの奥さんでもなく、○○家の嫁さんでもなく、○○ちゃんのお母さんでもない、一人の人間として活動できる、外での時間帯を作りましょう。
これは同居してる・してないに関わらず、どんな女性にも必要な時間です。仕事や趣味など、自分の世界を広げることで得られるメリットは計り知れません。
人間だからこそ、自由な時間は絶対に必要なのです。
まとめ
つらつらと書いてきましたが、ざっくりまとめると、狭い家ほど互いに顔を突き合わせる時間を極力減らせということです。
いいお嫁さんになろうではなく、まずは自分が将来どう生きていきたいかを第一に考えていかないと、いい結果なんて得られません。
○○家に嫁ぐのか、○○さんと結婚するのか。同居だけが真の親孝行なのか、親孝行するために結婚をしたのか。妻になるのか、嫁になるのか。なかなか口には出しにくいお金の問題。これだって、なあなあにしてはいけません。
「恋愛と結婚は違う。結婚は家同士」と言われていますが、それは大昔の話。基本は本人同士です。
もし現在同居話が持ち上がっていて、もしほんの少しでも迷いがあるのなら、一度結婚の原点をしっかり見つめた上で、そして、同居のメリット・デメリットをシビアに天秤にかけて、同居する・しないを決断してみてください。以上です。
最新情報をお届けします
Twitter でvioletをフォローしよう!
Follow @violet2005