Violet@Tokyo

あまりにも離婚を正当化しすぎじゃない?

約6分



私の頭が固いのでしょうかねぇ?

あ、先に断っておきますが、夫婦間のことは外から見えない部分もあるし、離婚そのものを否定しているわけではありませんよ。それもひとつの立派な生き方。他人が口出しする問題でないことも熟知しています。

ただ「私たちは離婚したから子育てのパートナーになれた」「親の離婚は、子どもにとっても必ずしも悪いことばかりじゃないようにも思える」という「離婚のメリット」みたいな記事を読むと、なんとも言えない違和感を覚えるのです。

私の姪も離婚しています。でもそんなことはひと言も言いません。良いも悪いもなく、一切の言い訳もせず、日々粛々と、ただ粛々と、自分が選んだ道を歩むのみ。だって自分の選択なんだから、他人にイチイチ言い訳や正当化なんて、する必要ないでしょ?

子供の本音は?


上記も含め、「今は3組にひと組は離婚する時代。離婚なんて珍しくない」というのは離婚を選択した当事者側の言い分。というより自分や世間に対する言い訳。誰だって、自分の選択は正しかったことにしたいですからね。

でも子供はどうでしょう?

親は離婚が前提だから「パパと暮らすかママと暮らすか」という二つの選択肢しかありません。「子供の自主性を尊重して」というキレイごとの裏で、「仕事と私、どちらを取るの?」みたいな、比べうようのない残酷な選択をさせているとは思いませんか?

DVや育児放棄など、一緒に暮せば命の危険があるとか、子供の方から「こんな親、いらない」という場合以外は、どんな時代であっても両親には仲良くしてほしいと願うのが子供の本音ではないでしょうか?

だけどその本音も言えない、子供は事実を受け入れるしかない。それが親の離婚です。

きれいな離婚なんてあるの?

最近では芸能人の離婚会見などで、やたらに円満離婚を強調しているように見受けられます。

「憎み合って別れるんじゃない」

「前向きでポジティブな離婚!」

「お互いのため!」

よーく覚えておいてくださいね。これは離婚時の言いわけの常套句です。もっと言えば、別れたいと思った側が吐くセリフです。

こういうことを言う人ほど、なによりも自分が可愛いというタイプです。しかも自分を飾り立てることに必死なため、嘘をついている実感が欠落してすま。だから厄介なのよ。

でもね。ドロドロした離婚はあっても、キラキラした離婚なんて、ほぼありませんから!
キラキラしてたら別れませんから!
言い訳や正当化をする時点で、その人自身が後ろめたさを抱えてる証拠ですから!

同様の記事があるのでリンクを貼り付けておきます。
なぜ私がこんな風に感じるのか?

それは、母方のいとこたちの存在が大きく影響しています。

母に置いて行かれたいとこ

私の母は自分の兄を毛嫌いしています。なので付き合いは全くなし。

この兄さんというか叔父さん、いわゆるどこの一族にも一人はいるお騒がせ男。それに嫌気がさして、当時の奥さんは(いとこたちの実母)外に男を作ったそうな。そして二人の子供を置いて離婚。

いとこは何十年経った今でも、その日のことを鮮明に覚えているそうです。

「小学校に入ったばかりの頃、学校から帰ったら、”私を産んだ人”はよそ行きの格好をしていて、『どこに行くの?』って聞いたけど、”あの人”は黙ってたの」

「それで不安になって泣きながら『私も連れて行って』って何度も頼んだけど、手を振り払って私と弟を置いて出て行ったの」

「振り払った手の感触と、去っていく後ろ姿は忘れない」

もういとこの中では母ではなく”私を産んだ人”とか”あの人”という位置づけ。だから彼女にとっての実家は、生まれた家ではなく、母の妹の家が実家だと言います。

「事なかれ主義」という罪

なんで私の母が自分の兄を嫌ったかといえば、後妻を迎えたことに関係しているみたい。

後妻はいとこたちをずいぶんイジメたそうです。夫婦に子供ができてからは特に。

叔父はそれを知ってて見て見ぬフリ。母はそれを怒っていたのです。

叔父にしてみれば最初の女房に逃げられ、先妻の子が原因で次の女房とも家庭不和なんてことになったら目もあてられないということで、後妻には頭が上がらなかった模様。

事なかれ主義(主義までいかない、臭いものには蓋だな)は、幼児虐待の温床だ。おかしいものをおかしいと言えない、ズレた感覚と歪みがある、それがこの叔父。

そしておかしいものをおかしいと言う母に「何も知らないクセして、人の家庭に口出しするうるさい妹」というレッテルを貼る、そんな人。

だからといって、外に男を作った生みの母について行っても幸せとは限らない。

その手の人種の末路はおうおうにして悲惨。それは火を見るより明らかです。

だから共倒れになる必要はありません。

でもいとこがその日のことを今でも鮮明に覚えているということは、それだけ心に深い傷を負った証拠です。

中学卒業までは近くに住む母の妹がいとこ達の面倒を見て、下の弟の卒業を待って二人は山形から上京。

しばらくは私の実家にいました。ほどなくして横浜に住む私の父の弟が経営する会社に社員寮が完成したことを機に正式入社。

その後、貿易会社を経営する現在のご主人と結婚したというワケ。

結婚を決めた時も、「家柄が違いすぎる」と母は心配していましたが、全てを理解して受け入れてくれたのが今のご主人です。

親になったからこそ「わからない」と言う

やっと幸せを掴み、子供が生まれて、我が子がこれほど可愛いということを実感したいとこは「なんで”あの人”は私たちを置いて行ったんだろう?」と、よく言います。

「子供が痛いと私も痛い」とも言います。「だから私には”あの人”の神経がわからない」と言うのです。

“最後の日”を堺に二度と会うことはなかったそうです。まぁ、まともに合わせる顔なんてないんだからあたりまえか…。

でももし会うことがあるなら「母親のクセして、なぜ男を選んで子どもを捨てたの?」という、このひと言だけはどうしても聞きたいと言います。軽蔑の気持ちがそれだけ強いのでしょう。

会社経営者の妻として高級住宅地に暮らし、今がどんなに幸せでも何十年経ったとしても、親の離婚が深い傷になっていることを彷彿とさせるエピソード。

最後に

今は誰もが「自分の人生、自分の好きに生きればいい」と言います。基本私もそう思っています。子供のために我慢する時代じゃないし、そう言われ続けたら子供だって負担になるでしょう。こんな昔話を例えにしたところで「今は違う」となるでしょう。

でもせめて、どんな時代でも非力な子供はその裏で我慢を強いられている事実、それはずっと変わってないという事実からは目を背けてほしくないし、必要以上に美化したり正当化してほしくないと思うのです。メディアを発信する者としては特に。

もっと言えば、離婚してからいいパートナーになるのではなく、いいパートナーになってから子供を設けてくださいよとも思います。動物じゃないんだからさ。と言うか動物の方が、自分目線で下手なキレイごとを言わないだけはるかにマシかもね。以上。

 

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