昨日はずっと半沢直樹を見ていました。今は便利な時代で、放送を見逃しても無料の動画サイトがあるからそこで1話から全て見れちゃう。
いやいや、それにしても半沢直樹は面白いです。
「やられたらやり返す、倍返しだ!」
もう、痛快!!
縦社会。「上司の失敗は部下のもの、部下の手柄は上司ものもの」という図式は、何も銀行だけではありません。
いろんな場面で理不尽なことに遭遇します。でも実生活ではなかなかそこまで言えません。口から出かったその言葉を、グっと呑み込んで自分を納得させていくしかないのが実情です。
けれどそれを代わりに言ってくれて、その言葉どおりに悪い奴らを蹴落としてくれる半沢直樹に、心から拍手を贈りたくなるというこの気持ち・・・。だからこれだけの共感を得たのだと思います。
ふと、昔の両親のことを思い出しました。
家族団らんの夕食の時間にプロレスが始まると、それはもう母は大変でした。
外人の悪役レスラーを、ジャイアント馬場やアントニオ猪木がバッタバッタとやっつけてくれます。
そんなシーンになると、母は興奮して「やっちゃえー!」、「そこだー!」と、体を動かしながら観戦していました。
もう食事どころではありません。茶碗と箸を持っていることも忘れてしまうほどの興奮っぷり。
普段は口数の少ない控え目でおとなしい母です。それがなぜ、プロレスになるとあんなに豹変するのでしょうか?子供だった私にはその理由はよくわからなかったけど、今になるとこう思います。あれはきっと戦争経験者だからかな?なんて・・。
母が戦前に受けた教育は、アメリカが悪だった、となっています。
プロレスが流行った時代は、まだその教えが母の意識の底では根強く生き残っていたはずです。
今まで黒と言われてたものが、ある日を境にいきなり白と言われても、頭ではわかっていても心では追いついてこないはずです。
敗戦という悔しさと、その後の生活の苦しさを味わった人間にとっては、外人をやっつけてくれる、というだけでヒーローです。
それが証拠に、時代の流れと共に、母のプロレス観戦はおとなしくなっていきました。アメリカに対するイメージが和らいで、好意的になっていったからでしょう。
私なんて倍返ししたいと思っても、むしろ「踊る大捜査線」の和久さんの言葉の方がしっくりきます。和久さんが青島君に言ってたあの言葉。
「青島、正しいことをしたかったら偉くなれ・・・なんてな・・」
自分の立場がこの位置なら、今はこれを言っても無駄。言えるようになるのはもっと偉くなってからだという、諦めの気持ちがまず先に立ちます。
でも、今、倍返しはできなくても、いつか言える日が来るはずだという期待もあります。
だからそれまでは、長い物にはとりあえず巻かれておけ、という処世術と、密かな野心を抱いています。
私だけではなく、多くの人にとってもそれが現実ではないのでしょうか。現状認識だって大切なんだから。
もう一つの見どころは、社宅の女の世界です。こんなところにだって縦社会があるんだから・・・笑えます。それに、よくわかります。
いやいや、本当に面白いです。できたらシリーズ化して欲しいものです。
今からこんな不安が頭をよぎります。あまちゃんと半沢直樹と名もなき毒が終わってしまう9月末、私はきっと心にぽっかりと穴が開くでしょう。
更にこれは余談。菅野美穂は類まれなあげまんらしいです。独断と偏見に満ちた勝手な想像ですが。
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