寒い今日は、心がほのぼのとする話をお届けします。一昨日、Twitterで盛り上がった話題がコチラ。
あさイチで「特技を売るサイト」趣味で絵を描く主婦が登録し、クライアントから「プロに頼むと3万円かかるイラストを2500円で済んで良かった」とコメント取りしてて、これあかんやつや、と。
— モトイチ (@motoichi561) November 19, 2017
NHKのあさイチで、「絵が趣味という主婦が、空き時間を利用してお小遣いを稼いでいます。プロに頼めば3万かかるけどアマチュアに頼めば安く上がりますよ」という内容を紹介していました。
プロのイラストレーターから非難轟々
番組の意図は、お得情報として取り上げたのでしょう。
しかしこれにはプロのイラストレーターたちから「業界の価格破壊だ」と非難ごうごう。
お気持ちはよーくわかります。でも価格破壊はどの業界にもつきもの。
「厳しい」と叫ぶイラストレーターの声を、「もし私の父が生きてたらなんて言うだろう」と、想像しながら読みました。(下記の記事の最後にチョロっと書いている人物が私の父です)
私の父なら間違いなくハゲ頭を真っ赤にしてこう言うね。「厳しいだの大変だの言うのは誰でもできる!
それを言って売上げが上がるならなんぼでも言え!
この世に厳しくない商売なんてあるのか!?
甘いこと言ってるんじゃねえ!」
父は厳しい時期にも、けして「厳しい」という言葉は吐きませんでした。「今は歯を食いしばって耐える時期だ! みんなで一丸となって耐えることも必要なんだ」としか言いませんでした。
でいながら夜中にたったひとり、泣いてることもありましたよ。
「厳しい」という言葉はネガだ。それを口にした本人が、その言葉に縛られてしまう。無力感を感じてしまう。父はそれを知ってたからこそ、従業員の前でその言葉を封印してたのでしょうね。
と、これはあくまでも父の思い出話。イラストレーターの皆様に言ってるわけではありませんので、あしからず。
価格破壊はどの業界にもつきもの
私がいた美容業界だって、5000円以上するカットもあれば、1000円カットの店もある。カットをするのはいずれも国家資格を持ったプロの美容師。なのに店によってこれだけの差があります。
イラストに限らずクリエイティブな仕事は、アマとプロの境目が微妙なラインだからユーザーには分からないことが多いから、手元に届く質が大して変わらない安価な方が当然いい。何を持ってプロなのか、示していかないといけないのだね。
とあるように、何をもってしてプロと言うのか?明確な規定がない世界(特に資格がいらないという意味)では、今後こういった問題はどんどん表面化してくるでしょう。
どんなビジネスだって需要と供給が結びつけば商談は成立するのです。安さを求めるユーザーはとことん価格で選ぶし、そのようなユーザーは、もっと安い価格があればそれに飛びつく。その流れに危機感を覚えたなら、生き残るために自己の売りを考えるしかないのです。
と、なにもイラスト業界や価格破壊について語りたいわけではありません。
壮大な前置きはここまで。ここからが本題です。
そもそもプロってなんだよ?
イラストレータの件で言えば金額の高い・安いに関わらず、金銭の授受が成立し、顧客が満足すれば、片手間の趣味であっても資格がなくても、捉えようによっては「プロ」ですよね?
つまり、「プロ」と名乗ればいくらでも「プロ」になれる。そういう世界はゴロッゴロある。それはブログ界隈も同じ。
ここ最近「プロブロガー」と名乗る人たちが増えています。「ブログで生計を立ててる人がプロブロガーだ」との主張も知ってます。
それでも私はかねがね、何をもってプロブロガーと言うのか?ごく一部の人たちを見て、ずっと疑問に感じておりました。
どんなに軽薄でも儲けが全て。書き手の文章力の技量より、見せかけの読みやすさが是となる世界。ということは、プロと言いつつ肝心の技術は不要ってことなのか?みたいな違和感。
「今月はいくら稼ぎました。来月も頑張ります」という報告で読者を引きつけて名を売れば、それに飛びつくお仲間や読者が「参考になりました。素晴らしいです。これからも頑張ってください」というヨイショが正義で健全。「それ、おかしいだろ」という意見は悪とされる世界。
挙句、「おかしいと思えば読まなきゃいいだろう」みたいな正義を気取った勘違いの代弁者まで登場する。で、それをバックボーンにつける…。
だから決め台詞が「フォロワー何人」てことになるのかな?私にはわからんけど。
プロと名乗りながら、これは近所のママ友の井戸端会議で繰り広げられる同調圧力となんら変わらないだろうと、常々感じておりました。
関係性を重視して偽善のいい人像を保つのは、人間社会ではあたりまえの処世術。どんなに歪んだコミニュティに属してもよくある話だから、疑問は感じるけどしかたないとも言える。
でもせめて、プロと名乗るからにはそれ相応のクオリティを、私も含めた読者に提供してほしいと願うのは私のわがままなのだろうかと感じる今日このごろです。
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