11日から始まったリオ五輪のバドミントン。
女子ダブルスと女子シングルスは連日快進撃を続けていますが、15日の準々決勝で、男子ダブルス早川賢一・遠藤大由ペア(世界ランク8位)が、イギリスのペア(世界ランク22位)に敗れ、ベスト4進出はなりませんでした。
最高のスタートを切った中国戦とインドネシア戦がすばらしかっただけに、本当に残念。
オリンピックとなればどうしてもメダルを獲得した選手に脚光が当たるけど、私はこの二人の健闘を称えたいです。
怪我という予期せぬアクシデントに見舞われながらも、できる限りの力を出し尽くして精いっぱい戦ったのですから、どうか胸を張って堂々と日本に帰ってきてほしいです。
早川選手を襲ったぎっくり腰
13日の午前練習でぎっくり腰を発症した早川選手。その後に行われた同日のインド戦。歩き方も腰をかがめるような不自然な姿勢だったので、立っているだけでもつらかったはずです。
前後の動きが全くできず、打ち方も体が入ってないから手打ちになっている。だから威力がないし、コースも不安定。
レシーブもそう。堅実なレシーブ力を誇る早川選手にとって、いつもなら取れる球でも足が止まっている。彼のレシーブは単なる守るためのレシーブではなく、次の攻撃につなげるレシーブなのに、それが全くできてない。
結果、勝てるはずの相手にストレート負け。その試合を落としても、予選通過1位で準々決勝進出は決まっていました。しかし問題は、次に控えた準決勝です。
二日あったので、腰のケアに努めたと聞きました。それでもやはり本調子ではないのは一目瞭然。けれどインド戦よりはるかに上向いていました。
ゲームカウント2-0で負けたとはいえ、第一ゲームは19対21。第二ゲームは17対21と、インド戦から思えば決して悪くない内容てす。当然相手も早川選手の怪我を知ってますから、徹底した早川狙いという戦法に打って出ます。でもよくしのいでいました。さすがです。
厳しい状況の中、遠藤選手のカバーも素晴らしかったです。早川選手が前衛で決められるような球送りをしているのがよく伝わってきました。
だからこそ「せめてあともう一日あったら…」と、思わずにはいられませんでした。
実力が及ばなくて敗れたのではなく、怪我に敗れたのです。それにより全力を出せなかったことが悔しかったと思います。どれほど日本にメダルを持ち帰りたかったことでしょう。そう思うと、自然と涙が溢れました。
互いにかばい合う姿が印象的
試合後の早川選手が涙で顔をくしゃくしゃにして、押さえきれない感情を吐露していました。
「応援してくれているみんなに申し訳ないけど、今できることはすべてやったと思う」
「パートナー(遠藤選手)にも申し訳ない」
すると遠藤選手は「自分がしっかりしなければいけない場面で、簡単なミスをしてしまい、そこがだめだったと思う」と、早川選手をフォロー。
またチームメイトに対しても「自分たちの練習を犠牲にしてまでスパークリングにつきあってくれた」と、感謝の気持ちを明かしていました。
「本当にこの二人は良いペアだ…」
責任感と正義感の強い早川選手と、実直で誠実な遠藤選手。
お二人のコメントにも、そんな人柄が出ています。
早川選手とのツーショット写真を公開!
実際に何度かお会いしたこともあるけど、とても礼儀正しい好青年。気さくに写真撮影にも応じてくれます。バドミントン選手って、本当に感じのいい人ばかりなんですよ。
写真を見れば、ほら、この顔つきでよくわかるでしょう?
基本、彼らはとても真面目です。真面目だからこそ、ここまで上り詰めたのです。真面目だからこそ、ジュニアから今には至るまで、ただひとつの道を極めてきたのです。
写真の一番上は昨年の全日本総合。その下2枚は2014年の日本リーグ。遠藤選手や上田拓馬選手をはじめ、ユニシスのメンバーも勢ぞろいしています。
この時早川選手は「全日本総合の後、ドバイのスーパーシリーズ・ファイナルに行きます」と言ってました。
それで思い出されるのが桃田選手。男子シングルスで初優勝した桃田選手は手にした賞金を「派手に使いたい」と言ってましたが、その結果がアレですからね…。
あの事件によってすっかりイメージを悪くした男子バドミントン。
「だからこそ、自分たちがメダルを!」との思いが今回のオリンピックでヒシヒシと伝わってきました。メダルを取ってあの悪いイメージを払拭したかったに違いありません。
この二人も4年後には34歳。年齢を考えるとちょっと厳しいかもしれませんが、この口惜しさを次の東京五輪で挽回してくれたらと願わずにはいられません。
本当にお疲れさまでした。素晴らしいプレーでした。まずはゆっくり休んでください。
今後も応援し続けます。
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