一日の大半を過ごす職場に嫌いな人がいると、ストレスたまりまくりですよね。
そのストレスは、嫌いな人と接しているからだけではありません。
小学校の道徳の教科書に出てくるような、「人を嫌うのは良くないこと・どんな人にも長所があるからそこに眼を向けるべき」といった、いい子ちゃん的な「べき思考」も要因のひとつです。
結論から言えば、そんなくだらない「べき思考」は今すぐ捨てること。
「友達100人できるかな」という年齢をとうに過ぎた、自我が確立した社会人なら、好き嫌いはあってあたりまえです。
さてそれらを踏まえてこの記事では、職場にいる嫌いな人への気持ちのコントロール法について考えていきます。
ストレスは歪み(ひずみ)の集大成
人に相性がある以上、嫌いな人・苦手な人はいて当然です。むしろ自分の心を偽って無理を重ねるのは、ストレスを増幅させる大きな原因です。無理には限界があります。
相手を人と思うから「嫌う」ことに対する罪悪感が生まれるので、例えをゴキブリにします。
ゴキブリに対しては、「生理的にイヤ・無理なものは無理・見ただけでゾッとする・私の前に現れないで」といった印象がありますよね。
常日頃、虫も殺さない顔をしている人だって、「命を大切に」なんてきれいごとを言ってる人だって、目の前にゴキブリが登場したら「キャーッ」となって殺虫剤片手に格闘するはずです。
これは自然な反応です。むしろ「私にだって欠点があるようにゴキブリにだって欠点はある。だから悪いところを見るのではなく、長所を探さなきゃ」なんて言っている方が不自然極まりないと思いません?
嫌いなゴキブリを目にしてストレスを受けているのに、さらに大人のフリできれいごとを重ねるから歪みが生じるのです。
無理に苦手を克服しようとするからストレスが生じるのです。
ストレスは「歪みの集大成」です。
苦手はあってもいい
どこの誰が作ったのかもわからない道徳に当てはめて、「人を嫌う私は悪」と考えるのは無意味。「誰にだって苦手なものがある」と、自分に対しては正直であり続けてください。
心は自由 !まず苦手を認めること。自分主体主義に徹すること。
これだけでストレスはいくらか減ったはずです。
心と頭を切り離すクセをつける
しかし社会人としての立場で考えれば、職場でそういった感情をあらわにするのは考えもの。それはただの公私混同です。
やはり職場では、「苦手」という個人的な感情に対して「ここは職場・これは仕事」という頭の切りかえが必要です。
割り切ることがたいせつ
ストレスは、期待を裏切られたときに生じるものです。100%、好きな人だけに囲まれて仕事ができるなんてありえないと、職場に対して最初から甘い期待をしないこと。
「職場はお友達ごっこをする場ではない。私的な好き嫌いと仕事は別物」と割り切るしかありません。ボランティアってわけじゃない。それも含めての賃金ですから、職場はお金を得るための場所と割り切ることがたいせつです。
そのためにはどんなに苦手な人にでも、基本的な作法──挨拶や業務連絡──だけは感情を挟まずにしっかりする。ただしそれ以外の仕事とは無関係のおつきあいには一線を引くなど、社会人としてのルールに照らし合わせて、自分の心が折り合うボーダーラインを作っていくしかありません。
私はこのような状況になると、「この人が家族だったら大変 ! 職場だけの付き合いでよかった」と、最悪を想定してから「それよりはまだマシ」という感じで気持ちをコントロールしてきました。あとは慣れです。
慣れてしまえば徐々に無関心になっていくものです。
そうなればしめたもの。その人が何をしてもさほど気にならなくなります。
良いところ探しなんて無意味
むしろ「どんな人にも長所はあるからそこを探そう」と、苦手な人に注目し続けることの方がストレスになります。
好きな人の良いところ探しなら誰にでもできます。でも苦手な人の良いところ探しはむしろ逆効果です。苦手意識があるうちは、心は否定から入っているわけですから、インプットするデータだって自分の心にマッチしたマイナスのデータだけを選り分けます。当然、エクボはアバタに見えてしまいます。
なので良いところ探しをするなら、好きも嫌いも通り越して無関心になってからの方が、より客観的で正確なデータが入手できます。
- 無関心になれるまではジタバタせず、不快に感じないパーソナルスペースを探る
- 苦手を克服しようとするのではなく、気にならない距離まで離れる
- 感情と理性との折り合いをつけることに慣れていく
- 職場では仕事以外の私的な感情を切り離し、仕事は仕事と割り切る
- 苦手な人にこそ礼儀正しく振るまい、他人行儀に徹する
これが職場にいる苦手な人への対処法です。
そしてこれがもっとも大事。相手に過大な期待をしないこと。
異種のイキモノと思えば腹も立ちません。ここだけの付き合いと思えば腹も立ちません。
嫌いな気持ちを受け入れた上で、その執着を手放すことがたいせつです。そうやって気持ちと理性をコントロールするのが、生きる術でもあるのです。
最後に
今回のエントリーは長い時間を過ごすという意味で便宜上”職場”という設定にしました。
しかし人間関係のお悩みは、地域や趣味のサークル・学校など、場所の違いがあっても根本的にそう大差はありません。違う場所でも同じことが言えます。
苦手な人には「良いところ探し」ではなく、「良い距離探し」をしていきましょう。以上です。
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