巷を騒がせている日大アメフト部のコーチと元監督が、昨夜記者会見を開きました。
せっかくマスコミの前に出てきたなら、もう少し上手に嘘をつけよと。この人たちは恥の上塗りをするために、ノコノコと会見の場に出てきたのかと。そんな感想を抱きました。
これに関してはいろんな人がいろんなことを言ってるので詳細は割愛しますが、この会見を見て、嘘をつく人はなんでこうも支離滅裂になるのかと思いました。その考察を記事にします。
この場をうまく乗り切ることしか考えてない
自転車に乗れない頃を思い出してください。練習している時、こぎ始めはフラフラします。
そうなる理由は視界が狭いからです。”目の前”しか見てないから周りが見えないのです。
遠くを見れば安定するのに、初心者ゆえの余裕のなさに加え、転ぶ恐怖があるから力が入ってよけいフラフラしてしまう。——嘘まみれの言い訳もそれと同じだと思いました。ここで言う”目の前”とは、今、この場を乗り切ることだけ。自分の立場を守ることだけ。それしか考えてない状態を指します。逆に言えば、それだけ余裕がない証。
前にミエミエの嘘をつく人が不思議でたまらず、こんな記事を書きました。
もし視線を遠くに持って行けば、上記の記事に書いたとおり「嘘は物事を悪化させるだけで、嘘をついた本人をいちばん堕とす」ことがわかるのですが、目の前のことから逃げることしか考えられないから、”その場のみ”の辻褄合わせしかできない状態に陥ります。その結果自転車のフラフラと同様の、支離滅裂な言い訳で迷走するのです。
嘘はいずれは暴かれます。そうなって恥をかくくらいなら、早い段階で潔く「ごめんなさい。嘘をつきました」と謝れば大事にはならないのに、それができない視野の狭さと無駄に高いプライドが邪魔してにっちもさっちもいかない状態になるわけです。コケて大怪我しないことを祈ります。
目的しか考えず過程は二の次
「黒でも白」にしないと自分に都合が悪いと思い、保身のためについてしまう嘘。そんな時はゴール地点である白と言い張るための言い訳しか考えてません。
ところが黒から白に至るまで、途中にグレーもあることを知っている第三者は、そこから順を追って矛盾点をついていきます。これは嘘つきにとっては想定外の展開。予定になかった色について説明を求められても答えようがないのです。このような想像力の欠如も、支離滅裂の原因です。
支離滅裂ならまだ救いがある
問題は嘘をついている自覚がない人。自分がついた嘘を自分で信じてしまう人。こういう人は息を吐くように平気で嘘をつきます。この手のタイプは人格的な問題なので、専門家におまかせするしかありません。
これを逆に言えば、支離滅裂になるならまだ救いがあるということです。嘘に対する後ろめたさと保身との葛藤が、支離滅裂という形になって表れたと考えられるからです。
ただしあまりにそれを繰り返すと、唯一の救いである後ろめたさも麻痺して、やがて本物の嘘つきになってしまう可能性もあります。
今回の日大のコーチと監督の会見がそれを物語っています。動揺っぷりが激しかったのはコーチ。顔色一つ変えなかったのは元監督。コーチの方は、まだ今なら引き返すことができるけど、元監督はもう無理でしょう。
入院したとのことですが、ついでに人格的な治療もしっかりなさってきてほしいと願ってやみません。
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