Violet@Tokyo

清原和博が更生するのに必要な条件と「鷹の選択」に込める思い

約6分



覚せい剤取締法違反で今年2月に逮捕された元プロ野球選手清原和博被告の初公判が、今日、東京地裁で始まりました。

今日は朝から彼の話題でもちきり。

その中でも私がいちばん注目したのは、引退後の荒れた生活です。

その内容があまりにも「セルフ・ネグレスト(自己放任)」の特徴と合致しています。

今後清原和博被告が更生するには薬物依存の治療だけでなく、セルフ・ネグレストの問題にも目を向けていかないと再起は難しいかもしれません。

「清原は自ら望んで破滅に向かっているように見える」と、上記の記事に書きましたが、その時は全く理由がわかりませでした。

けれど、心に抱えた深い闇がセルフ・ネグレストであるならそれも頷けます。

セルフ・ネグレストとは

セルフ・ネグレストについては以下の記事に詳しく書かれています。

セルフ・ネグレストに陥りやすい状況や原因(きっかけ)としては・家族・友人・地域社会などからの孤立、家族や職をうしなったことによる過去への執着心や孤独感によるもの、認知症、精神疾患、アルコールや薬物の依存、引きこもりからの移行、震災・災害などの影響、持病、離婚や離縁による生活環境の変化、経済的困窮など、様々な理由が挙げられます。

出典: 「セルフ・ネグレストとは」

元々は別件で調べていたゴミ屋敷問題でこの記事が目にとまりました。

なぜ清原和博被告がセルフ・ネグレストなのか?

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引退後、目標を見失ったこと、監督やコーチになりたかったけど声がかからなかった焦り、離婚して子どもに会えない寂しさなどから薬物に手を出したと初公判で語っていましたが、上記の引用部分とあまりにもぴったりで驚きます。

死を望んだ時期もある

彼は、持病である糖尿病の治療を中断した時期があります。

セルフ・ネグレストの代表的な特徴として、「緩やかな自殺」、つまり必要な医療の拒否というのが挙げられます。

「自己虐待」とは少し異なります。自己虐待は、自分を自分で傷つける、積極的な行為も含みますが、「セルフ・ネグレクト」はむしろ消極的に「自分を放置・放任することにより、時間をかけて自分の健康や安全が損なわれていくものです。

出典:【読書感想】ルポ ゴミ屋敷に棲む人々 – 琥珀色の戯言

自分の殻にこもる

また旧友・桑田真澄氏に「一切関わらないでくれ」と、助言を拒否したと伝えられています。

桑田氏によると、最後に話したのは約3年前。それまではよからぬ噂を聞く度に、連絡を入れて、確認していたという。「僕も小姑のように、こういうことはよくないとか、こうしなきゃいけないと引退後も言い続けてきたので。それを言えるのが僕だと思うんですね。その小言に嫌気がさしたんでしょうね。『一切関わらないでくれ』ということを言われて、3年ぐらいになりますかね」と明かした。

出典:桑田氏が激白14分「僕も小姑のように言い続け…『一切関わらないでくれ』と言われた」 – 野球 – SANSPO.COM(サンスポ)より

助言に反発して周囲に壁を作り、自らの殻にこもる。これもセルフ・ネグレストの特徴です。

桑田氏は「小姑のように」と言ってましたが、そのような言い方は、セルフ・ネグレストの人間には逆効果だということが以下で紹介されています。

長い期間をかけてその状態に至った人たちに、セルフ・ネグレクトだと自覚してもらうことは、極めて難しいことです。

家族であっても、責めたり説得したりすることでかえって反感をかってしまい、「今後一切自分に関わるな」と言われてしまうこともあります。

出典:【読書感想】ルポ ゴミ屋敷に棲む人々 – 琥珀色の戯言

難しいですよ。桑田さんだって付き合いが長いから、立ち直って欲しいと願うあまりそのような言い方をしたと思います。でも近すぎるから反発してしまう。桑田さんだから反発してしまう。それが清原に残された最後のプライドかもしれません。

ゴミ屋敷住人の8割はセルフ・ネグレスト

「これだけの条件が揃えば彼の自宅はゴミ屋敷だったに違いない」と思って調べてみると、ビンゴ!

亜希さんが出て行ってから、清原さんの自宅は荒れ放題でゴミ屋敷のようになってしまい、彼は彼女の家に入り浸りみたいですしね

出典: 妻が出て行き清原和博邸がゴミ屋敷化 銀座ママ宅に入り浸り

輝かしい過去に対する強い執着と「鷹の選択」

清原和博被告は「鷹の選択」という動画が好きで、逮捕直前に会っていた人物の前で涙をポロポロ流したというエピソードがテレビで紹介されていました。

バッシングの報道に対し、「昔ならバット1本あれば翌朝には吹き飛ばせた。でも今はバットがないねん。どうしていいかわからない」と言って泣いたそうです。

だから薬に手を出していいという理由にはなりませんが、「このままではいけない。生まれ変わりたい」と願っていたことだけは理解できます。

結果だけを見て「だらしない」と言ってしまえばそれまでですが、例えば一般人でも仕事をリタイアした高齢者が方向性を見失うことはよくあります。

「よし、明日から悠々自適。好きなことをやるぞ」とばかり、誰もが上手に変化できるわけではありません。

鷹と自分を重ねた?

動画の「鷹は40歳くらいになると爪は次第に弱くなり、クチバシは曲がり、その翼は徐々に重くなり、獲物がうまく取れなくなってしまいます」という部分に自分を重ねたのでしょう。

引退の年齢(41歳)とだぶります。

心の底から変化を求めていたけど、実際にはその術がわからず、もがいているうちにずるずると転落。このまま死ぬ時期を待つしかないのかという絶望感と戦っていたのでしょうか。

過去を懐かしんで「あの頃は良かった」というのは、もっと年を重ねた人だと思っていました。

番長・清原という強面のイメージからかけ離れた脆い内面。しかも過去の栄光が邪魔してそれを素直に表現できないあまりに薬物に逃げる。ちょっと悲しいですよね。

薬物依存は誰からも同情されない病気です。だから彼の元から一人、また一人と親しい人が離れていきました。

それでも周囲のサポートがなければ、自力では生まれ変われません。

それを理解してあげる人がなによりも必要。その上で清原自身が自分の弱さを認め、「薬物依存」という病気であることを認める必要があります。

次に心の底から変化を望むこと。切望すること。そして変化に伴う苦しみを乗り越えること。

それらが揃ってはじめてもう一度羽ばたけるのではないかと思います。

 

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