昭和から平成になって、28年経過がしました。
四半世紀も過ぎれば、昭和とは全く違う平成ならではの特徴があります。その最たるものは、タバコに対する意識の相違ではないでしょうか。
世界保健機関(WHO)は、喫煙シーンのある映画やドラマを「成人向け」に指定するよう、各国に勧告したというニュースを見た時、「とうとうここまで?」という気分になりました。
昭和はタバコ天国だった
昭和は愛煙家にはとても居心地の良い時代。古いドラマを見ていると、あらゆる場面でタバコを吸うシーンが出てきます。当時のドラマにあるように、タバコはどこでも吸えました。
刑事物なんてタバコはあたりまえ。張り込みの必需品はアンパンと牛乳、道端に捨てられた大量の吸い殻の山です。駅や路上はもちろん、病院の廊下にも喫煙所がありました。実際に点滴している入院患者が喫煙所でタバコを吸っているシーンを見たことがあります。
今では全面禁煙が当たり前の学校でも、職員室はタバコの煙が充満してましたし、タバコが吸える映画館もありましたし、電車内でも吸えたように記憶しています。仕事中のオフィスだってサラリーマンは堂々と吸っていました。
ホタル族なんて昭和の時代は皆無です。父は堂々と家の中でタバコを吸ってましたし、それが当たり前の時代だったから家族もそれに対して文句なんて言いませんでした。家具にヤニがつくなんて、家族は誰も気にしませんでした。
平成はタバコを吸うと人として扱われない
一方平成は愛煙家にとって肩身の狭い時代…なんて生易しいものではありません。だいいち吸う場所もありません。平成は嫌煙家が愛煙家を弾圧するのが当たり前の時代になっていて、「タバコを吸ったら人にあらず」くらいの風潮があります。
昭和の時代はタバコを吸うのがかっこいいとされましたが、平成はこの逆。息が臭い、マナーが悪いなど、もうドン臭いの一言です。
昭和に我慢していた人たちがこぞって愛煙家を弾圧しているような風潮もあります。
このような流れを見ていると、タバコ天国だった昭和の時代に、喫煙しなかった人が本物の勝ち組かもしれません。最初から吸わなければ禁煙の苦労もすることはないし、煙のために大金を使うこともしなかったわけですから。それに、タバコがいくら値上がりしようと関係ありませんしね。
若者はかっこ悪いことに飛びつかない
喫煙シーンをR指定する目的は、若い人が喫煙シーンに影響されてタバコに手を出さないようにするためとされています。
でも若い人は流行やかっこよさから入りますから、タバコが過去の遺物で、時代遅れのダサい代物とされている現代においては特に、そこまで神経質になる必要はないと思います。
事実、タバコを吸う大学生はたった1割というアンケート結果も出ていますから、これからはますます喫煙者は減るはずです。
煙草を吸う大学生はたった1割? 「お金を払って寿命を縮めようと思わない」
それよりも喫煙シーンがあるだけの理由で、映画やドラマに影響が出ることの方が嫌です。「タバコ」という小物がどれほどその時代を物語るのかを、映像で手っ取り早く知ることができますものね。
タバコは国が認めた嗜好品である以上、もう少し柔軟に考えてもいいのでは?と思う今日この頃です。
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