Violet@Tokyo

訓練犬・ヴィオレ

約 6 分

ヴィオレは去年の春まで訓練競技会に出していました。ワクチン接種が終わってすぐの生後数か月という早い時期から躾教室に通っていました。そして1歳を過ぎた頃に半年の出張訓練を経て訓練試験に無事合格。

その後競技にはめっぽう強い、国内でも5本の指に入るという超有名な某訓練所に場所替えをして、そこで預託の訓練を7か月ほどお願いしました。その後、自分が指導手となって競技会に出すまでになったのです。

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ジュリアも同様に1歳を過ぎた頃、同じ訓練所に7か月ほど預け、競技会に出しました。

この時の指導手は担当訓練士さんにお願いしました。私一人で二匹出すというのはとても無理。 心臓バクバクでヴィオレのことだけで精いっぱいでした。

穴があったら入りたいような数々の失敗を乗り越えて、ずっとヴィオレと頑張ってきました。ヴィオレもいじらしいくらいによく頑張ってくれました。その失敗すらも、今となってはいい思い出です。

競技会に興味を抱いたのはある訓練士さん・Tとの出会いがきっかけでした。それは最初にお願いした個人でやっている訓練士さんですが、今日、たまたま彼の経営する教室の前を通ったら、建物ごとなくなっていました。

移転して全く別の場所で心機一転を図ったようです。一つの時代が終わったんだなぁと、当時を懐かしく思い出します。

大きな訓練所と違い、個人でやっている訓練士さんは何かと苦労が多いと思います。あるときその人は私にこう言いました。「競技会を目指すのは楽しいでしょ?」と。私は「うん」とうなづきました。

その人の言わんとするのは多分こうでしょう。個人でやっていると、そこに来るお客さんからの相談というのは、トイレのしつけや噛み癖、吠え癖がほとんどで、躾の面で何かしら問題がある飼い主さんばかり。ヴィオレみたいに躾では何の悩みもなく、競技会だけのために来る飼い主さんなんてごくまれなケースです。

大きな所はネームバリューでお客さんが集まってくるから経営面の心配は少ないかもしれないけど、大会で結果を出さなくてはならないというプレッシャーがあるから、どっちが大変とも言い切れないと思います。

どちらにせよ、犬が好きでなければできない仕事です。

好きなことを仕事にして、それで食えるようになるというのは大変なこと。私のように単なるお楽しみで大会に出て、今度は良かったのイマイチだったのと一喜一憂しているのが一番気楽で良いのかも。ただ大会のことだけを考えて夢中になってたあの頃・・。

今となっては懐かしい思い出です。

早朝に御殿場で練習をして、急いで自宅に戻り、午後からバドミントンの練習をするという強行スケジュールなんてしょっちゅうでした。我ながらよく続いたものだと感心します。

それにしても競技会は楽しかったです。

大きな訓練所から出ると、一緒に出る人たちや訓練所のスタッフ達と同じテントに集合します。ちょっとしたピクニックの感覚です。みんなで一緒にご飯を食べたり、応援しあったり、楽しいおしゃべりに笑い転げたり、本当にみんな気の良い人たちばかりでした。

あの震災で半年以上も大会の期間が開いてしまい、その間に徐々に訓練熱も冷めて・・というより、その頃になると私のバドミントンの方が忙しくなったという方が正しいのですが、どちらにせよ、去年の春の江戸川を最後に競技会には参加していません。

おかげでヴィオレは今や訓練犬の”く”の字もなくなっています。脚側なんてすっかり忘れたのか、散歩に出ても匂い嗅ぎに夢中。他の犬を見ると「ウォウォウォー」と意味不明な雄叫びを上げて、すっかり野性的なねーちゃんになっています。 大会ではそんなことは一切しなかったのに。

でもそれを見ると逆に感心します。訓練モードに入るとちゃんと真面目に競技をこなし、オフタイムにはひょうきんヴィオレに変身します。

ということは、オンとオフがわかっているということです。人間ですら、TPOをわきまえない輩がいるというのに。

訓練を通してわかったことが一つあります。スワレやフセなんていうのは最低限の礼儀みたいなもので、それは訓練士の手を借りるまでもなく、飼い主が家に迎えたその時から普段の生活の中で少しずつ教えればいいことです。

少なくとも競技会を目指す目的で訓練所に行くなら、そのくらいはできた状態で預けるべきです。

これを子供の教育に例えてみるなら、学校で国語や算数を教えるのは教師の仕事。

でも着替えや挨拶ができるようにするのは親の仕事。学校に行く前に最低家庭のしつけができてないと、学校に入って集団の中でやっていくのは困難です。

学校に入って国語や算数を学んだとします。だからといって子供の性格が変わるわけではありません。それは犬とて同じこと。

訓練をしたからといって犬の性格が変わるわけではありません。

訓練所や躾教室に通ったり預けたりすれば、犬が劇的に良い子になると思う人が多いようですが、それは勘違いもいいところです。飼い主が何の努力もしないで犬にだけに変わってくれと願うのは虫が良すぎると思います。

まず飼い主が意識を変えなければいけません。犬は吠えるし噛むものだと思った上で、それをさせないようにするにはどうしたら良いかを飼い主が考え、工夫すればいいだけのこと。躾とはそうあるべきだと思います。

ただ訓練することによって我慢ができる犬になることはできます。

ヴィオレのオンとオフのスイッチがそれを証明しています。ヴィオレは本当に我慢強い子です。競技会に出てそれを確信しました。

あの騒然とした中では、ほんの数メートル先ではリードの離れた大きな犬が競技をしています。中には興奮して脱走する犬もいます。大会慣れしてない若い犬は度々そういうことがあります。

そんな中でも「マテ」をかければ解除されるまでじっと待ち、いつもと違う異様な雰囲気の中で、一生懸命私のコマンドに従いました。そんなヴィオレがただただいじらしく、競技終了後は何度も抱きしめました。

だからやめたのかも・・。

「ありがとう」という言葉と共に「ヴィオレは十分頑張ったんだから、もういいよ」って感じで。

今はもう自由にさせています。それで困るようなことは特にないし、信頼関係はしっかりできていると言い切れるし。

訓練してた期間は長かったので、これからは普通の家庭犬としてのんびりやっていくつもりです。

これからの時間は、一緒にいられる幸せを感じる時間にしたいのです。全ての命は永遠ではない。今、当たり前にできることも、いずれはできなくなるときが来る。

その時に後悔しないようにしたいのです。これからは訓練犬としてではなく、家庭犬として生きていって欲しいと願っています。だってヴィオレやジュリアは、最高の家庭犬なのだから。

 

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(最終更新:2017/09/04)

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