誰もが嫌がること、面倒なことを他人に押し付ける人はどこにでもいます。
その中でも特に面倒なのは、「お願い」ではなく「相談」を装う人。
この手のタイプは本当に厄介です。
「もう困っちゃう~」と、いかに自分が困っているかを延々と愚痴り続けます。
相手の目的はただ一つ。「私が引き受けるわよ」の答えが欲しいだけです。
だからその言葉が出るまで”察してオーラ”をチラつかせながら「相談」を止めようとしません。
そのような人にはどう対処したらいいでしょう。
結論から言えばタイトルどおり、毅然とした態度で「No」の意思表示をするのが吉と出ます。
だから根負けしてはダメ。それだけは覚えておいてくださいね。
以下でその理由をご説明します。
なぜ率直に「お願いします」と言わないのか
同じ頼み事でも単刀直入に、「どうしても困っているからお願いします。やってください」ではなく、遠回しな言い方をする理由はなんでしょう。
ズバリ、借りを作りたくないからです。
借りを作りたくない理由
下手に借りを作れば何かの時に返さなければなりません。その”返済”を損だと感じているのです。
この手のタイプに「困った時はお互いさま」なんて通用しません。
「私は頼んだ覚えはない」という逃げ道を、最初から用意しているからです。
「引き受ける」と言ったのはあなた。
あなたが自主的に「やる」と言った。
だから私には”返済”の義務はないと、脳内ではこのような計算が働いています。
一度でも引き受ければ次からは便利に使われる
仮に根負けして引き受けたとしましょう。そのときだけは「わあ!ありがとう!」なんて口では一応言います。でもありがたみなんてこれっぽっちも感じちゃいない。
それどころか次からは、あなたがそうするのが「あたりまえ」になり、当然のような顔をして、むちゃくちゃな「相談」を持ちかけてきます。
一度でも引き受けてしまえば次の瞬間から相手にとってのあなたの位置づけは、「頼りになる人・親切な人」から「頼みやすい人・便利に使える人」になってしまいます。
昨日、まさにそんなできごとがありました。次の項でその実例をご紹介します。
実録!「その手は桑名の焼きはまぐり」
発端はスズメバチの巣
自宅の敷地に食い込むようにして建てられた集中プロパン庫の中にスズメバチの巣がありました。
発見者はガス会社の作業員。作業中に気づいたそうです。
たまたま外にいた隣人に事情を伝え、巣の駆除を業者に依頼するか、市に連絡をするなどして「早急に取り除け」と指示したそうです。
本来なら住人にはそれを引き受ける義務はありません。プロパン庫はガス会社所有の土地。上物の管理もその会社がしているわけですから駆除する義務はガス会社にあります。
ところが客に「やれ」と指示をする。もうその段階で、ガス会社がとんでもないことを言っているかがわかります。
でも隣の主婦にはそれがわからない。考えようともしない。作業員に言われるまま、「わかりました」と承諾しました。
それなら勝手に引き受けたその主婦が、責任を持って最後までやればいいのですがそれもしない。自分で引き受けておきながら、後になって私に押し付けようとしてきました。
土地の形状がうちの敷地に食い込むようになっているというだけの理由で、うちがやるのが当然だと思っているのです。
マニュアルどおりの遠回しな物言いが特徴
インターホンで私を呼び出し、開口いちばん「あなたの家はプロパンガスですよね」と聞いてきました。
住人の中には都市ガスに変えた家もあるのでその確認だと思います。彼女の中では「プロパンガスを使用する住人たちの責任」と認識したようです。そのあたりの認識がかなりズレていると感じました。
蜂の巣があることの危険を延々と訴え続けた後、作業員に言われたとおりを私に伝えてきます。ただし、私にはひとっことも「お願いします」とは言いません。「怖いわ~・困ったわ~」を繰り返すばかり。目的がミエミエです。
スズメバチに匹敵する猛毒で反撃
まどろっこしくてラチがあかないので、私は彼女に「プロパン庫は誰の所有?」と質問しました。
彼女は一瞬言葉に詰まりました。質問の意図を理解してないご様子。なのでこう続けました。
「他人の土地。ましてドアには鍵がかけられている。鍵を持たない私たちは開け閉めすらできない。それなのにどうやって駆除するつもり?巣の駆除にはお金がかかる。そのお金はいったい誰が出すっていうの?」
「そ、それは…」と、絶句。
自分勝手に安請け合いした彼女にありったけの毒をこめて「私だったら自分だけの判断で、勝手に返事なんてしませんけど」と、軽く一刺し。
彼女にしてみたらスズメバチの襲撃にでも遭ったような気分だったでしょう。アナキラーショックを起こさないといいけど…。
「でも、近くに蜂の巣があれば刺される危険があるし…」
必死に態勢を立て直そうとして、最初の言葉を繰り返すだけ。バカの一つ覚えってヤツか?
「巣があってもなくても今の時期、蜂なんてあちこちで飛んでいます。刺されないように自分が注意すればいいのでは?それにもし刺されたら、ガス会社を訴えてやればいいんですよ」
この言葉に顔色を変えたのは、近くでやり取りを聞いていたガス会社の作業員。
「か、か、会社と相談してこちらが駆除します」
最初からそう言えばいいんだ、ばーかということで、めでたく非常識なガス会社の社員と隣の主婦を一気に駆除したわけです。
面倒なことを押しつける人の対処法
今回は「責任の所在はどこにあるか」という観点で追い込みましたが、他にも方法はあります。
空気は読まない
相手は絶対にはっきり言わず「空気読め」とばかり、察してオーラをまき散らしています。それなら「空気にルビをふってくれないと読めな~い」と、鈍感力を鍛えて天然を装い、とぼけ通すのが効果的です。
質問攻めも効果的です。「結局あなたは私にお願いしているってこと?なんではっきりそう言わないの?」など、あれこれ質問攻めにした挙句、「でも私にはできないなぁ」と言って突き放してやりましょう。
静かにフェードアウト
相手がどんなに「困った」と言っても「へー、そんなに困る?私にはよくわからないけど…。じゃーねー、がんばってねー」という具合に、しずしずとフェードアウトしましょう。利用価値がないと悟ればあなたを諦めて、さっさと他のカモを探しにいきますって。
最後は毅然とした「NO」
ただし、あまりにも諦めが悪くてしつこく言い続けるようなら「そんなことを私に言われても、どうすることもできません。困ります」とか「あなたにできないなら、私はもっとできない」と、シャットアウトしましょう。
相手だってカモを選んでいるのです。「水を向ければ引き受けてくれそうな人」というのが選ぶ基準です。人の善さを利用しようとしているだけです。
まとめ
世の中は、持ちつ持たれつの関係で成り立っています。時には面倒なことでもやらなければならないことはあるでしょう。やったことが後に自分の経験として、大きな財産になることだってあります。自分に余裕があれば、できる範囲で困っている人を助ければいい。
だとしても、やはり相手をしっかり選ばなきゃ。今回のスズメバチの件なんて、絶対に断るべきケースです。「お互いさま」とか「持ちつ持たれつ」の関係が成立しない、一方的な関係は不自然です。
そんなズルい人からは、嫌われたっていいじゃないですか。ストレスを抱えてまでイヤなことをする必要はないのです。「良い人」と「都合のいい人」は違いますからね。
そう割り切ったことで、今回は本当にスッキリしました。
相手は今頃ハンカチ噛みしめて「キー―ーッ」となっていることでしょう。
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