遺産分割協議や離婚の話し合いなどで、双方の主張が折り合わない時は、解決に向けて調停を利用する方は多いと思います。そのような時には男女1名ずつの調停委員が選任されます。
調停委員は,調停に一般市民の良識を反映させるため,社会生活上の豊富な知識経験や専門的な知識を持つ人の中から選ばれます。具体的には,原則として40歳以上70歳未満の人で,弁護士,医師,大学教授,公認会計士,不動産鑑定士,建築士などの専門家のほか,地域社会に密着して幅広く活動してきた人など,社会の各分野から選ばれています。
情報源: 裁判所|調停委員
私も現在叔母の遺産分割調停の真っ最中です。
この調停委員、ハズレ!!
第一回目はそう感じてひどく落胆しました。
自分の意見を言ってもことごとく遮られる。
けれど、それで諦めるようなヤワな女ではありません。忙しい中、大変な思いをして準備に費やした日々が無駄になります。
戸籍の取り寄せは、泣きたくなるほど大変でした。 補足するまでもありませんが、この年になると時間の無駄なんて1秒たりともしてられません。そこで相続の調停委員の攻略法を考えました。もし私のように調停委員があなたの意見を遮っているように感じたら、それで落胆するのではなく「なぜ、この人は遮るのか?」と考えるクセをつけるようにしましょう。
それにより調停委員の攻略法が見えてきます。何事も、1拍置くって大事ですよ。
昨日は3回目の調停でした。
3回目にしてようやく方向性が見えたように感じたので、不公平な調停委員の攻略法をまとめてみます。
調停委員は不公平なものだと最初から認識しておく
まず覚えておきたいのは、調停委員はどちらに対しても公平ではないということ。
自分が正しいと思ったことを言っても、それが必ず通るわけではありません。
調停委員は早くケリをつけることを第一にしている
調停委員の仕事は「こじれた問題を早く解決させること」で、正しい・正しくないは二の次です。
調停は,どちらの当事者の言い分が正しいかを決めるものではないので,調停委員は,当事者と一緒に紛争の実状に合った解決策を考えるために,当事者の言い分や気持ちを十分に聴いて調停を進めていきます。
情報源: 裁判所|調停委員
双方の言い分がぶつかる時は、どちらも自分が正しいと思って引きません。だからこじれるわけです。
そのため調停委員はどちらか一方に対し、無理に納得させようとするような言い方をします。
担当した調停委員が不公平だと感じるのはそんな時です。良く言えば「歩み寄り」、悪く言えば「丸め込まれる」という感じでしょうか。
調停で感情的になってはいけない
ただし片方だけが不公平に感じるわけではなく、相手方も同じように不公平だと感じる場面はあるはずです。
多くの方は「自分だけ?」と思うから落ち込みますが、不公平っぷりだけは公平です。
そこに気がつくか気がつかないかが調停委員攻略法のキモです。
最初からそれをしっかり理解しておかないと、感情的になって、いい結果は得られません。
調停委員の心象をよくするための心得
調停委員とケンカしても何の得にもなりません。まずは冷静になり、どうやったらスムーズな話し合いができるか、それを第一に考えましょう。
相手方の悪口を言わない
調停に至るまで、双方に感情的なしこりは絶対にあります。
でも調停はケンカの場ではなく、話し合いの場です。
そのため調停委員に対しては、話し合いに望む姿勢を見せることがなによりも大切です。
腹の中はどうであれ、相手を悪く言うことだけは避けましょう。
これだけは譲れないという部分を明確にする
ここからは具体的な実例を出してご説明します。
これまで従兄弟は叔母の預金から葬儀代として300万を預かり、そのお金で3回忌までの法要を賄ってきました。
出席した人から食事代は取らないというのが今までのシステムでしたが、今後17回忌まで、それを続けたいというのが相手の主張です。
「そもそも相続の話に墓守の件を持ち込むのは筋違い」というのが私たちの主張で、それを今後も変えるつもりはありません。
すると調停委員は「これだけの財産を残してくれて、みんなが祖母さんからもらうのだから、少しくらいは認めるべき」と、最初のうちはこちらの意見に否定的でした。
そこで私は調停委員の言葉をそっくり使い、「みんなが祖母さんからもらうのだから、これからは自分の飲み食い代くらいは各自で払うべき」と主張しました。
それに対し調停委員は「そんな攻撃的な言い方をすると、まとまる話もまとまらない」と言い出しました。
調停委員が丸めこもうとして使った同じ言葉を、こちらがそのまま使ったからシャクに触ったのかもしれませんが、相手を丸めこみたいのは私も一緒です。私は無視してこう続けました。
譲れない理由を理論的に堂々と伝える
「法事は土日に行うことが多く、仕事の都合で出席できない人もいるので、都度払いにした方がみんなにとって公平です。全員が17回忌まで元気でいられる保証なんてありませんから」
さらに譲る部分も付け足しました。
「お寺に支払う実費(法事の僧侶へのお布施と花代)だけは認めます」
調停委員は返す言葉を失い、相手方にそれを伝えるしかなくなりました。
すると他の従兄弟たちも「それは確かにそうだ」という反応があったようです。
何もかもを譲れないというのは感心しませんが、「これだけは絶対」という部分は迷わず強く出ていいです。
ただしそのときは、相手に反論させる隙を与えないような完璧な正論をぶつけましょう。
もちろんその時は、裏付けになるデータも必要ですから用意してくださいね。
欲をかいたほうが心象は悪くなる
今後の墓守代として従兄弟は300万を要求してきました。
その内訳は一回の法事に食事代込みで25万。今後3回法事をするつもりなので75万。それプラスお墓の年間管理費です。
調停委員も、遺言書もないのに、まさか300万も要求するとは思ってなかったご様子。
だから最初は「少しくらいなら」と、こちらに否定的な言い方をしていましたが、相手の言い分を聞いたら、少しどころの話でなかったため「それはちょっと高すぎる」と言い始めました。
そして最後には「もしあなたたちがどうしても認められないというなら、墓守の件は相続の話から切り捨てます」と、こちらの主張を後押しする意見に変わりました。
それにしても参列者10人にも満たない法事に25万て…。どんな計算をしているのか、今度聞きたいですわ。管理費だってお寺に問い合わせたら年間8000円ですが、調停委員には月々1万円もかかると言ってたそうな。
これでは呆れられても仕方ないですね。
ちなみにお墓の維持費はこちらにまとめられています。
お墓の維持費やメンテナスはどのくらい必要?http://www.ishinoya.co.jp/first/qa/qa_price/qa_answer54.html
協力する姿勢を示す
相手方は後見人を努めた従兄弟ですが、従兄弟の言い分は、私たちが「何もせずに文句ばかり言っている」と泣きついたようです。
決してそうではありませんが、調停の場でそれを訴えても泥仕合に拍車がかかるだけです。
相手が「何もしない」と言うなら「これはやります」という姿勢を行動で示せばそれでいいだけのこと。不動産の一部に関し、売買の手続きを私たちですることにしました。
すると調停委員の態度はそれまでと全く違うものになりました。
まとめ
以上をまとめまると、自分のためではなく、「みんなにとってベストである」という言い方に徹するのが調停委員を味方につける最善の方法だと体感しました。
調停委員は話の流れの中で、早く終わらせたいあまり、その楽な方法として、挑発的な言葉を使う場面は多々あります。
でもそれにめげてはいけません。最初からこういうものだと思ってその挑発に打ち勝ち、有無を言わさせいような正論をぶつけることがなによりもたいせつです。
さて最後に、調停委員の態度がみるみる変化するポイントをいくつかご紹介します。
調停攻略・マル秘テク
- どんな挑発にも打ち勝つ強い心を持つこと
- 悪口に悪口で応酬せず行動で証明すること
- 冷静さを保つこと
- その場で答えられない時は次回に持ち越すこと
- 欲にかられて不当な要求はしないこと
- 協力の姿勢を見せつつ譲れない部分に関してのみ、断固とした態度で臨むこと
これから調停を考えている方及び、今、調停をしていて不公平に感じている方がいたらぜひ参考になさってください。
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