美しく整備された街並みに、ピカピカの真新しい住宅が建ち並ぶ新興住宅地。外から見るとまるで夢の世界のようです。
私が生まれ育ったのは駅から徒歩数分の商業地のど真ん中。便利だけど日当たりなんて望めないし、騒音もある。窓から手を出せば隣の壁が触れる。
だから郊外の自然豊かな場所に、庭付きの家を持つことが幼い頃からの夢でした。
そんな夢を、結婚と同時に叶えました。新婚で新築。ピカピカの新興住宅地で、夢のような暮らしが始まるものと信じていました。
ところが住んでみると、新興住宅地特有のディープな近所づきあいに疲れ果てました。
新興住宅地の近所づきあいはクセのある人物をいかに早く見抜くかがたいせつ
近所づきあいのノウハウを知らなかった新婚時代
住人達の年齢層は40代の専業主婦が中心で、私が最年少でした。
結婚間もない新米主婦だった私は、当時ずいぶん近所づきあいで悩みました。
私の母は町のど真ん中でずっと商売をしていて、専業主婦特有のご近所づきあというものをしている暇はなく、私にはそういったお手本がありませんでした。
しかも住人たちはみな年上。子供にも手が離れているため、暇を持て余している人ばかり。いざ住んでみて、とにかく面喰いました。
最初から深入りしなければトラブルは避けられる
それから20年という長い時間を経て、いろいろありましたがようやくたどり着いた結論は「最初からクセのある人と関わらなければ、トラブルにならない」ということ。
一度親しく付き合ってから「この人、ヤバイ!」と距離を置くよりその方がはるかに楽だし、しこりも残りません。
ではどうやってクセモノ主婦を見抜いたらいいでしょう。多くの方はこう思うはず。
「入居するまではどこの誰かもわからない他人同士。最初のうちは本性なんて表さない。こんな人だったの?とわかるまではある程度の時間がかかるはず。その時には遅いでしょ?」
そんなこと、ありません。観察期間はひと月もあれば、生態は十分掴めます。むしろ最初だからわかることもあるのです。
私が実際に出会った「深入りしない方が身のため」というクセモノ主婦の特徴をご紹介します。
しつこく宗教の勧誘をしてくる人
ある宗教活動に熱心な方がいて、ことあるごとに「新聞を取れ」とか、「集まりに参加しろ」とか、選挙の話など、声をかけられるたびに気が重くなりました。その人にとっては素晴らしい教えかもしれませんが、私には全く興味がないものでした。
なら「断ればいいだろう」ということですが、引っ越したばかりの時は相手のこともよくわからなかったし、先のことを考えるとその勇気が持てませんでした。
でもある時、きっぱり断りました。するといきなり態度がよそよそしくなり、「ああ、そういう人だったの」と、相手のことがおおよそわかってきました。
この手のタイプは計算高いので要注意です。同じ宗教を信仰している人でも、常識的な人は近所にはあまり声をかけません。「近所だから断りにくい」という相手の気持ちをちゃんと理解しているからです。
逆に言えば、しつこく勧誘してくる人は、「近所だから断りにくい」という相手の気持ちを利用しているのです。
これは宗教に限らず、高額な化粧品を売りつけてくるような人なども同様で、深入りしない方がいいタイプです。
人のことはなんでも知りたがるけど自分のことは一切秘密
例えば「ご主人、どちらにお勤め?」みたいな話は入居後、かなり早い時期に出ると思います。
で、あなたはその質問に素直に答えたとします。
その流れで次にあなたが同じ質問を相手にしたときに、それまでは異常に愛想がいいのに自分のことになるとはぐらかして絶対に答えない、徹底した秘密主義という人は要注意です。
そういうタイプは勤務先に限らず、あなたが買い物をする場所、出かける先、つきあう人など、あらゆることに興味をむき出しにします。あなたに興味があるのではなく、根掘り葉掘り聞きだして、「自分の家庭はまだマシ」と、優越感を満たすネタ探しに必死です。いちいち真面目に答えていると、明日の井戸端のネタにされますよ。
濃密な付き合いを好む人
「あの人に捕まると長いのよね…」
そんな人、いませんか?
軽く挨拶だけでは済まず、道路を占領して長々と井戸端会議。やがて買い物も一緒、お揃いの物を買いランチも一緒。そのままお茶して気がついたらそろそろ夕飯の支度をする時間になる…。やっと解放され、自宅に引き上げて数時間後、今度はおかずのおすそ分け合戦。
「夕飯まで同じ物を食うんかーー!」という信じられない関係。
通常、自立した大人の感覚を持った人なら嫌気が差すものですが、べたべたとした付き合いを好む人は、いつも一緒に行動することが「お友達」だと信じています。中学生がお手手をつないでトイレも一緒に行く的な?
家は生活する場で、お友達を作る場ではないのですが、彼女たちは新しい地でグループを作ることに必死です。
例えるなら、新しい学校で1学期のうちにグループを作って自分の居場所を確保したい的な?
だから最初のうちはみな、頑張って仲良くしようとします。
グループに入らなくてもあなたは一人ではない
住宅地の中であちこちにグループが出来上がってしまうと、自分はどこにも入れないのでは?と悩む方もいるようです。それが前回のエントリーです。
けれど友達は、作るものではなく、気がついたらなっているもの。昨日まで他人だった人と、いきなり「今日から私たち、お友達よね」なんてことは無理ですって。そういう不自然なのは、時間を無駄にして「お友達ごっこ」をしているだけです。
だから表面的なポーズに惑わされないで!
不安だから表面を取り繕っているだけですから!
仮に誰とも親しくなれなかったとしても、最低でも家族がいますから!
あなたはけっして一人ではありません。
いやむしろ、いい年した大人がやたらつるんで行動したがる方が「ん?」て思いませんか?
あなたが濃密な付き合いを好み、とりあえずどこかのグループに属したいというなら別ですが、もしべったりが苦手なら、その気持に正直になってください。関わった後に離れると、なにかと面倒ですからね。
最初はむしろ距離を置き、冷静に観察すしているくらいの方が賢いです。
イヤな人はいても、いい人も必ずいる
新興住宅地でずっと変わらずにいい関係を保てる人は、風通しのいい距離感を心得てます。
クセのある人はどこにでも必ずいますが、いい人だって絶対にいます。
つかず離れず、それでいてちゃんと見守ってくれるような人なら、ご近所さんとして理想的です。
ママ友と違って、住んでいる限りずっと顔を合わせることになる近所の住人。うまく付き合うコツは、常に気持ちのいい挨拶だけを心がけ、細く長く、ほどほどを心がけることです。
まとめ
実はここに挙げたのはごくほんの一部。どんだけ個性的な人が集まっているんだという話です。
もっと病的で悪質な人に、後に泣かされることになるのですが、それはまた、別の機会にお伝えします。
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