全国で高齢者による自動車事故が相次いでいます。
記憶に新しいところでは、昨年11月、83歳の女性が立川の病院で起こした死亡事故。これはアクセルとブレーキを踏み間違えたことが原因とのこと。
そのニュースを夫婦で見ていたのですが「むしろ、どこをどうやったらアクセルとブレーキを間違えられるの?」なんて話していたものです。
その段階ではまだ他人事。対岸の火事でしかなかった高齢者ドライバーによる無謀運転が、とても身近なものであると実感した出来事が昨日ありました。
急発進に急ハンドル、80代の暴走族
買い物に行った時のこと。そこは大きな駐車場が完備され、混み合う土日は警備員がいます。各自その誘導に従って車を止めていきます。ゆっくり走りながら空きスペースを探していたら、駐車スペースではない場所に一台の車が止まっていました。
「邪魔くさいね、なんだろう…」と思って見ていたのですが、そのドライバーはどうやら店内入り口に一番近い場所に車を止めたいようで、そこが空くのを待っていたみたいです。
しかしそこに停車されると出入りの妨げになるため、警備員は移動を促します。そのドライバーと警備員が話しをしていたので、私たちはそれを追い越そうとアクセルを踏みました。
するとそれまで話していたはずのドライバーは急発進。そして私たちの前方を塞ぐような形で幅寄せしてきました。「危ない!」と思った次の瞬間、今度はいきなり止まって車庫入れをし始めます。
危なっかしいから車庫入れが終わるまで後ろに止まって待っていました。すると今度はすごいスピードでバックしてきます。どうやら入れようと思った場所が気に入らない様子で、2台くらい隣にあった身障者用のスペースが空いたから反射的に「そこだ」と思ったのでしょう。
こちらはこちらで下がろうにも後ろに車がついているから下がれない。わずか数センチ手前で止まってくれたから事故にはつながりませんでしたが、「これは西部警察か」と、もう、ヒヤッとしましたよ。
警備員がいても安心ではない
もっと怖いのは警備員がいる目の前でこれら一連の危険走行がなされていること。その警備員も高齢者で、どうしていいのかわからなかった模様。気だけは焦ってアタフタしている様子はわかりましたが、肝心の足がついてこないからそこまで来ることができない。当然、誘導なんてできない。
判断能力のない高齢者ドライバーを、これまた判断能力&体力のない警備員が誘導するわけです。それはどう考えても無法地帯もそのもの。それでもまぁ、事故にならなかっただけよかったと思うしかないのでしょう。
しかし今思い出しても釈然としません。「警備員がいながらなんでこんな怖い思いをするわけ?」という、これが今の正直な気持ちです。
高齢者講習制度の厳格化を求めたい
降りてきたドライバーは、どう見ても80代オーバー。杖をついているところを見ると、車がなければ生活できない人なんでしょう。
だとしても、あんな状態では車の運転なんて、とてもじゃないけど無理です。
講習さえ受ければ免許の更新ができるという今の制度。全ての高齢者を十把一絡げにして考えることはナンセンスです。しかしこれだけ高齢者による事故が起きている事実を見れば、現行の高齢者講習は、全く意味をなしてないと言えるのではないでしょうか。
少なくとも、昨日遭遇した人に限っていえば無意味なものであると断言できます。
座学(30分)
運転適性検査(60分)
実車(60分)
討議(実車の反省検討)(30分)
たったこれだけで何がわかるというのでしょう。
実車と言ったって教習所内で簡単なS字、クランクと簡単な車庫入れくらい。そのくらいならできて当たり前。実車の反省検討といったって、注意されたことなんて次の瞬間には忘れてしまうのが高齢者ですから、それだって無意味です。
それよりむしろ、医師による診断書の提出はもちろんのこと、高齢者が立ち寄りそうな病院なスーパーの駐車場など、ふだんの生活に密着した場所で実地教習をした方がずっと効率的ではないでしょうか。なんたって走る凶器を扱うのですから。
高齢者講習は連日大賑わい
高齢者講習を特集したニュースを見ました。なんでも、あまりの混雑ぶりで最低でも3ヶ月待ちだとか。免許を自主返納するどころか、これからも高齢者ドライバーは増えていく一方です。
となると高齢者が増え続けるこれからの時代、今の制度のままでは悲惨な事故は後を絶たないことは目に見えています。
理想は、車がなくても高齢者が暮らしやすいインフラの整備。ところがそこまで追いつかないのが現状。ならばせめて、講習の内容だけでも厳格化して欲しいと切に願います。
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