そこに住んでいるというだけで一種のステータスになりうる人気の高級住宅地。しかも駅近の小ぎれいなマンションに住む友人がいます。
彼女がそこを購入した時は、正直「すごいな」って思いました。
ところが最近彼女の事情が変わり、そのマンションを売却しなければならない事態になりました。
「条件が良い物件だからすぐ売れるんじゃない?」と、何気なく言ったところ、彼女の口から意外な答えが…。
この時初めて知ったのですが、それは定期借地権付きのマンションで、50年後には更地にして地主に返却しなければならない物件。すでに築15年の物件なので、更地にするまでの期限は35年を切っています。
しきりに売れるかどうかを心配していました。
買う時は安くてもトータルの支払いは高額
正直、難しいと思いました。
だって「もし私なら?」と考えたら、定期借地権付きには手を出しませんもの。それなら賃貸を選びます。
マンションを更地にするとなれば、莫大なお金がかかります。
そのため地代の他に解体準備金という積立費用を支払い、さらに住宅ローン、マンションの管理費やら駐車場代などが別途かかります。
彼女いわく、「相場よりも割安な定期借地権付きだったから私たちでも買えたけど、長い目で見れば損をしたことになる」とのこと。
売れたはいいけど残ったのは借金だけ
ところが運良く、売りに出したらすぐに買い手がついたとのこと。定期借地権つきのマンションは売れないと言われているので「よく売れたな」と思ってその理由を聞きました。
するとかなり値段を下げたからすぐに売れたそうです。しかし結果的には1000万の借金だけが手元に残り、売り急いだことを後悔しています。
不動産を買う時は買うことだけがゴールになっている
以上の例を取ってみても、マンションに限らず不動産の売買で大損する方は多いです。
その理由は、今、目の前のことしか考えずに手を出すからです。
「50年後のことまで考えたら何もできない!」
「まさか売りに出すような状況になるなんて、あの時はわからなかった!」
きっとこんな答えが返ってくるでしょうね。
それも一理ありますが買う時はできるだけそれを考えないようにしているのではないですか?
「買ってしまえばその後はなんとかなる」という思考が強く働くのです。
つまりそこで暮らしていくことがゴールではなく、買うことがゴールという感じでしょうか。
シュミレーションは必至!
でもそれはタブーです。
若い時の「なんとかなる」と、年老いてからの「なんとかなる」は全くの別物です。
ほんの少しでもいいからこんなシュミレーションをした方がいいです。
「もし私が今30歳だったとして、それから50年後には80歳になる。
その時に引っ越しだなんて、いくらなんでもちょっとめげる」
80歳になった時の自分なんて想像がつかないかもしれませんが、それでもあらゆる限りの想像力を駆使した方がいいのです。
想像がつかないなら、身近にいる80代の人を見て「あれが将来の自分の姿なんだ」と思えばいいのです。
自分のことだけでなく、家族のことも含めて…。
そうすれば、もう少し不動産選びを慎重にできるのではないかと思うのです。
最後に
今回彼女がマンションを売りに出した理由は、ご主人の実家に帰るためです。
いずれそうなることが決まっていたならなおのこと、賃貸でいた方が身軽だったのにと思うのは私だけでしょうか。
「安物買いの銭失い」とは昔からよく言われていることですが、不動産の失敗は本当に怖いです。
慎重すぎるくらい慎重に考えて行動することをおススメします。
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