以前からささやかれていたタバコがひと箱1000円の時代。それがいつになるかという具体的な時期に関しての特定は控えますが、遅かれ早かれ、いつか必ずそうなると思っています。
禁煙したい人の実情
今、タバコを愛してやまない愛煙者の方たちも、そうなれば禁煙に踏み切りたいと思っているはず。
なぜならタバコが与える健康への影響や、金銭的な負担を考えれば、今すぐにでもタバコを止めたいのが偽らざる本音ですものね。でもなかなか止められなくて密かに悩んでいるのではないですか?
「これが本当に最後の1本」と思って手を出し、でも最後の1本では済まず、「この1箱を吸いきってから」と禁煙を先送り。その結果自己嫌悪に陥りストレスを抱える、の繰り返し。これが禁煙したいけどできない人の実情です。
私の友人たちも、過去にはスパスパ吸っていましたが、みな、様々な理由でタバコを止めました。今では誰も吸っていません。彼らは禁煙外来に行くなどの特別な方法を取り入れたわけではなく、ごく自然に、苦しまずにタバコを止めました。その方法をご紹介します。
「禁煙じゃないよ、買いに行かないだけ」というA子の実例
みんなが禁煙に成功しても、最後までタバコを吸い続けていたA子。そんな彼女と久しぶりに飲み会で会いました。
お酒の席ではいつも吸っていたはずなのに、その日彼女はとうとう1本もタバコを吸いませんでした。そこで私が「禁煙したの?」と聞くと、「やめてないよ、買ってないだけ」という答えが返ってきました。
それから数年経つ今でも「禁煙はしてないけどタバコを買ってない状態」は続いています。結果的には禁煙成功です。
我慢を減らしたからA子は成功した
その時は「へぇーーー」と思っていましたが、後からよくよく考えると、この方法はとても合理的ではないかと思いました。
意味合いとしては、「禁煙」というくらいですから、タバコを禁じるわけですが、禁じられるほど未練が募るのが人の情。だからタバコを禁じることをせず、買いにいくことを禁じたわけです。
ストイックに自分を追い込むことが苦手な人には向いているのではないでしょうか。
実際私の周りでも、悲壮な覚悟で禁煙に望むより、なんとなく、気楽に「ちょっとだけやめてみようかな」という方が、成功率が高かったのもこれと同じ理屈だと思います。
入院中に吸いたいピークは過ぎ去ったB君の実例
これは、一般的にはあまり好ましい状態とは言えませんが、ある日友人・B君は心筋梗塞で病院に運び込まれました。
タバコは心臓病の大敵であることは言うまでもありませんので、もちろん病院では吸えません。
そこで「退院してからも吸いたいと思った?」と聞くと、「入院中にその猛烈に『吸いたい』と思う時期は過ぎ去った」との答えが返ってきました。
タバコが吸いたくて仕方ない時期は最初の2~3日がピーク
これは禁煙を経験したことのある方が必ず口にする言葉です。最初のうちはニコチンの離脱症状からタバコを求めてしまうのですが、本当につらいのは最初の2~3日だと言います。
それを過ぎると、緩やかにその欲求が少しずつ薄れていき、10日、遅くても2週間くらい経過すれば、タバコのことを考えている時間が少なくなると言います。つまり彼が入院中した2週間というのは、タバコからの離脱の時期でもあったのです。
もちろんタバコを止めたいからといって、みなさんに入院をお勧めするわけではありません。でもピークがたったの2~3日であるなら、その間は嫌でもタバコに手が出せない状況を作ってみるのも一案です。
離脱症状が出る時期の過ごし方
意識的にタバコを吸っていた時の生活パターンを変えるしかありません。タバコを吸うのが習慣なら、吸わないのも吸わない習慣の積み重ねです。
どんな時にタバコを吸いたくなるのかを自覚するのが最初にやるべきことです。
朝起きた時ですか?
それならすぐに歯磨きと洗顔をすませ、ウォーキングやジョギングに出かけましょう。
今はとても寒い時期ですが、体を動かせばそのうちポカポカしてきます。
コーヒーを飲みたくなったときですか?
それなら、コーヒーは少しの間止めて、代わりに上質なお茶を飲みましょう。
食後の一服が欲しい?
おいしいクッキー、あるいは一粒のチョコレートがおすすめです。甘いものは、量を食べすぎない限りは健康にも一役買いますよ。禁煙のストレスを軽減できます。そしてすぐに歯磨きをしましょう。
夜更かしも厳禁です。早く寝てしまえば吸いたいという気持ちも起きません。
このように、ほんの少しずつ生活スタイルを変えていけば、吸わないでいることがデフォルトになっていくはずです。
また、鬱になるほど自分を追い込む必要はありませんが、決断と潔さは必要です。要は吸わなければいいのです。どんな形であれ、今から実践していけば、タバコ1000円の時代だって怖くはありません。
ここにご紹介したのはほんの一例です。ぜひご参考になさってください。
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