Violet@Tokyo

体験してもないことを平然とブログに書ける人って、ある意味すごい神経だと思う

約6分



すでにご存知のとおり12月6日、Google検索の改善を目的とする、大がかりなアップデートを実施しました。日を追うごとに「PVただ下がり」の声が聞こえてきます。

リライトを断念した理由

私のブログは医療系でも健康系でもない、趣味として日記代わりに書いている雑記ブログ。

だからアップデートなんて無関係と思いきや、入院・手術を受けたときの体験記が影響を受けました。単一キーワードで1位にあったものが2ページ目に飛ばされ、複合キーワードでも1位にあったものが語句によっては最高2位で、別の語句で調べてみると10位くらい。代わりに別の記事が急浮上しているので、全体的には2割程度のダウンです。

数は減ったものの、相変わらず検索からの流入はあります。個人サイトでありながら、この程度ですんだのなら御の字です。以下が該当の記事。

これは自分が手術を受けるにあたって不安に感じたことを記事にしたものです。これから同じような体験をされる方も、きっと同じような不安を抱くだろう思って書きました。

当時私は病気のことなら、実際に診断した担当医に直接聞けばいいと思い、病状に関わることについて、ネットで調べることを極力避けました。小難しい専門用語がズラズラ並んで読みにくいし、読んだとしても気持ちがドヨンとなるからです。

代わりに必死に調べたのは、手術後のこと。痛みのこと。みなさんどんな風にして術後を過ごしているかということ。

だから私は体験談を記事にしました。

するとその記事は一時的なバズではなく、実に長い間多くの方に読まれるようになりました。あるお悩み系の解決サイトでも「経験された人の体験談が一番役に立つと思いますので読まれてみて下さい」と紹介されることもあったりして、そんな時ほど「これを書いてよかったなぁ」なんて、素直に嬉しいと感じたものです。

私は自分が経験したことしか書けないし、その経験だけが世界の全てとも思っていません。でも「これも私の1ページ」だと思うと、やはりちょっと残念。それで「リライトという手もあるかな?」なんて思ってちょっと取り掛かってみましたが、途中でやめました。

経験したことしか書けない

この記事を書いたときの、傷口がズキズキと痛んで日常生活もままならなかった当時と今とでは、気持ちも状態も全く違っていることに気づき、ふと、こんな言葉が頭をよぎったからです。

「旅が始まるとき 山は山でなくなり 川は川でなくなる。
 旅が終わるとき 山はまた山となり 川はまた川となる」

禅なんてまったく興味がなかった私が禅の言葉と出会ったのは、禅とはまったく関係ない本の中でした。これはまさにこの言葉どおり。何かの喩えではない、まさにこのままの意味です。

禅とは師と呼ばれる人たちの内的経験なのではないかと思いました。だから、まったく同じような経験をしなければ、この言葉の意味がわからない。

禅問答がわけがわからないものとされるのも、ほとんどの人が「山が山でなくなる」経験をしていないからです。リライトしようと思った時に私が「できない」と感じたのは、すでに自分が健康体になり、「山が山でなくなってる」、自分の内的な状態に気づいてしまったからです。

ウィキペディアで今さらながら「禅」を調べてみました。その中に、沢庵和尚の言葉が引用されていました。

水のことを説明しても実際には濡れないし、火をうまく説明しても実際には熱くならない。
本当の水、本物の火に直に触ってみなければはっきりと悟ることができないのと同様。
食べ物を説明しても空腹がなおらないのと同様

つまり、禅とは体験そのもの。それが実際に自分が体験したことであっても、時の流れで内的なものが変わってしまうと、当時と同じ熱量では語れないことに気づいたのです。

嘘の体験記を書ける人ってすごい

だから、実際に体験してもいないことを平気で書ける人ってすごいなと、(かなりの皮肉をこめて)感じるわけです。

偶然見つけてしまったのですが、私同様個人のブログで、その人の病気の体験記らしき記事が書かれていて、それが検索上位に表示されていました。もちろん医療従事者のものではありません。

ところがそれはとんでもサイト。思わず鼻で笑っちゃいました。だって「今月子宮筋腫で子宮を摘出しました」と書いてあったのに、その半年前に「前立腺ガンになりました」みたいなことも書かれていて、「オメーの性別は一体どうなってるんだーーー?」という、お粗末な嘘松。

仮に外部ライターに書かせたものだとしても、まるで自分の体験談のように表記している時点で胡散臭い。見つけた時は、私の記事に近い場所にあったのがとても不愉快でした。今頃は圏外でしょう。ザマァ…、以下省略。

今回のアップデートがゴミ記事を一掃するきっかけになればいい

昨年のwelq問題もあることだし、ここまで信憑性のない真偽不明の情報を扱ったものが上位表示されているとなると、この流れはある意味しかたがないと思えます。だって、命に関わる分野ですからね。

もっと言えば、Googleには「生命・財産」という観点で、健康や医療サイトだけに限らず、インチキ金融ブログにも監視の目を光らせて欲しい、くらいに思っています。素人が安易に手を出してはいけない分野は絶対にあるはず。

他にもネット上には買ってもいないもの、使ってもいないもの、読んでもいない書籍を紹介する悪質なアフィー記事やパクリ記事が日常的にアップされています。しかも顔まで出して。

専門知識もなく、経験値もなく、文章力もない。でも金だけは欲しいから適当に書いているだけの記事を見るにつけ、「すごいメンタルの持ち主だな」とも思うのですが、それが今ドキのデフォルトであるとするなら、別に買ってなくても使ってなくても体験してなくてもいいから、せめて文章力くらいは磨いて、読み物として楽しめるものを読みたいと願うのは、贅沢なのでしょうか。

このくらいぶっ飛んだ記事なんて大好きです。

 

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はじめまして。このブログを執筆しているViolet(ヴィオレ)です。
このブログは私が日々感じたこと、考えたことに独自の視点を交えて書き留めている忘備録です。読者の方に少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
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